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薬害肝炎:大阪訴訟和解勧告 「これからが正念場」と原告

2007年11月07日 | スクラップ

 「これからが正念場」。全国5地裁で提起された薬害C型肝炎訴訟のうち、大阪高裁が7日、和解を勧告。全面解決に向けて大きな節目を迎えた。提訴から約5年。原告や支援団体の学生たちは和解実現に期待しながらも、今後に予定される和解協議に向けて気を引き締めた。

 「健康はもう取り戻せない。せめて謝罪して、肝炎に苦しむ患者が安心して治療を受けられる態勢を整えてほしい」。中国地方に住む大阪訴訟原告の40代の女性は和解成立に期待を寄せる。

 女性は長男を出産した87年5月に止血剤として血液製剤を投与され感染。89年秋に出産した長女は母子感染していた。02年12月に提訴し、後に続いた娘とともに大阪訴訟を闘ってきた。母子の症状は落ち着いているが、肝がんへの恐怖は消えない。女性は「これからが正念場。舛添要一厚生労働相が約束した謝罪を実現してほしい」と願った。

 他の裁判所で係争中の原告も大阪高裁の動きを見守る。九州訴訟の出田妙子さん(49)は「国は裁判長の思いを受け止めて速やかに訴訟を終結すべきだ」と語る。その一方で「舛添厚労相ら政治家は和解に積極的だが、官僚は抵抗しているはずだ。これまで以上に闘っていきたい」と決意を新たにした。

 「薬害肝炎訴訟を支える学生の会・大阪」前代表の田積祥子さん(22)=京大法学部3年=は「政治も動き出した。今しか解決のチャンスはない」とみる。原告の女性たちは母親と同じ世代。「人ごとではない」との思いから、この2年半、裁判の傍聴や国会議員への陳情に同行するなどの活動に取り組んできた。「ここまでたどり着いたのは原告、弁護団の地道な努力の成果。裁判長はその努力を無駄にしてほしくない」と話す。【川辺康広】




毎日新聞 2007年11月7日 14時35分







薬害肝炎:大阪高裁が和解勧告 12月7日までに骨子案

 血液製剤投与でC型肝炎ウイルスに感染したとして、患者が国と製薬会社に賠償を求めた「薬害C型肝炎大阪訴訟」の口頭弁論が7日、大阪高裁で開かれ、横田勝年裁判長は「和解成立の可能性はあると判断した」として、原告・被告双方に和解を勧告した。また、横田裁判長は、遅くとも12月7日ごろまでには、裁判所としての和解骨子案を提示する意向も示した。集団提訴から5年を経て、同訴訟は全面解決に向けて大きく動き出すことになる。

 全国5高裁・4地裁で係争中の薬害C型肝炎訴訟で和解が勧告されるのは初めて。この日の弁論で、横田裁判長は今後の和解協議の中で「(原告)当事者との面談の機会も持ちたい」と述べた。一方、裁判所として和解についての一定の考えを示す「所見」の表明は「時期尚早」とした。

 各地の訴訟の中で最も審理が進んでいる大阪訴訟では、横田裁判長が9月14日の口頭弁論で、和解により訴訟を終結させる意向を表明。原告側は、全国原告団の総意として(1)危険な血液製剤を放置した法的責任を認め、謝罪する(2)線引きせずに全原告を救済する(3)治療体制を確立するため、定期的に協議の場を設ける--などを国と製薬会社側が実行する和解希望案を提示している。

 今回、高裁が和解を勧告したことで、今後は、原告への謝罪の方法や、和解金の額などについての具体的な協議が始まる。舛添要一厚生労働相が「肝炎問題は11月いっぱいで片づける」と発言していることなどから、早期の和解成立の可能性もあるが、一方で、国側が原告全員の補償に関しては慎重との見方もあり、和解協議の争点になることも予想される。

 薬害C型肝炎訴訟は02年10月以降、東京、大阪、福岡、名古屋、仙台の5地裁で順次提訴され、現在、控訴審も含め原告171人が国と製薬会社を相手に係争中。今年9月の仙台地裁判決を除き、4地裁の判決が、製剤の副作用が明らかになった時点で規制しなかった国の責任を認めている。【川辺康広、遠藤孝康】

 ▽薬害肝炎全国原告・弁護団の話 全面解決への大きな一歩であると評価している。国及び製薬企業はすみやかに責任を認め謝罪すべきだ。

 ▽舛添厚労相の話 今後、大阪高裁のリーダーシップの下に行われる和解協議に誠実に対応し、早期解決を目指す。

 ▽被告製薬会社の田辺三菱製薬の話 和解に向けた協議に誠実に対応してまいりたい。




毎日新聞 2007年11月7日 20時29分







薬害肝炎:大阪訴訟、高裁が和解勧告 謝罪や補償が焦点に

 血液製剤投与でC型肝炎ウイルスに感染したとして、患者が国と製薬会社に賠償を求めた「薬害C型肝炎大阪訴訟」で、大阪高裁(横田勝年裁判長)は7日午後、原告・被告双方に和解を勧告した。双方とも和解成立に向けては前向きの意向を示しており、今後、和解協議が本格化する。横田裁判長は協議の中で、国と製薬会社に責任を果たすよう言及する方針。全面解決には、原告側が求める「原告全員の補償」などを巡る双方の歩み寄りが焦点になるとみられる。

 大阪訴訟では、横田裁判長が9月14日の口頭弁論で、和解により訴訟を終結させる意向を表明。原告側は、全国原告団の総意として
(1)危険な血液製剤を放置した法的責任を認め、謝罪する
(2)線引きせずに全原告を救済する
(3)治療体制を確立するため、定期的に協議の場を設ける
--などを国と製薬会社側が実行する和解希望案を提示した。

 一方、当初は和解に消極的とされた被告の国と製薬会社側も、福田康夫首相が政府の責任を認める発言をしたほか、舛添要一厚生労働相が「謝罪すべきは謝罪し、補償すべきは補償する」と述べるなど、早期解決を模索。同高裁に対しても、和解協議に応じる意向を伝えている。

 高裁が和解を勧告することで、今後は、原告への謝罪の方法や、和解金の額などについての具体的な協議が始まる。舛添厚労相が「肝炎問題は11月いっぱいで片づける」と発言していることから、今月中に和解が成立する可能性もあるが、一方で、国側が原告全員の補償に慎重との見方もあり、和解協議の争点になることも予想される。

 薬害C型肝炎訴訟は02年10月以降、東京、大阪、福岡、名古屋、仙台の5地裁で順次提訴され、現在、控訴審も含め原告171人が国と製薬会社を相手に係争中。今年9月の仙台地裁判決を除き、4地裁の判決が、製剤の副作用が明らかになった時点で規制しなかった国の責任を認めている。【川辺康広】



毎日新聞 2007年11月7日 11時49分 (最終更新時間 11月7日 15時27分)







薬害肝炎:舛添厚労相が原告と初めて対面

 舛添要一厚生労働相は7日夕、東京都内で薬害C型肝炎訴訟の原告と初めて対面した。原告は和解に向けた速やかな対応のほか、▽原告・弁護団との話し合い▽約7000の血液製剤の納入医療機関名公開▽国民への検査・検診の呼び掛け--を申し入れた。舛添厚労相は「やっと皆さんにお会いできた。心を一つにまとめて、何とか解決していきたい。1カ月以内に必ず頂上(解決)を目指したい」と語った。 

 
◇「一刻の猶予もない」原告ら訴え

 提訴から5年。大阪高裁が7日、和解を勧告し、薬害C型肝炎訴訟はようやく解決へ向け動き出した。約350万人に上るとされるウイルス性肝炎患者。肝硬変や肝がんで毎日120人が死亡し、原告も5人が解決を見ないまま亡くなった。「私たちには一刻の猶予もないんです」。命を削って闘ってきた原告たちは、念願の舛添要一厚生労働相との面談で涙ながらに早期解決を訴えた。

 原告側と舛添氏との面談は、衆参の厚生労働委員会に属する自民、公明、民主の3党議員が超党派で「和解勧告を受け、全面解決のため早急に原告・弁護団と話し合うべきだ」と要請したのを受けて実現。午後6時15分から約35分間、東京・永田町の衆院第一議員会館で行われた。

 会場のテーブルを囲んだ全国の原告代表20人を前に、舛添氏は冒頭、「やっと皆さんにお会いできた。お手紙を全部読み、気持ちは分かっている。何とか解決したい。全力をあげる」と語り、言葉を詰まらせた。

 その後、面談は非公開で行われたが、原告10人が約2分ずつ被害を訴えた。原告側によると、舛添氏はうなずきながらメモを取っていたという。

 原告団は面談後、厚労省で記者会見。昨年6月の大阪地裁判決以降、勝訴判決を重ねる度に厚労相への面談を求めてきたが、「係争中」を理由に拒否され続けた。全面解決を求める要請書を舛添氏に手渡した原告団代表の山口美智子さん(51)は「大臣には、原告で線引きをすることなく全員を救済することと、国が責任を認めて謝罪する点は譲れない、と訴えた」と説明。「今日、ようやく扉が開いた。全面解決をこの胸に勝ち取るまで頑張りたい」と語った。

 一方、与党がこの日、B・C型肝炎患者に対しインターフェロン治療の自己負担を月1万~5万円とする救済策をまとめたことについて、大阪訴訟原告の桑田智子(さとこ)さん(47)は「(民主党の案より)自己負担の額が高く、治療を受けられる人が限定されるのではないか。もっと負担を軽減してほしい」と話した。全国弁護団の鈴木利広代表も「与党の救済策には肝炎の感染を拡大させた国の責任という視点が欠けている」と指摘した。【江刺正嘉】



毎日新聞 2007年11月7日 20時31分 (最終更新時間 11月7日 23時23分)







薬害肝炎:首相、和解協議進展に前向き

 「薬害C型肝炎大阪訴訟」で大阪高裁が原告・被告双方に和解を勧告したのを受け、福田康夫首相は7日夜、首相官邸で記者団に対し「なるべく早く和解が成立して、患者の方々も満足していただけるようになってほしい」と述べ、和解協議の進展に前向きな姿勢を示した。政府はすでに、全国5カ所で係争中の薬害C型肝炎訴訟で和解協議に応じ、政府声明の形で患者救済策を打ち出す方針を決めている。大阪訴訟での和解勧告により、今後はほかの四つの訴訟の動向を見極めながら、和解金や謝罪方法などを詰める。

 首相は先月31日、「今までの経緯を見ていて、政府に責任がないというわけにはいかない」と述べ、国の責任を初めて認めた。今回の勧告は「ほかの訴訟も含めた解決へのスタートライン」(自民党幹部)の位置付けだ。 

 これに関連し、町村信孝官房長官は7日の記者会見で「患者が置かれた状況を踏まえて対策全般を早期に取りまとめ、必要な予算などの対応を進めなければいけない」と述べ、与党と協力して肝炎患者の救済に取り組む考えを強調した。

 ただ、全国原告団は、国が法的責任を認めたうえで原告全員の救済を求める姿勢を崩しておらず、「(大阪訴訟以外の)すべての裁判も含んだ一括解決が望ましい」(政府高官)という政府の立場とは隔たりもある。【坂口裕彦】




毎日新聞 2007年11月7日 22時21分 (最終更新時間 11月7日 22時47分)

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2 コメント

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不信ガ、募る (岡村登志男)
2007-11-08 03:17:00
医療機関に、まだ,薬剤は、使用されているのでわ、信じられない国
返信する
岡村登志男さんへ (ルナ)
2007-11-09 20:28:04
こんばんは、岡村さん。コメントをくださってありがとうございます。

ほんとうなんですか?
ひどい話ですね。
でもそれってもう犯罪になるんじゃないですか?

内部告発してほしいです。
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