詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

朝なのに、「おやすみなさい」   甘い生活 since2013から

2021年02月11日 | 

石垣りんの本を読んでいて、「三重の文学」を見つけました。

 東海テレビから依頼されて、放送が終了するときに流すことばを書くことにしたそうです。

 

   おやすみなさい

おやすみなさい。

夜が満ちて来ました。
潮のように。
ひとりひとりは空に浮かんだ
地球の上の小さな島です。

朝も 昼も 夜も
毎日
何と遠くから私たちを訪れ
また遠ざかって行くのでしょう。

いままで姿をあらわしていたものが
すっぽり海にかくれてしまうこともあるように。
人は布団に入り
眠ります。

濡れて、沈んで、我を忘れて。

私たち 生まれたその日から
眠ることをけいこして来ました。
それでも上手には眠れないことがあります。

今夜はいかがですか?

布団から やっと顔だけ出して
それさえ 頭からかぶったりして
人は 眠ります。
良い夢を見ましょう。

財産も地位も衣装も 持ち込めない
深い闇の中で
みんなどんなに優しく、熱く、激しく
生きて来たことでしょう。

裸の島に 深い夜が訪れています。
目をつむりましょう。
明日がくるまで。

おやすみなさい。

 

 私たちは小さな島なんですね。いつ地球に取り込まれてもいいわけだ。それで、私はついさっき、浅い眠りから覚めて、こうしてPCを開いているわけですね。

 この詩を朗読してもらったら、ちゃんと眠れるだろうか。うちの奥さんの声で読んでもらったら、寝れるかな。いや、最近は彼女の声を聞かなくても、22時にはコテッと寝てますから、話にならないかな。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿