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タデ藍の花

2014年10月04日 | インポート

Ai110月4日(土)、長野県須坂市の恩師、青木廣安先生からの 依頼で、タデ藍の花を撮影してお送りしました。資料に使われるようです。長野県では栽培されているところを見たことがありませんが、徳島県は全国一のタデ藍の産地です。

「タデ藍」とことわっているのは、藍染めに使う植物は、実は数種類あるからです。インド藍・琉球藍・ウォード・ヤマ藍・ソメモノカズラなどがあり、これらはすべてまったく異なる科に属します。発色が藍色なのでひとまとめに「藍」の名をつけられています。

今、大学の「藍の家」には、種取用のタデ藍がプランターに植えられて、花の真っ盛りです。ピンクの米粒のような花が沢山ついて、美しいです。草丈は50㎝くらいあって結構大きいです。

『原色牧野日本植物図鑑』コンパクト版が本棚にありましたので、調べたら面白いことが書いてありました。

「藍」・・「あい」の語源は「青い」の音転だということです。なるほど、「青い青い青い・・・」と早口で言ったら確かに「あい」になりました。これは訓読みで、音読みだと「ラン」です。

この草をこのまま小型にして10㎝位にした植物がよく田んぼの畔や校庭の隅っこに大量に生えていますが、これが「イヌタデ」や「ヤナギタデ」といわれる雑草です。

また、長野県の特産の「ソバ」も実はタデ科植物です。

「タデ食う虫も好きずき」ということわざがありますが、この場合の「タデ」は「ヤナギタデ」のことで、葉っぱに独特の苦みがあるので普通の虫は食べないのですが、これを好んで食べる変わり者の虫もいます。ヤナギタデは下記のサイトをご覧ください。よく刺身のつまに紫色の小さなピリ辛の葉っぱがついていますが、あれがヤナギタデの発芽直後の双葉です。日本のハーブの一つです。確かにピリ辛で好きな味なのですが、私も変わり者の虫の一種でしょうか。

http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/shissei/ya_gyou/yanagiTade/yanagiTade.html

Ai2タデは漢字だと「蓼」で、長野県に蓼科という地名があります。

なお、タデ藍は、ふつう6月ごろに刈り取って細かくし、乾燥後に寒中に湿らせながら寝かせてゆっくり発酵させると粉状の染料の出来上がりです。この粉を「蒅(すくも)」と呼んでいます。滅多に使わない漢字です。さらにこれを臼で突き固めて塊状の藍玉にして全国に出荷しました。藍染め自体はこの藍玉や蒅があれば、全国どこでもできますから、藍染めの産業は日本の各地にあるわけです。かつて徳島はこの染料の供給地として全国一を誇りました。

実際に染めるときは、ツボの中に藍玉を細かくして水を加えて2回目の発酵をさせて、それから布を入れて染めつけます。

ツボは温度管理がしやすいように首まで土の中に埋めます。右の写真は、ツボの中で2回目の発酵をしている場面で、二酸化炭素の泡が表面にびっしり浮かんでいます。徳島ではこの第2次発酵をして染め付けの準備をすることを「藍をたてる」と言います。独特の言葉で、泡が立つことからいうのだと思います。


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