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ドル安 国債格下げ 株安

2011年09月11日 | 格差社会
 【世界経済 混沌】
 ◆ ドル安 国債格下げ 株安
東京大学名誉教授 塚本健


 アメリカ経済は、2008-2009年とマイナス成長をたどり、そのあと昨2010年、年率3%のプラス成長に転じた。だが、経済成長は順調ではない。
 今年2月、4月、5月には鉱工業生産が前月より減少した。7月には設備稼働率が77・5%まで上がってきたが、まだ2008年の77・8%にも及んでいない。
 失業率は9%に高止まりして、下がるどころか上昇する傾向にある。
 もともと昨年末からのプラス成長そのものが、住宅ローン拡大による住宅建設増加のよるものであった。
 金融機関は、顧客が買い入れる住宅を抵当にした住宅ローンを拡大し、さらにその住宅ローン債権を担保にして債券を発行した。この債券の市場価格が下落したとき、金融機関は巨額の損失をこうむり業務を縮小した。住宅ローンの縮小、住宅建設の縮小が景気停滞を顕在化させた。
 このような停滞局面のなか、連邦準備銀行は景気回復を促進するため、景気振興策として政策金利を0%ー0・25%に据え置いている。
 オバマ民主党政権は国債発行、財政支出増による景気刺激策をとろうとするが、野党共和党の財政再建、財政健全化の主張の前に政策遂行を阻止されている。
 国債発行の累積額は法定の発行上限に近づいており、格付け機関スタンダード・アンド・プアーズが8月8日、ニューヨーク証券市場での有価証券の格付けを発表した。
 アメリカ国債の格が引き下げられ、その発表をきっかけに株価は634ドル安と暴落した。株安は世界各国に波及した。
 株式崩落は消費者の買う気を減退させ、個人消費需要を縮小させている。

『週刊新社会』(2011/9/6)

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