ぴあピアノ教室 in 目白

豊島区目白にある
小さなピアノ教室のページです。
日々の出来事を綴っています。

歯医者さん

2014-05-11 22:36:13 | ピアノ教育
久々の真面目な話。

私は子どもの頃、練習の仕方が分からなかった。

宿題になっている曲を、
ただひたすら闇雲に最初から最後まで通して弾く。
それが終わると、おもむろにまた最初から弾く。
そして…また。

何を思ってひたすら最初から最後まで弾いていたか。

簡単に言えば、
止まらないで弾けたかな?…だ。

ただ、これはまだ良い方で、

3回やら5回やら通して弾いたら練習終わり。

これは…また闇雲中の闇雲。

どう弾こう、どこが流れが悪くなる、どこが弾けない、

そんなことは全く考えない。
どうでもいいからとにかく弾く。
よく分からないけれど、とりあえず弾く。
どこかで止まったかどうかなんて、記憶なし。
いわゆる、こなす練習…だ。
悪い言い方をすれば、チャラ弾きでしかない。

これはね、できれば止めた方がいい。
曲を弾く上で、心が無くなってしまう。
心ない演奏になってしまうから。

練習って、もっと頭を使おう。
いや、耳を使おう。

今弾いた所、どうだっただろう?
流れは?雰囲気は?表現は?
その場面に合った音を出せていた?
譜読みの段階なら、リズムは?音は?指使いは?

練習は言わば歯医者さん。
最初に通奏したのなら、その中で悪い箇所をチェック。
全体のチェックが済んだら
今度はチェックしたところを集中治療する。
一日で治療が完了しないのは歯医者さんと同じ。
何回かに分けて治療したり、中長期的に経過を見守ったりする。
それも歯医者さんと同じ。
一か所ずつ真剣に治療、練習していく。
それを積み重ねたら、きっと頭に思い描くように演奏ができるようになる…かな?

なるべく短期間で、思っているように弾けるようになりたい
とは誰もが思うこと。
でも、通奏だけでは厳しい。
何より、何も考えないでひたすら弾き続ける練習(?)だと尚更だ。

…と、私は大分歳を取ってから、つくづくそうだと思うようになった。
今向き合っている曲を、どういう曲にしたいか。
どう演奏したいか。
それをよ~くイメージして弾くこと。
それがおそらく、すご~く大事なことなのだと思うようになった。

そのために、
練習中は歯医者さんになろう(笑)
コメント
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