鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・急速に「老人力」が増しているこの頃

2015-10-22 | 「ぷらっとウオーク」 2012年~2015年

急速に「老人力」が増しているこの頃    

                                             情報プラットフォーム、No.337、10月号、2015、掲載 

   最近のエッセイで目立つのは「老」のキーワードである。2014年以降で{わが姿 たとえ翁と 見ゆるとも}(本誌、No.319、4(2014))、{運転免許更新が近づくにつれて}(本誌、No.326、11(2014))、{老人大学の「老 人」は良くないか?}(本誌、No.335、8(2015))と矢継ぎ早に続き、今回の{急速に「老人力」が増しているこの頃}となっている。 

  熱中していた登山では、深田久弥の日本百名山の60座を登り、ゲレンデスキーに加えて、山スキー、クロカンスキーにも足を延ばし、軟式から始めたテニスは 硬式テニスに代わり、テニスクラブの会員になり、週末には一日中コートの上にいた。1997/4に高知に来てからも登山の趣味はそのままで四国の 山の15座を登っている。三嶺の森を守るみんなの会が主催する「三嶺白髪山でのシカ防護ネット張り」に参加し、香美市合併記念ウオーキング大会 (大栃から秦山公園まで、30km、2006/12/2)を完歩している。体力の維持はシベリアンハスキー犬の「はな」に負うところが大である。 12歳で我が家に迎えたときから(2005/7)、大往生(2008/9/10)まで、朝晩1時間ずつの散歩に付き合ってくれたのである。 

  毎年の後期高齢者健康診査では、胸部X線検査、胃ガン検査、尿検査、さらに血液化学検査(肝臓、筋肉、腎臓、コレステロール、膵臓など)でも「異常なし」 である。但し、左目の白内障手術で眼科に、虫歯治療で歯科に、持病とも云える腰痛で整骨院に通った。トイレの間隔は短くなり、エアコンのアレル ギーもあり、老化は着実に進行しているが、80歳を過ぎても残存歯数は20を超えており、健康な老後を送れると自負していた。 

   ところが昨年の夏過ぎから転び易くなってきたのである。行きつけの整骨院で相談したが、結論は得られなかった。敷居を越えようとするとき、テーブルやドア に接近するとき、椅子に座ろうとするとき、足が止まり、足踏み状態になり易くなってきた。転倒による骨折などの大怪我の可能性を考えると、何らか の介護支援が必要となる事態が起こっても不思議はないと考えた。ホームドクターの紹介で、高知大附属病院整形外科(2014/12/11)に、年 が明けて老年病科(2015/2/4)へ移り、脳のMRIなどの検査を受けた。  

  診断結果は進行性核上性麻痺である。これはパーキンソン症候群(神経変性疾患)の1つであり、脳幹、小脳、基底核など、中枢部位の神経細胞が減少すること によって、転びやすさ、運動障害、嚥下障害といった症状を示すとある。人口1万人あたり1人と推定される原因不明の難病であり、特定疾患治療研究 事業の対象疾患でもある。なお、核上性に対して、核下性は末梢運動神経を指す。病名の接頭語の「進行性」が気に掛かる。進行を遅らせることが唯一 の対応策であると聞いている。 

   香美市地域包括支援センターから「要支援2」の認定を受けた(2015/5/21)。住宅改修工事・福祉用具レンタルで、屋外アプローチ・階段・玄関・ト イレの手すり等の設置ができた(7/30)。体力維持のための週2回の介護予防通所サービスを開始できた(7/9)。

    様々な手続きに関わる各担当者の懇切丁寧な対応は見事である。また、介護支援の業務、例えば、車の送迎の際の気配りなど、あらゆる場面での安全性への配慮 が行き届いている。介護スタッフの明るい声と笑顔の挨拶は素晴らしい。だからこそ、ここに集う年寄り達に明るい元気が溢れ出ており、見習うべきは 自力での熱心なリハビリの努力である。寄る年波に負けまいとするのではなく、素直に従うことが「老人力」である。老いては子に従う謙虚さを持つ努 力が必要である。外出には杖を持つことを心掛け、手を差し伸べてくれたときは「大丈夫です」ではなく、素直に「有り難う」と言えるように努力して いる。

 

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鈴木朝夫  s-tomoo@diary.ocn.ne.jp 

〒718-0054 高知県香美市土佐山田町植718     Tel 0887-52-5154、

携帯 090-3461-6571  

 

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