詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

   〔サキノハカといふ黒い花といっしょに〕   宮沢賢治

2012年09月28日 | 
  〔サキノハカといふ黒い花といっしょに〕 宮沢賢治

サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやってくる
ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
おほよそ卑怯な下等なやつらは
みんなひとりで日向へ出た蕈のやうに
潰れて流れるその日が来る

やってしまへやってしまへ
酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも
じぶんだけで面白いことをしつくして
人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつら

そいつらみんなを
びしゃびしゃに叩きつけて
その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
それらをみんな魚や豚につかせてしまえ

はがねを鍛へるやうに
新らしい時代は新らしい人間を鍛へる
紺いろした山地の稜をも砕け
銀河をつかって発電所もつくれ


  注:サキノハカは墓という字を分解したという説もある。
晩年にはマルクスやレーニンを勉強していたり、「革命」という作品名が賢治の手帳に残されている。
マルクスに言及した詩があったり、革命が色々な作品にも出てくる。(思いつくだけでも、「オッペルと像」や「ビジテリアン大祭」)
労農党に資金援助や事務所まで用意した賢治の革命論はついに未完だったが・・

その他に好きな詩は「生徒諸君に寄せる」。日本初の宇宙飛行士毛利さんが好きだったとかで宇宙まで持っていったという詩集から朗読をー『ここ』

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