前の2つの章は,比較的スムーズに話が進みましたが,ここでまた話の行末を見据えて,いろいろなアイディアが出てきたようです。まずは,3つの案が公開されております。
案(a)
旅人達は川のどちらがわを行くか選ばなくてはならない。Stone Hills(*1)以降はオスギリアスの橋まで,ボートなしでは渡れない。ケレボルンはToll-ondren,すなわち大カーロック(*2)まで送って行くと言う。Wetwang Palath Nenuiという所で,ミナス・ティリスに行くには西に行って山を越えればエント川を越える。東に行くと死者の沼地。
(*1)最近度々出て来るこの地名ですが,クリストファーさんは,アンドゥインの(Raurosの?)大滝の前身ではないかと言っています。
(*2)これはビヨルンの「小」カーロックと対になっているのではないかとの事
案(b)
(これは初期の案だそうです)
ガラドリエルが挨拶し,最初のボートにはIngoldとボロミア,次のボートはホビット達,最後にレゴラスとギムリ。エント川,ファンゴルンに関する警告。しかしガラドリエルは全部は言わない。お別れの贈り物,ガラドリエルがフロドを祝福,エルフのさよならの歌,川の流れは速い,Green RavinesとTollondren,ボロミアのシーンとフロド立ち去り
案(c)
テントでの議論。決断は大カーロックまで延ばす。ボートの人数が2,3,4,で転々,前後に射手を乗せるという話も。ガラドリエルとのお別れ。深い谷,東から矢の攻撃。エルフ達は特別の食料と灰色のマントとフードをプレゼント。Tol Ondrenでエルフ達とお別れ。Rhain Hillsという所で作戦計画中に,ボロミアが指輪を奪おうとし,フロドが消える。
‥スペルがいろいろ変わるけれど「トルオンドレン」という場所まで,エルフ達が何人かついて来るようです。しかもここでエルフが待っている間にボロミアがフロドから指輪を取ろうとしているようなので,かなり先の方ですね。大カーロックという言い方からすると,王たちの柱かもしくは,パルス・ガレン辺りの前身なのでしょうか。
それで,実は今まで気が付かなかったのですが,以前の下書きでは,そのボロミアがフロドに,という事件の起きるのは,彼らがAngleにいる間,つまりロスロリアンにいる間だったんですね。(汗) 当時の下書きでは,地理も現在知られている正式版のとはちょっと違うようですので,次の章で確認しようと思います。
で,下書きの方なのですが,実はここもまた話の構成上大きな分かれ目となる所だったようでして,何と8版もあります。これを来週ご紹介する事にしましょう。