パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ホワイトカラー・エグゼンプション

2006年11月27日 | 平和憲法
 ここまでやるか"過労死促進法"の恐怖
 8時間労働制の死滅!!正気か?


 政府・与党が労働基準法「改正」により導入しようとしている「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外制度)」
 一定の年収があれば、いくら働いても残業代はもらえないという、とんでもない制度だ。それでなくても長時間労働やサービス残業が蔓延し、過労死・過労自殺が問題となる中、労働地獄ここに極まれりといった感も。米国でもブッシュが、対象を拡大し、多くの労働者の生活が直撃を受けている。来年1月からの通常国会への上程を目指し、労使の議論を進めている厚労省。議論の現状と同制度の危険性について探った。
  『週刊金曜日』(632号2006/11/24)から

【キャスト】
○推進の旗振り役は、日本経団連
  本音:残業代ゼロのただ働き法を作りたい。
  建前:労働意欲が高まり、生産性も上がる。
○もう一つは、米国政府が、日本政府に導入を要請。
  投資環境を改善するための報告書(日米投資イニシアティブ報告書)で内政干渉。
○取りまとめ役は、厚労省
  年内に議論を取りまとめ、労基法の改正案として年明けの通常国会に上程するスケジュール。
○審議をしているのは、厚労省の労働政策審議会
  公益委員、労働者委員、使用者委員の計7名。

★対象になる(残業代ゼロ時間無制限)のは誰か?
 経団連の提案は、「年収400万円以上」のホワイトカラー
  これは、サラリーマンのほぼ平均年収と等しい。
  1013万人が残業代を受け取れなくなり、総額は年間11兆6000億円。
  経団連は、これをむしり取りたいのだ。(労働運動総合研究所試算)
  「労働時間の長さではなく成果で社員を評価できる」とか?(経団連)

★不払い労働・サービス残業の違法な実態を追認する立法
 名ばかりの管理職や年俸制などを理由に、サービス残業させられているという相談が目立つ。(NPO法人労働相談センター)
 管内で起きた過労死・過労自殺で労災認定された48人の内11人が自分で労働時間を管理する監督者だった。(東京労働局)
 「すでに長時間労働が蔓延し、過労による健康障害や過労うつになり、過労死や過労自殺をする労働者が年々増えているこの日本で、わざわざ日本版エグゼンプションを導入して労働時間の保護規定から外す人を大幅に増やせば、その結果として、過労うつ、過労死、過労自殺が増大するのは火を見るよりも明らかです。」

★使用者の労働時間管理・把握義務がなくなる。
  ~「過労死」が起きても、企業は責任を回避できる!

 ということは、長時間労働により健康を害したり命を失う労働者がいても、すべてその人の自己責任。過労による健康被害や過労死の責任を、使用者に追及することもできなくなってしまう。
 「過労死した労働者の遺族が、長時間労働が原因だと労基署に労災申請をする時には、長時間労働を立証することが求められ、現状でも困難が伴います。使用者が労働者の労働時間を管理・把握する義務をなくせば、何月何日何時何分から何時間働いたという記録もなく、過労死しても長時間労働が立証できず、労災認定されないという事態が頻発し、企業に民事上の責任を損害賠償請求訴訟などで問うことも難しくなります。」

★「労働者派遣法(ピンハネ合法)」に次ぐ、誰の目にも明らかな労働者窮乏化政策。
 過労死するほど働かされる正社員と、低賃金で不安定な非正規雇用。格差は広がり、どちらの労働者も地獄。
 この上、労働時間保護規定を撤廃したら、「工場法」以前の「飢える自由」に逆戻りだ。「強者の自由」は「特権」の別名に他ならない。「特権」を否定してこそ社会全体の「自由」が実現する。今「自由権」を制限されなければならないのは、勤労者か、経団連か。
 「1986年の労働者派遣法施行から20年たった今、元々専門業種に限定されていた派遣労働が、製造業も含めて原則全面解禁され、労働者の賃金が大幅に圧縮されていることを忘れてはいけません。」
 (11/25夕刊で「厚生労働省が、対象労働者の要件として年収一千万円以上を軸に検討していることが二十五日、分かった。」と報道されたが、制度を一旦導入してしまえば、人件費を削減しようとする経営者は年収要件を下げるよう働きかけを強め、将来的に切り下げられていくことは、「労働者派遣法」の経過からも十分予想される。)

★労働組合を名乗るのであれば、
 大企業労組も、公務員労組も、中小労組も、ストライキをするくらいの勢いで反対すべき問題です。
 1日8時間労働制が、120年ぶりに撤廃されようとしている。
 19世紀に逆戻り!(1886年5月1日、米国で8時間労働制を求めてゼネストに立ち上がった=有名なメーデーの起源)

【最短労働時間と最高賃金の決まり】(最長・最低でないところに注目。今日と反対。)
 ~16世紀頃のイギリス。まさか、このルールが良かった、なんて経団連は言わないでしょうね。
 (労働条件改善への気運が高まってくると)労働時間や賃金が、雇われる労働者にとってより有利なものへ変わってゆく。これは支配階級から見れば、公正価格体系に対する許すことの出来ない侵害であるし、生まれたての資本家達にとっては、人手は確保してもコストが高くついて事業の発展に困難をきたすということである。そういう場合には、契約の内容への規制は、最短労働時間と最高賃金を定めることへと向かってゆく。
 やはりイギリスについてみると次の通りである。労働者は3月から9月までの間は、午前5時から午後8時まで働き(これより短い契約は禁止)、食事のための休憩は合計3時間を超えてはならない。法定以上の賃金を支払った雇い主は10日間、これを受け取った労働者は21日間投獄される(規定より高賃金を支払うことは犯罪)。「法定賃金率」の範囲内に於いて、治安判事が各年の賃金を決定する。〔荒又重雄ほか『社会政策(1)』有斐閣新書〕



■共同アピール運動  ~過労死促進法案に反対する~
http://www.jex-no.org/index.html

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