(vi)
この版ではいよいよボートの構成が決まります。以下は簡単な下書き。
<Sketch>
最初のボートには,Elfstone(アラゴルン(汗)),フロド,サム,次は,ボロミア,メリー,ピピン,最後はレゴラスとギムリ。最後のボートは軽いのでその分,荷物。そして彼らはエルフのアドバイスで少し練習します。(練習って,正式版にありましたっけ?)フロドは西に傾く太陽の方向に,長身で細い悲しげな人影が手を上げているのを見る。Ring of Earth。彼はもう二度と見ないか?
</Sketch>
(vii)
次の下書きは,ほぼ正式版に近いものですが,地名などがちょっと違っているそうです。‥ただ,私にはその地名の違いがあまりよくわからなかったので(汗),次の,ケレボルン様のアドバイスについて‥。
「しばらくは木々が続く。しかしやがてそれは終わり,不毛の地へ入る。そして緩慢なNindalf地方に入る。そこは湿地でエント川が流れている。その向こうはNomenlandという所で(名前そのままじゃん(笑)),恐ろしいUvanwaithがモルドールに続いている。木々のない所では,よく警戒して,夕刻や夜に移動するのがよい。大滝の向こうはどう行かれるのか知らないが,エント川から向こうはElfstoneとボロミアはよくご存知の地だ。西へ向かってミナス・ティリスに行くなら,Toll-ondrenの島がRosfeinの滝の上にあるが,そこで川を離れ,沼地の上流のエント川を渡って行くのがよいだろう。ファンゴルンの森には入らないほうがよい。特にミナス・ティリスの人間は‥。」
するとボロミアが,「確かに,ファンゴルンの事はミナス・ティリスでもよく聞いています。しかしそれはお婆さんが孫に聞かせるという類の話のような気がしますね。しかし今では幾らかの人がそこを訪ね,その話が証明されたとかされないとか,いろいろですよ。私自身はそこへ行った事はありませんがね。私は山道に慣れているという事でミナス・ティリスから送られたわけですが,まずBlack Mountainsの南を周って灰色川,もしくは7つの川,を上がり,とても危険で大変な旅でした。400リーグ位だったと思いますね。何ヶ月もかかりましたよ。そしてTharbadで馬を無くした。‥その旅と,この仲間達との旅を合わせて考えると,ローハンもファンゴルンも,見つけるのはそんなに難しくないように思えますよ。」
するとケレボルンは「それではもう言う事はないな。ただ,お婆さんの話,は忘れるでないぞ!」
(この地名は正式版のアレで,それはコレで,とわかりますが,当時は随分,違っていたのですね! ちなみに,前にも出てきましたが,Black Mountains=White Mountains(白の山脈)です。)
さらにこの下書きの続きに,旅の仲間がエルフのブローチをもらうシーンが登場します。ただ,そのブローチは「緑の宝石で作られた3枚の葉に囲まれた金の花」でした。ガラドリエルは,「これをロスロリアンの思い出に」と言って,彼らに渡します。
(viii)
次の版は主にガラドリエルの歌と,お別れの場面についてです。
どこか前の版で,「フロドはガラドリエル様の指輪を見る事は二度とない?」と?マークを付けられていましたが,一旦,「フロドは二度とガラドリエルに会う事はなかった」となり,さらに,正式版の「フロドは二度とこの国へ来る事はなかった」に変わります。
(最後に灰色港で合流しますからね。)
最後に,こんなメモ書きが残っていたそうです。
<Sketch>
3つの指輪は「開放される」1つの指輪がなくなる事で「破壊される」のではない。サウロンその人はもう復活しない。それは人間次第だ("Sauron cannot arise again in person, only work through men.") ロスロリアン,裂け谷と灰色港は助かる。それらが疲れ果て,(東の)人間が世界を征服しようとしない限り。そしてガラドリエルとエルロンドは去る。フロドは指輪を保管する。(?)
フロドはシャイアを守る。メリーとピピンの役割が重要になる。サックヴィル=バギンスはつまみ出される。(ブリーで給仕になる)サムの小箱は木々を回復させる
サムとフロドは年を取ってから西の島へ渡る。ビルボは物語を終える。エルフ達はお礼に彼らを引き取り,島を与える。
</Sketch>
何故かそのメモの頭に「サルマンは放浪の魔術師もしくは奇術師になる」
ほほー,ここで,これからの重要なアイディアが語られております。方向性としては,正式版の話がここでできたかなあという感じですが,ただし,最後の最後,どエライ違いがありますね。(笑) ラストが何故か正式版の「悲壮な」ラストではなく,どーも「お笑い」になっているんですね。
いずれにせよ,ロスロリアンで指輪に関するコンセプトがはっきり決まったというのは,なかなか勉強になりました。
この版ではいよいよボートの構成が決まります。以下は簡単な下書き。
<Sketch>
最初のボートには,Elfstone(アラゴルン(汗)),フロド,サム,次は,ボロミア,メリー,ピピン,最後はレゴラスとギムリ。最後のボートは軽いのでその分,荷物。そして彼らはエルフのアドバイスで少し練習します。(練習って,正式版にありましたっけ?)フロドは西に傾く太陽の方向に,長身で細い悲しげな人影が手を上げているのを見る。Ring of Earth。彼はもう二度と見ないか?
</Sketch>
(vii)
次の下書きは,ほぼ正式版に近いものですが,地名などがちょっと違っているそうです。‥ただ,私にはその地名の違いがあまりよくわからなかったので(汗),次の,ケレボルン様のアドバイスについて‥。
「しばらくは木々が続く。しかしやがてそれは終わり,不毛の地へ入る。そして緩慢なNindalf地方に入る。そこは湿地でエント川が流れている。その向こうはNomenlandという所で(名前そのままじゃん(笑)),恐ろしいUvanwaithがモルドールに続いている。木々のない所では,よく警戒して,夕刻や夜に移動するのがよい。大滝の向こうはどう行かれるのか知らないが,エント川から向こうはElfstoneとボロミアはよくご存知の地だ。西へ向かってミナス・ティリスに行くなら,Toll-ondrenの島がRosfeinの滝の上にあるが,そこで川を離れ,沼地の上流のエント川を渡って行くのがよいだろう。ファンゴルンの森には入らないほうがよい。特にミナス・ティリスの人間は‥。」
するとボロミアが,「確かに,ファンゴルンの事はミナス・ティリスでもよく聞いています。しかしそれはお婆さんが孫に聞かせるという類の話のような気がしますね。しかし今では幾らかの人がそこを訪ね,その話が証明されたとかされないとか,いろいろですよ。私自身はそこへ行った事はありませんがね。私は山道に慣れているという事でミナス・ティリスから送られたわけですが,まずBlack Mountainsの南を周って灰色川,もしくは7つの川,を上がり,とても危険で大変な旅でした。400リーグ位だったと思いますね。何ヶ月もかかりましたよ。そしてTharbadで馬を無くした。‥その旅と,この仲間達との旅を合わせて考えると,ローハンもファンゴルンも,見つけるのはそんなに難しくないように思えますよ。」
するとケレボルンは「それではもう言う事はないな。ただ,お婆さんの話,は忘れるでないぞ!」
(この地名は正式版のアレで,それはコレで,とわかりますが,当時は随分,違っていたのですね! ちなみに,前にも出てきましたが,Black Mountains=White Mountains(白の山脈)です。)
さらにこの下書きの続きに,旅の仲間がエルフのブローチをもらうシーンが登場します。ただ,そのブローチは「緑の宝石で作られた3枚の葉に囲まれた金の花」でした。ガラドリエルは,「これをロスロリアンの思い出に」と言って,彼らに渡します。
(viii)
次の版は主にガラドリエルの歌と,お別れの場面についてです。
どこか前の版で,「フロドはガラドリエル様の指輪を見る事は二度とない?」と?マークを付けられていましたが,一旦,「フロドは二度とガラドリエルに会う事はなかった」となり,さらに,正式版の「フロドは二度とこの国へ来る事はなかった」に変わります。
(最後に灰色港で合流しますからね。)
最後に,こんなメモ書きが残っていたそうです。
<Sketch>
3つの指輪は「開放される」1つの指輪がなくなる事で「破壊される」のではない。サウロンその人はもう復活しない。それは人間次第だ("Sauron cannot arise again in person, only work through men.") ロスロリアン,裂け谷と灰色港は助かる。それらが疲れ果て,(東の)人間が世界を征服しようとしない限り。そしてガラドリエルとエルロンドは去る。フロドは指輪を保管する。(?)
フロドはシャイアを守る。メリーとピピンの役割が重要になる。サックヴィル=バギンスはつまみ出される。(ブリーで給仕になる)サムの小箱は木々を回復させる
サムとフロドは年を取ってから西の島へ渡る。ビルボは物語を終える。エルフ達はお礼に彼らを引き取り,島を与える。
</Sketch>
何故かそのメモの頭に「サルマンは放浪の魔術師もしくは奇術師になる」
ほほー,ここで,これからの重要なアイディアが語られております。方向性としては,正式版の話がここでできたかなあという感じですが,ただし,最後の最後,どエライ違いがありますね。(笑) ラストが何故か正式版の「悲壮な」ラストではなく,どーも「お笑い」になっているんですね。
いずれにせよ,ロスロリアンで指輪に関するコンセプトがはっきり決まったというのは,なかなか勉強になりました。
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