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肛門科医「お尻拭くのは3回まで」と唱える理由~拭きすぎはお尻の薄い皮膚に負担が大きすぎる

2022年02月03日 | スクラップ

 

 

 

『痛み・かゆみ・便秘に悩んだら オシリを洗うのはやめなさい』を上梓した、約10万人のお尻を診てきた肛門科医の佐々木みのり氏は、温水洗浄便座でのお尻の「洗いすぎ」がさまざまなトラブル引き起こす原因になる可能性があると言います。『肛門科医が教えるトイレの「正しい使い方」』に続いて、負担の少ないお尻の拭き方やズムーズな排便方法を紹介します。

 

 


■お尻を拭いていい回数は、たった3回

 

排便後にあなたは何回、お尻を拭いていますか? 一度、意識して数えてみてください。患者さんのトイレ生活を調査してきた私がたどり着いた、これならお尻の薄い皮膚にも負担にならない回数があります。それは3回です。「たった3回?」と思われるかもしれませんが、それ以上拭いてしまうとお尻の薄い皮膚には負担が大きくなってしまうのです。

 

また、回数だけでなく拭き方も大切です。ゴシゴシと力任せに拭いていないでしょうか。お尻を拭くときは、紙を丸めて優しくポンポンと押さえ拭きをしましょう。そうすることで、摩擦が軽減され、皮膚の負担にならないのです。

 

お尻を優しく拭いたあとは、必ず紙をチェックしてください。3回拭いたあとの紙に便がついていたら、排泄しきれなかった便が「肛門」に残る「出残り便」がある可能性があります。拭いた紙は、排便状態のバロメーターになるますので、必ずチェックしましょう。

 

「排便後、お尻を拭いていいのは3回!」とは言っても、次のような悩みは絶えないでしょう。

 

・何回拭いても紙に便がついてしまう
・お尻をしっかり洗えないことが苦になる
・洗わないとお尻が不潔な気がしてしまう
・ニオイが気になる
・下着が汚れる

 

このように、お尻を洗わないと困るという方には、「座浴」がおすすめです。座浴は、ぬるま湯でお尻を洗う方法です。「それなら温水洗浄便座と同じじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、座浴は温水洗浄よりも優しい洗い方なので、お尻の皮膚にかかる負担が非常に少ないのです。


座浴の方法は、いたって簡単です。準備するものは、大きなタライまたは浴槽とぬるま湯です。まずタライまたは浴槽にぬるま湯を張ります。浴槽の場合、ぬるま湯はお尻が浸るくらいの量でいいです。

 

次にお尻をぬるま湯につけ、パチャパチャと汚れを洗い落とします。このとき、お尻の穴のまわりをこすったり、ボディスポンジやボディタオル、せっけんなどを使ったりしなくても汚れは自然と落ちます。タオルでお尻を拭く際も、こすらずに優しく押さえ拭きにしましょう。

 


 

排便後、何度拭いても紙に便がついている方は、スッキリ排便ができていない、つまり出残り便が原因の可能性があります。温水洗浄便座を使って洗浄することはできる限り控え、座浴をするようにしてください。

 

 

 

■スムーズな排便ができる姿勢

 

排便後のお尻の拭き方や座浴の方法をお話ししましたが、便をスッキリ出しきれればお尻を拭いた際、便が紙につきにくくなります。

 

スムーズな排便の姿勢としてよくおすすめされているのが、ロダンの「考える人」のポーズです。この姿勢をとると、直腸と肛門の角度が真っすぐになるので、便が出やすいからです。医学的にも根拠のある排便に適した姿勢です。

 

しかし、来院される方の中には、「考える人」のポーズだとかえって便が出にくい、便が残っている感じがすると訴える方がけっこういらっしゃいます。実際に、肛門から指を入れて診察すると、直腸と肛門の角度や腸の大きさ・形は十人十色なのです。そのため「考える人」でなくても、あなたの出しやすい姿勢があればそれがあなたに適した排便の姿勢となります。

 

「考える人」の姿勢で便が出にくい人は、足の裏全体が床にしっかりつくようにして、下半身を脱力してみるとよいでしょう。足の裏全体が床につかない場合は、足台や段ボール箱などで高さを調節してみてください。かかとが浮いていると、脚自体に力が入ってしまうため、余計な力を抜いてリラックスした状態が大切です。「考える人」の姿勢では便がスムーズに出なかった患者さんたちから、この方法を試してみるとスムーズに排便できたとご報告もいただいております。


スムーズな排便には、姿勢が関係しているので、このように自分に適した排便の姿勢を見つけることをおすすめします。

 

テレワークだとあまり時間を気にせずトイレに入りやすいものです。便がスッキリ出ないから出るまで待ってみたり、スマホや本を持ち込んで排便している間に数十分経っていたりしますが、それはお尻にとっていいことではありません。お尻がうっ血し、無意識にいきんでしまっていることもあり、お尻に負担がかかります。そのため、痔などのお尻のトラブルを引き起こす可能性が高くなるのです。スムーズな排便であまり時間をかけずにトイレから出ることが大切です。

 

 

 

佐々木 みのり :

肛門科医/大阪肛門診療所副院長
2021/04/03 20:30

 

 

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