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実行委結成 支援広がる/キューバ県人移民100周年

2007年08月17日 | スクラップ
2007年8月17日(金) 夕刊 7面





 カリブ海に浮かぶ島・キューバに沖縄県人が移民して、今年で百年を迎える。県系人は約二百人しかおらず、移民が戦前に限られていたことなどから、あまり知られていない。しかし、キューバの日系移民の中では最も多く、沖縄独自に県人会を結成するなど故郷への思いは熱い。経済的に困窮しているキューバ移民百周年式典を支援するため、県内ではサルサバンドによるコンサートや募金、式典への参加ツアーなど支援の輪が広がっている。(与那嶺一枝)



 キューバの日系移民の歴史は数の少なさやメキシコなど他国を経由していることなどから詳細は分かっていない。移民は砂糖産業や農業、漁業などに就いたといわれている。

 二〇〇〇年八月には、キューバ沖縄県人会(アントニオ・ヨヘナ会長)が結成された。ただ、現地の経済状況や社会主義国という国柄、多くの県系人が首都ハバナから離れたイスラ・デ・ラ・フベントゥ(青年の島)に住んでいることなどから、盛んな交流は難しい。今回も北米の県人会が働き掛けて、十月に青年の島で式典が開かれることになった。

 一方、県内では、サルサバンドのカチンバ1551のリーダー大城太郎さんらを中心に、キューバ沖縄移民百周年祭支援実行委員会(共同代表・上原亀一郎沖縄キューバ友好協会長、大城さん)を立ち上げ、九月二十二日に、チャリティーコンサート「フェスタ・デ・キューバ オキナワ」を沖縄市で開催。本場キューバのソングループらも参加する。別に寄付も募っている。百周年式典に収益金を持って、大城さんと民謡歌手が連れ立って出席する予定。

 沖縄ツーリストはツアーを募っている。親族や沖縄側の友好協会員、有機農法を先進地のキューバに学ぶため沖縄・奄美スローフード協会員らが参加を予定している。

 共同代表の大城さんは「少しでもキューバの実情を知ってもらい、素晴らしさを伝えたい」と協力を呼び掛けている。

 コンサートの問い合わせは、電話098(898)4851。


ことば





 キューバ移民 ; 
 キューバ移民はメキシコを経由したり、戦後に引き揚げ・再移民したりしたため、詳細は分かっていない。「ゲバラの国の日本人」(現代書館発行)によると、県別の移民数は沖縄が最も多く198人。中南米の移民者同様、戦前戦後を通して、沖縄に物質的な支援を続けた。戦中に監獄に収容された者も多く、差別も受けた。キューバに空手を広めたのは県系人という。現在は、二―五世世代が中心で日本語はほとんど話せない。




沖縄タイムス

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2 コメント

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百周年の基点 (大城 道子)
2007-09-10 10:01:51
 県内ではキューバ移民に関しては石川友紀先生が『沖縄県史』に書かれた文章以外、目に触れるものは少ない。研究自体がおくれたことは、移民数が少なかったこと、社会主義国であったことなど幾つかの要因があるらしい。
 百周年記事で、アレ?と思った。県史では1924年が初の沖縄からのキューバ移民渡航年と記されていたからである。しかし、『眉屋私記』の主人公山入端萬榮のように、沖縄県からの集団移民前にメキシコ移民がキューバに転住した例があったのである。
 ある方の研究した年表によれば、1907年宮城勝という沖縄県人がメキシコ経由でキューバに入っている。この年を基準としたら、百周年ということになり、新聞の見出しも納得である。
 出発地、受け入れ地、経由地のどこを基点するのかで、いろいろな数字が生まれてくることがわかり、今回の新聞記事は、出稼ぎ・移民研究の奥深さを感じさるきっかけとなりました。
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大城道子さんへ (ルナ)
2007-09-11 23:31:52
大城道子さん、はじめまして。コメントを下さってありがとうございます。

わたしは、この記事を見てはじめて、沖縄の人たちの一部がキューバに移住されたことを知りました。

そこにはどんな事情があったのでしょうか。どんな歴史的な背景があったのでしょうか。アメリカ・カリフォルニアに移住した日本人は、強烈な偏見と差別、そして排斥を経験しました。同じような経験をされたのでしょうか。

大城さんは失望されると思いますが、わたしには維新から15年戦争までの沖縄の歴史が空白なのです。このブログを始めるようになって、沖縄を「知り」、:かっこでくくったのは単に観光旅行したことがあるという以上の意味で「知りはじめた」という意味合いをこめています; ようやく戦後からの歴史を著した、「沖縄戦後史」という新書を見つけました。今年中に読み終えて、来年には沖縄を書くつもりです。

そのときには、お読みになっていただければ嬉しいです。
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