○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(PASC)1958/8/2タングルウッド・バークシャー音楽祭放送live
PRISTINE配信の新発見音源。DA盤とは異なる。本編ステレオで格段に状態はよい(ナレーション、拍手はモノラル)。もちろん録音ヨレがなくはないが時代的に許容すべきだろう。演奏は力感があり雑味が感じられるほどに楽器を鳴らし(とくに高音打楽器だ)色彩感はあるが毒々しいほどで英国的な情趣には欠ける。ただ三楽章は聴かせる。ミュンシュがフランス系指揮者とは思えないほど曲のロマン性を引き出し、現代性は響きにのみ現れているような調子で、RVWの書法の「半端さ」を気づかせてしまうところもある。ぼやかしておけばいいような弦のトレモロを粒立てさせ陳腐さを醸す、といったところである。曲慣れしていないようなミスも多い。重要なブラスのソロが落ちたり遅れたり信じられないところがあり、DAの演奏のほうが出来がよかったんじゃないかというところもある。とまれ、十分鑑賞に足る音質のミュンシュのRVWという点での価値はあり、ミュンシュ好きにはアピールするだろう。英国指揮者・楽団が絡まない演奏という点でも希少だ。
PRISTINE配信の新発見音源。DA盤とは異なる。本編ステレオで格段に状態はよい(ナレーション、拍手はモノラル)。もちろん録音ヨレがなくはないが時代的に許容すべきだろう。演奏は力感があり雑味が感じられるほどに楽器を鳴らし(とくに高音打楽器だ)色彩感はあるが毒々しいほどで英国的な情趣には欠ける。ただ三楽章は聴かせる。ミュンシュがフランス系指揮者とは思えないほど曲のロマン性を引き出し、現代性は響きにのみ現れているような調子で、RVWの書法の「半端さ」を気づかせてしまうところもある。ぼやかしておけばいいような弦のトレモロを粒立てさせ陳腐さを醸す、といったところである。曲慣れしていないようなミスも多い。重要なブラスのソロが落ちたり遅れたり信じられないところがあり、DAの演奏のほうが出来がよかったんじゃないかというところもある。とまれ、十分鑑賞に足る音質のミュンシュのRVWという点での価値はあり、ミュンシュ好きにはアピールするだろう。英国指揮者・楽団が絡まない演奏という点でも希少だ。