(独鈷水(おこうずい))
山の上にある古刹・楊谷寺には、神秘的な逸話が伝わっています。
それは平安時代のこと、
楊谷寺を訪れた空海(弘法大師)はこんな光景を見ました。
(独鈷水そばの空海の像)
お堂のそばの溜まり水で、目のつぶれた子ザルの眼を
親ザルが一生懸命に洗っていたのです。
そこで祈祷をしたところ、
17 日目になんと子ザルの眼が開きました。
空海はこの不思議な水にさらに祈祷をし、
眼病に悩む人々のために霊水にしました。
それが独鈷水(おこうずい)です。
この水は目の病を癒してくれる、とたちまち評判になり、
ずっと受け継がれ、現在も汲むことができます。
本堂庫裏(くり)の裏にある水汲み場では、
霊水を求める人の絶えることがありません。
独鈷水の「独鈷」は、本来は「どっこ」とよみ、
密教で使う法具を言います。
先端がとがっていて、これで水を掘りすすめたため
「独鈷」の名が付けられました。
毎月17日は楊谷寺の「ご縁日」。
ご本尊の千手観音様との縁をとりもつ日という、
お寺にとって特別な日です。
楊谷寺では、17日はシャトルバスが出てお参りがしやすくなり、
ふだんは見ることのできないご本尊や「上書院(かみしょいん)」が
公開されたり、特別な法要が行われたりします。
知らず知らず目を酷使していることの多いこのごろ、
「スマホ老眼」なんて言葉も気になります。
独鈷水からパワーをいただいてはいかがでしょう。
※ご縁日について、くわしくはコチラ (楊谷寺HP)