ここから

年明け早々のレッスンで、
あんまりに適当に弾いていて、
私から怒られたＡちゃん。
簡単に言ってしまえば、
丸投げ。
好きな所だけすきなように、
後は先生が何とかしてくれる…
とかなんとか考えたかどうか。。。

丸投げは、ダメ。
弾いてみて、
分からない…はアリ。
とりあえず向き合う、
これ、大事。

大晦日、お正月。
ここはイベント続きで
ピアノとゆっくり向き合う時間が取りにくい
それも分かっている。
でもＡちゃんの、この状態は
きっと違う。
本当に出来る所だけ、好きな所だけを
好きなように弾いていた。
きっと楽しかったに違いなく…（苦笑）
でも、これではＡちゃん、
この曲を弾いている意味がない。

せっかくの新年なのに、
私からガッツリ叱られて
Ａちゃんの目から涙がこぼれる。

かわいそうだなぁ
申し訳ないなぁ

と思うけれど、
言うことは言っておかないと…。


翌週、
Ａちゃんはいつもの笑顔でやってきた。
でもちょっと緊張気味。
何となく、この１週間のＡちゃんの気持ちが
分かった気がして、
私も笑顔を返しただけで何も触れず、
「さぁ弾こう！」
とすぐにピアノに向かった。

つっかえるし間違えるし、
自信なさげで、
時折「これでいい？」
とばかりに私を見るけれど、
明らかに、
きちんとピアノと、
曲と向き合ってきたことが分かる演奏だった。

間違えてもいい、
そうやってＡちゃん自身が
ちゃんと弾こうとしてくれること、
それが大事。
そうやって弾いてきてくれたら、
私はいくらでもサポートする。
それでいいんだよ。

そう言うと、
Ａちゃんは、ホッとしたように笑顔を見せてくれた。

ここから、だね。
Ａちゃん。
ファイトだよ！