11月1日(木)、いつもは大学で行なっている「実用書法」の授業ですが、この日は特別に校外で授業を行いました。書道が町づくりのために何ができるか考えさせるための授業です。15:00に現地集合して、2つの施設を訪問しました。
まず最初に訪問した徳島市東新町商店街の「まちなかキャンパス」では、お2人の方からお話を聞きました。最初は、商店街連合会理事長の吉坂保紀さんです。現在の中心商店街の難しい現状と、対策として昨年から初めて軌道に乗り始めている「徳島マルシェ」についてのお話を聞きました。現在は県外から観光バスで来てくれる人も出てきたということで、まだ訪れたことのない学生も大いに興味を持ちました。吉坂さんから学生たちには、商店街に垂らす布にアクリル絵の具で書を書く注文を受けました。
次はまちなかキャンパスの指導員さんから、この施設の理念・目的、使い方などを聞きました。この日の訪問メンバーの中には「まちなか書道教室」を指導している学生もいましたので、学生たちはうれしそうに顔を見合わせていました。
30分ほど滞在後、ここから100mほど離れた銀座商店街の「徳島中心商店街活性化対策室」に移動し、今度は商工会の方からお話を聞きました。
ここにはすでにゼミ学生の岡加奈枝さんの「活」の大字書が飾られています。
商工会の江藤脩平さんから、紺屋町の「わくわく日曜市」の概要をお聞きし、広告表示を書くことの依頼を受けました。
さらに対策室の高田真紀さんから、この対策室の概要、またご自身の経験から就活に対する貴重なアドバイスを頂きました。
車社会の今、どこの地方都市でも、郊外大型店が多くの消費者の嗜好に合って賑わっています。それは時代の流れや、消費の利便を考えれば当然のことなのですが、昔ながらの中心商店街には文化・個性・人間的ふれあいの面での良さがあります。
全国一律の大型店と伝統個性の商店街、どちらか一方よりも、両方の個性が生かされて、消費者が時に応じてそれを楽しむ状況を残していくのが、都市の住みやすさと文化を高めていき、都市全体の価値を高めることになると思います。多様性を維持していくことが大切です。
書道がその中で、少しでも何かのお役にたてるのであれば素晴らしいと思っています。
両施設で1時間ほどの学習でしたが、学生に感想を聞くと「今まで知らなかったことがたくさん勉強できてよかった。」という答えをもらいました。大学の学習も、机の上だけでなく、時にはこのように町に出て行なうことも良い刺激になるものです。
次回の授業では、依頼された作品を大学で制作することになります。
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