劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

盗作?: ビヨンセの新作『Countdown』pv VS ローザスの27年前の代表作

2011-10-09 02:00:08 | その他
facebookやtwitterですでにご存知の方も多い話なので、
今更ブログに書くつもりもなかったのが、ふと調べてみたら意外にネットには記事が出てない…?

ということで、一応ここにも、歌手ビヨンセと、振付家アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル率いる
ベルギーのダンスカンパニー「ローザス」の作品の酷似について書いておく。
というのもこの話には知的財産の問題がかかわっており、
これは曖昧な扱いを受けやすいが、決して軽視されてはならないものだからだ。

1、まず、問題のビヨンセのクリップ。
(見られない場合はこちらのリンクからどうぞ)




2、一通り、上のビヨンセのクリップを見た方は、
次に、ベルギーのラジオ局の人が作ったというこちら↓をご覧あれ。
ビヨンセのpvと、ケースマイケル率いるダンスカンパニー「ローザス」の作品の、
類似部分がコンパクトに整理され、並べられている。




3、上の「VS」映像には入っていなかったが、
ビヨンセのクリップの終わりごろにも、ローザスの↓の動きと似た場面が現れる。
というか、窓の形や床のタイルの模様も一緒だし、
これ、同じ場所で撮ってるのね?(似ているが正確には同じ場所ではない?)




さっきから例に挙げているローザスの作品のほとんどは、
『ローザス・ダンス・ローザス』という、カンパニーの超有名作(1983年初演のデビュー作)。

それをここまで同じ条件で撮影しているのだから、偶然はあり得ない。
“誰か”が意図的にやった、わけだけれども…
少なくとも、作り手であるケースマイケルのもとに許諾申請はなかったようだ。
ROSASの名がビヨンセのpvのどこかに仕込まれていたりということも(多分)ない。
でもってローザスの本拠地ベルギーでは今、大騒ぎになっているらしい。

youtubeなどの動画サイトで幾らでも映像を見ることができる現代において、
振付の盗用・影響・オマージュがどういう判断を受けるか。
ここまで似た内容を商業ベースで展開した場合、法的に、ビヨンセはどうなるのか。

今後の指針にもなると思うので、引き続き、展開を見守りたい。

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