アンドラーシュ・シフ

ＮＫＨ「スーパーピアノレッスン」が再放送されていた。

このシリーズは本当に質が高い。
中味が濃い。
ずっと以前にこのシリーズはほぼ放映が終わってしまったようだけれど、
やっぱり内容が素晴らしいのか、反響が絶えずあるらしく、
度々再放送されている。

今回は、アンドラーシュ・シフのBeethoven　ピアノ協奏曲。

シフの演奏はMozartとかSchubertが有名。
どちらかと言うと、
どっしりしたものではなく、
フワフワ軽くて、きれいな印象のものが多いような気がする。

が、今回はBeethoven。
ちょっと意外だったけれど、
第1回で、シフ自身が
「若いころももちろん弾いていたけれど、自分には合わなかった。
40歳を過ぎて、ふと自分に合った」
と言っていた。

そして本当にその言葉通り、
彼のBeethovenは素晴らしい。
単純な音型が続きやすいBeethovenだけれど、
彼の手にかかると、
その単純な音型たちが生き生きと動き出す。
♪が喋り出す。
全てのパーツが生き生きとしていて、
すごく新鮮な感動でいっぱいになる。

また生徒役の方たちも素晴らしいピアニストで、
シフの言ったことを的確にとらえ、
すぐにそれを演奏に映しかえる。

今回は協奏曲なので、オケパートを弾く伴奏ピアニストもいるのだけれど、
これまた、素晴らしいピアニストで、
ソリストの音楽と、本当に自然に寄り添う。
音色も温かくて、優しくて、…素晴らしい（こればっかり！）

シフの人間性も垣間見える。
音楽に対し、人に対し、常に敬意を表している。
自分を冷静に見つめ、
音楽と真摯に向き合っている。

本当に、どこをどう取っても素晴らしい。


先週、一日に2本ずつ再放送していた。
どうせだから、これまでの全ての再放送があると嬉しいのだが。
特にゴルノスターエヴァや、ベロフ。
見損ねた回が多く、是非見てみたい！！