パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 袴田再審、5・22静岡地裁で結審

2024年05月02日 | 人権

  《月刊救援から》
 ☆ 袴田再審・検察官の主張が瓦解
   5・11静岡集会へ、 そして5・22結審日は静岡地裁へ

 ☆ 裁判官は科学的リテラシーに欠けると断言

 そもそもこの事件は事件発生から四日後、何の根拠もなく静岡県警が袴田さんの家宅捜索を行ったことから始まる。
 この捜索で、何も発見できなかった静岡県警は、わずかに醤油の染みか錆の跡かわからない〝シミの付いたパジャマ〟を袴田さんに任意提出させ、それを〝血ぞめのシャツを発見〟などと、大々的に報道させた。
 しかし、血が付いていなかったことが、公判で明らかになる。その後発見されたのが、五点の衣類である。

 公判維持に危機感を持った捜査関係者が、五点の衣類を発見直前に隠したものなのか、それとも袴田さんが犯行直後に隠したものか。その隠匿時期の特定が、証人尋問の争点である。すなわち、衣類に付着した血液に赤みが残るか否か。
 この尋問に先立ち、七名の法医学者の共同鑑定書なるものが裁判所に提出されているがその冒頭に、裁判官は科学的リテラシーに欠けると記載したのが今回の証人になった神田芳郎(こうだよしろう)久留米大学法医学講座教授である。


 ☆ 噴飯物の神田鑑定人、天に唾(ツバ)した検察官

 今回の証人尋問で、検察官は自ら作文した供述調書に署名だけさせた法医学者の池田証人も登場させる。
 ところが彼は、味噌に一年間も漬かれば血痕は黒くなる。と、検察官の意に反して弁護人の主張を認めたのだ。そればかりか、検察官からは五点の衣類が、二十日間前後空気にさらされていた事実を知らされていなかったため、その期間だけでも十分に黒くなるとまで言い切ったのだ。
 弁護団は尋問後の会見で、池田証人の大半の証言は弁護団の主張を認めるものだったと述べた。

 一方、神田証人は、その証言の中心を麹菌による味噌発酵の持論に費やし、味噌原料の中に含まれる酸素が無くなるのだから、血液の赤みが残る可能性がある、という説を言葉や表現を変え、繰り返すばかりであった。しかも実験は何ら行っていないというのである
 「仮説として、可能性があるというような主張をされるのなら、なぜ実験をされなかったのですか」という問いに対しては、時間がなかった、と誤魔化すありさまであった。

 少なくとも、酸素濃度を測る機器や無酸素状態にしたり、PH値を調整したりする機材は大学なら簡単に揃えることができるし、検察官の依頼ならその資金も潤沢にもらえるだろう。
 にもかかわらず、その実験の提案すらしなかったのは、血液の赤みの素である赤血球は塩分によって溶血し、むき出しになった赤みの素であるヘモグロビンが、酸性の環境下で黒変する医学的事実を知らないからだ。
 その事実を知らない神田証人こそ、科学的リテラシーに欠ける、まさに似非(えせ)法医学者でしかない。まして、知っていて知らないと証言しているのなら、道徳観すら持ち合わせていない御用学者そのものである。このような人物が法医学会の理事長というのだから、まさに噴飯物である。
 一方、法廷に立つた四人の検察官は、検察側証人の発言内容が弁護人の主張の援護になったり、弁護側証人に的確な質問ができず傍聴人の失笑を買ったり、文字通り天に向かって唾を吐くありさまであった。

 ☆ 5.11静岡集会に参加を!そして五月二二日の論告・弁論は静岡地裁へ

 次回公判は四月一七日、二四日。主にDNA型鑑定をめぐっての主張が繰り広げられる予定だ。そして、五月ニニ日(水)に論告・弁論が行われ結審となる。
 それに先立ち私たちは、五月一一日(土)に、袴田さんの完全無罪へ、KO勝利を!の集会を開催する。午後一時三〇分、静岡労政会館に駆け付けていただきたい。
 そして、五月二二日の結審には全国から静岡地裁への結集をお願いしたい(傍聴整理券は午前八時四〇分から配布される)。
 詳しくは、hakamada.now@gmail.com ヘメールにて問い合わせを。

(袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会事務局長 山崎俊樹)

『月刊救援』(2024年4月10日)


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