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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

根津公子の都教委傍聴記(1/23)

2014年01月27日 | 暴走する都教委
 ◆ 開会時刻の突然の変更、説明を求めたFさんに退場命令
 定例会の前に私たちは毎回、出勤する都庁職員に向けて「都庁前通信」とタイトルをつけたチラシを配っている。今朝チラシ配りをしていたら一人の都庁職員が、「今日の定例会は30分繰り上がって9時30分から。傍聴受付は9時から9時20分」と教えてくれた。近頃は定例会の最後に次回の予告があり、前回確か、「23日10時から」と言ったはずだが、と思いながらチラシ配りをいつもより早くに切り上げ、私たちは傍聴受付に急いだ。受付入口には「傍聴受付9時から9時20分」と貼り紙がしてあった。
 そこにFさん(元教員)がやってきて、その場の空気は一変した。「なぜ9時30分に変更したのか。9時40分に来た人は入れないのか」「ホームページに変更を目立つように書いて徹底すべきだろう。なぜそれをしない」と抗議し、追及した。私たちだって、まさか予告が変えられるとは思ってもいなかった。
 教えてもらわなかったら、受付に間に合わなかったかもしれなかったのだ(通常、そして前回予告されたのは、9:20から9:40受付、10:00開会)。
 職員たちはFさんの指摘を受け止め(られ)ずに、「(時刻は)主催者が決めること」と居直った。前回の定例会で「次回は23日10時から」と予告したことを確認すると、職員は「した」と言う。都教委に非あり、は明白ではないか。にもかかわらず、居並んだ職員の誰一人、Fさんの指摘に対して謝罪の一言が言えない。「上司の指示」がなければ言ってはいけない、自分で判断してはいけないと、職員たちは思っているのであろうか。硬直した思考が怖い。
 謝罪がされないままに9時30分、入室を指示され、私たち10人の傍聴者は入室した。Fさんは「なぜ突如、時間を変更したのか」と教育委員に向かって言った。木村委員長は「静かに!退場してください!」と、Fさんの質問を「妨害行為」と決めつけた。「退場」との木村委員長の指示で職員がFさんを取り囲み退場させる態勢に入ったそのとき、Fさんは「退場するのは(木村委員長)お前だよ。10年は長すぎる。」「(君が代)裁判で負けたら謝罪するのが当たり前。比留間(教育長)、辞任しろよ」と言うのも忘れなかった。
 木村委員長はFさんから質問されるまでもなく、突然の変更について真っ先に謝罪し、説明すべきであったのにそれをせずに、目障りなFさんを排除したのだった。良心の呵責はないのだろうかと、各教育委員の顔を覗いたが、表情に変化はなかった。教育委員と言い、職員と言い、都教委には傍聴を保障する義務があることに意識が行かない。傍聴をさせてやっているのだという高飛車な態度である。Fさんを追い出した後も傍聴者に対して謝罪の言葉はなかった。
 「13時から職員の表彰を予定しているから、定例会の開始を30分早めた」と言ったのみ。定例会は教育委員が最優先すべき仕事である。議事が長くなることだってあるかもしれないのに、午後に別の予定を入れるとは言語道断である。開会を30分繰り上げたのは、教育委員が2日登庁しなくていいようにするためだったのかと勘繰りたくもなる。かつて「都教育委員 月額報酬43万円、欠席でも満額支給」(毎日新聞2011.8.25)の報道がされた際、竹花委員は「24時間365日、東京都の教育の改善に職務を果たしている」と定例会で啖呵を切った。ならばなおのこと、終了時刻を設定しての定例会はあり得ないであろう。
 Fさんの鋭い指摘・追及があったからこそ、見えた1件であった。
  ・予告したことを反故にし、勝手に開始時刻を変更したこと
  ・時刻変更について謝罪をしないばかりか、それを質した傍聴者を退場させたことについて、次回定例会までに質問書を提出しよう。
 きょうも開会宣言の後、木村委員長は「議事妨害をしないように」とこと細かく言うのを欠かさなかった。
 議題は、議案が
  ①学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例の立案依頼について
  ②都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例の立案依頼について
 報告が
  ③都立高入学者選抜検討委員会報告書について
  ④平成25年度都教育委員会児童生徒等表彰について
  ⑤体罰根絶に向けた総合的な対策の策定について
  ⑥平成26年度教育庁所管事業予算(暫定案)・職員定数(暫定案)について。
 このうち、③⑤について簡単に報告する。

 ③都立高入学者選抜検討委員会報告書について:

 現行の入学者選抜制度は1997年度に策定。「各校の特色ある教育課程に応じた入学者選抜を実現することができた」反面、「制度が複雑化し、受検者、保護者、中学校にとって分かりにくかった」から、平成28年度から入学者選抜制度を変えるとの報告。
 新制度は「選抜で見るべき力」を示し、「推薦」「学力検査」それぞれに基づく「選抜の改善」を示した。「学力検査に基づく選抜の改善に向けた具体策」では、「実技4教科を軽視する風潮改善」のため、現行の調査書点(内申)の算出方法(5教科の素点+4教科の素点合計×1,3)を(5教科の素点+4教科の素点合計×2)に変えるというもの。結局のところ、4教科の内申の点数で釣るだけのことではないか。
 木村委員長は、「筋が通った。わかりやすくなった」と絶賛。竹花委員も「事務局の姿勢がとてもいい」とほめた。どの委員も何言か発言したが、やや盛り上がったのが「男女別定員」についてであった。
 「男女で分けなければいけないのか。合理性があるのか。得点が取れなくて男子は合格。男子に将来を担う気概がないのではないか。男女別定員を検討してほしい」(竹花)、
 「ある企業で成績順に採用したら13人の合格者のうち、12人が女子だった」(内館)、
 「男女別定員に納得して受検しているのか。情報公開をしたときに耐えられるのか。女子には就職でも不利益を受けている意識がある。そこに配慮すべき」(山口)
 と言えば、「私立の女子校はあるが、男子校はない。男女別定員を採らないと、男子の行き場がなくなってしまう」(発言は男性だったが、誰だったか?)と。
 「昔は男子校、女子校。いいところがあった」(内館)に対し、「男女合同定員制が時代の流れでいいのでは」(山口)と。
 「男女別定員を検討してほしい」という意見に対し、事務方(学校教育部)は「検討する」とは言わなかった。しかし、それでやり取りは終わってしまった。言いっぱなし、という印象。熱意があれば、徹底的に意見を擦りあわせるはず、と思うのだが。
 ⑤体罰根絶に向けた総合的な対策の策定について:

 9月の定例会で「体罰関連行為のガイドライン」の報告があり、今回はガイドラインに沿っての教員研修・今後の取り組みが提示された。
 ガイドラインはどのような行為が「体罰」に当たるか「不適切な行為」か、あるいは「指導の範囲内」「適切な指導」となるのかを示している。
 その中に、「短時間正座させて説諭する」のは「指導の範囲内」と書かれている。そのことについて竹花委員は、「短時間でもよくない。『正座は指導の範囲内』を変えてほしい。教員が一緒に正座すればいいが。」と発言。
 しかし、指導部は、それを呑まなかった。竹花委員は「正座が指導の範囲内のことがあるのも十分承知している。しかし、訂正してほしい」と重ねて発言した。しかし、やはり、それ以上の論議にはならず。
『レイバーネット日本』(2014/1/25)
http://www.labornetjp.org/news/2014/0123nezu
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