この日Rちゃんは、
頻繁に「未来」という単語を
口にしていた。
オンラインレッスンだから
ハナマルはRちゃん自身で
書いてもらうのだけれど、
ハナマルを書きながら
「未来のことを考えながら
ハナマル書いてるんだー」
とか、
「未来はね」とお話をするRちゃん。
…未来のことってなんだろう???
将来の夢とか希望とか
どうやら、そういうのではないらしい。
そして
「先生の未来はどんな未来?」
と聞かれ、
Rちゃんの言う「未来」が
何のことかよく分からなかったので
「Rちゃんの未来は?」
と聞き返すと教えてくれた。
「私の未来はね、
コロナが終わってディズニーランドに
連れてってもらうの」
と嬉しそうに。
泣いちゃうかと思った。
このことか!と。
「2週間後の未来を私たちが作る」
って今、テレビでよく言っている
アレだった。
確かに将来の夢や希望ではない。
確かに未来のことだ。
それも、すぐそこなのか
大分先かはハッキリしないけれど
Rちゃんの言う「未来」は
コロナの終息を指していた。
つい1ヶ月前までは
教室レッスンをしていた。
私が書いていたハナマルを見つけ
「あー先生が書いたハナマルだ。
懐かしいー」って。
こーんな小さな子たちの
「今」を奪っているコロナ。
何もしてあげられない私。
家にいることしかできない私。
こーんな小さな子たちの「未来」。
その手に掴ませてあげるためにも
とにかく、家にいよう。