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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

評価自体のいい加減さ自己暴露:千葉県の業績評価

2012年09月27日 | こども危機
・・・圧力や誘導のない、この数字こそ実態をかなり正確に表しているだろう。賃金に反映されると、急にC・Dが2~3割に増えるのが不自然であることがよく分かる。
  『千葉学校合同ニュース』から
 ◆ 千葉県の業績評価(総合評価)全県集計


 上記の表は、千葉県教育委員会の教職員課管理室が、2009~11年度の各年度別に、県教委に集められた業績評価(総合評価)を学校種別毎に集計したものです。学校合同との人事評価に関する交渉で、口答で公表された数値です。
 各項目の母数は、各学校種別毎の管理職と一般教職員の合計数です。(ただしこの母数には、産休・育休や長期療休・休職等の教職員は含みません。)
 「A」はどんな職員(管理職)についたのでしょうか?「本格実施」で、賃金格差をつけるようになったとき、「C」や「D」の数値がこのままでしょうか
 (他都府県では、「A」ための割り増し賃上げ財源確保のために、「B」の賃金を全体的に切り下げると共に、管理職には「C」や「D」を増やすよう様々な形で「指導」をします。)
 あなたは、教育委員会・管理職の奴隷になって過労死労働を続け、「A」評価をめざしますか? それとも、子どもたちの成長を助ける生き甲斐のある仕事に専念し、やらざるを得ない超過勤務については、正々堂々と時間外賃金を要求しますか?
 私たち千葉学校合同は、弱い立場の子どもたちや不安定な立場の臨時教職員の仲間とともに、生き生きと学校現場で働くために、正当な要求を行い・共に闘います。
 ◆ 評価自体のいい加減さ自己暴露
  ←「目標申告」不提出だけで「業績評価」C・D?
  こんな代物、即刻導入中止せよ!


 お隣の石原都政が、国に先駆けて教育界の右傾化・管理強化を目論んで教員の『人事考課制度』を導入したのが、何故かミレニアムに沸いていた2000年。
 それを横目にその5年後、奇しくもJR(旧国鉄)福知山線で信じがたい脱線事故が起こり、『日勤教育』という社員教育が問題視された年、わが千葉県でもとうとう、その『日勤教育』と何ら本質的に変わりなく百害あって一利なしの『人事評価制度』の第一歩である「目標申告」の「試行」が、県教委によって強行された。
 その後、『日本国憲法』の精神に基づいた戦後教育の理念『教育基本法』が改悪される中、3年間の「試行」を経て、ついに5年前の2007年度から、何ら成果も明確にできぬまま「目標申告」の本格実施を強行したのである。
 その「目標申告」という『踏み絵』で地ならしをし、導入しやすい管理職を対象とした「業績評価」を呼び水として、本丸である一般職員への「業績評価」が、同じ年の夏休み、突然「評価者研修」という名のなし崩し的な「試行」という形で開始された。
 その後の2年間、同様に何ら成果も明確にできぬまま、3年前またしても突然、その無内容な「2年間を踏まえて<試行>を行う」と言い出して2年、従って実質丸4年の「試行」となった。
 詭弁もはなはだしいが、そうこうしてるうちにとうとう昨年度、本格導入を強行した。ところが、「本格実施」ではなく「実施」だと妙なことを言い出す始末。賃金に反映されないのでただの「実施」だというのだ。ゆくゆくは賃金に反映させるつもりなのに、どうしてこんな詭弁ばかり弄するのだろう。
 さらにおかしなことに、夏になって管理職対象の「教職員人事評価研修会」で、これまた突然県教委は、「目標申告など、職務上作成すべき書類を作成しない場合、総合評価はB評価とはなりえず、C評価又はD評価となること」を周知して「いただき」、「御指導」を「御願いします」と何ともご丁寧に言い出す始末。年度当初の4月に出された教職員向けの<千葉県教職員の「新しい人事評価制度」の概要>の評価基準にも一言もかかれていないことを平気で言い出す無節操さ。
 「業績評価」本格導入直前2010.11.11の県教委交渉で、県教委は「成果だけで評価しません、プロセスの評価も大事です。だって教育は短期間で成果が出ないじゃないですか」と明言しているにもかかわらず、あくまでも自主的なものだと自ら言い、「職務だが職務命令にはなじまない」と当初から明言してきたにもかかわらず、「目標申告」を出すか出さないかだけで評価するのは明らかに矛盾している。
 「業績評価」の評価自体がいかにいい加減なものかということを自己暴露してしまったのだ。要するに、「お上にたてつくことはまかりならん」という代物に他ならない
 わが学校合同は、「目標申告」の「試行」がはじまった2005年の当初から、この「目標申告」に対して、「学校教育目標」との関連を要求している点に着目して「子ども(教育)より組織(学校経営方針)ありき 上意下達の教職員支配体制=戦争への道」と批判してきた。
 「例えどんな目標が出されても学校経営方針に従って働け。それがいやならやめろ」ということであり、その行き着く先は物言わぬ教員、そして戦争への道ということになるのだ。
 ちょっと想像力を働かせてみよう。戦前の痛苦な反省から、『日本国憲法』の精神に基づいて、戦後教育の理念として国(=権力)がしてはならぬことを明記した『教育基本法』の改悪が強行され、道徳を教科にしようという動きがある中で、近い将来「国を愛する心を養う」というようなことが徳目として「学校教育目標」に掲げられるというようなことは大いに考えられるだろう。
 そうなってからでは遅いのだ。「目標申告」の土俵に一旦立ってしまうと、これからどんな『学校教育目標』や『学校経営方針』が示されても、もはや学校現場では反対の声を上げることが難しくなってしまうのだ。これが「目標申告」の落とし穴であり『踏み絵』である由縁だ。
 だからこそ、何が何でも提出させようと躍起となっているのだ。まさに、「戦争はある日突然やってくるのではない!」(「学校合同」No86 2007.7.27)
 そもそも、「目標申告」の提出云々は「業績評価」の対象にはなりえないということだ。これを評価するなら、「労基法」34条(休憩時間の確保・罰則あり)に違反している校長「厚労省01基準」や「労働安全衛生法」による「出退勤時刻の記録と保存」ができていない校長も評価すべきだろう。間違いなく全員D評価になるはずだ。
 昨2011年11.24、そして今年7.4の県教委交渉でそれを追及したら、口ごもってしまった。緊急課題である放射能汚染の問題をほったらかしにして、どうでもいいことばかりやって現場を混乱させている。これも縦割り行政の弊害だ。今、全国的な広がりを見せている反原発・脱原発のうねりは、こうした国を頂点とした行政(=権力)の怠慢の一つ一つに対する不満の爆発とも考えられる。
 話を戻そう。校長からは「目標申告を出さないだけで総合評価をCやDにしなければいけないのか」という素朴な疑問が出される中、「目標申告」不提出者に対して、9項目の個別評価の中で不当にも「C」をつけた項目もあったが、総合評価は「B」とすることを由とせざるをえないというような地教委もあった。
 こうした動きの中で、県教委は、今年の「教職員人事評価研修会」では、上記の「目標申告など、職務上作成すべき書類を作成しない場合、総合評価はB評価とはなりえず、C評価又はD評価となる」という件をレジュメから削除せざるを得ず、「県の見解として」口頭でお願いするにとどめざるを得なかったのである。それもその筈、県立学校以外の職員の業績評価は、規則上市町村教育長が最終決定することになっていて、県教委が口を挟む筋合いのものではないのだ。
 こうした様々な問題がある中、一方で、「業績評価」との関係が曖昧なまま「主幹制度」が導入され、副校長の配置に続いてこれまた選考基準が曖昧な「主幹教諭」の県内の配置が一昨年度から始められ、これまたなし崩し的に差別賃金体系を開始した。
 これでは個々の教職員のモチベーションは低下し、集団としての協力体制が急速に崩壊していくことは、冒頭で述べたように逸早く「人事評価制度」を導入した「石原」の東京の例を見れば明らかだろう。「橋下」の大阪も「教育基本条例」でむちゃくちゃですわ。
 そんな劣悪な環境に置かれた子どもたちに未来はない!      ( M )

『千葉学校労働者合同組合』
http://www.mdn.ne.jp/~ggk/parts/news.htm
〒277-0843 柏市明原2-2-24-201
Tel/Fax 04-7143-6499
ニュース『学校合同』(No.104 2012.07.26)

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