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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

原告から東京「君が代」裁判・五次訴訟提訴の報告

2021年06月30日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《被処分者の会通信から①》
 ◆ 東京「君が代」裁判・五次訴訟を提訴
審理担当/原告・鈴木毅

 ◆ 15名の原告団で東京地裁に提訴
 これまで都人事委員会審理案件となっていた2014~17年卒入学式処分事件および再処分事件の請求人のうち15名が東京「君が代」裁判・五次訴訟原告団を結成し、3月31日に東京地裁に提訴いたしました。
 提訴当日は、新型コロナ感染対策のため、これまで行っていた裁判所への行進は行わず、弁護団による訴状の提出が行われたのち、裁判所内の司法記者クラブにて記者会見を行いました。
 会見では、澤藤、雪竹、平松弁護士原告の川村、田中さんが発言し、朝日新聞や東京新聞などに詳しい記事を掲載してもらうことができました。
 今回の原告は15名とはいえ、複数の処分取消しを求める原告が多く、

 計26件の懲戒処分(戒告20件、減給6件)取消しを求める訴訟となります(今回は国賠請求を行っておりません)。
 戒告処分20件のうち、16件は二次~四次訴訟判決によって減給処分が取り消されたのちに発令された再処分であり、この再処分の取消を求める裁判は初めてのケースとなります。
 ◆ 3・31卒業式総括集会で原告団が決意を語る!

 この日は午後から、としま区民センターにて「卒業式総括集会」が開催されましたが、会場には11名の原告が集まり、決意を表明するとともに、弁護団からも五次訴訟で通達違法の判断を出させる取り組みへの決意が語られました。
 また、会場に集まったみなさんからは、五次訴訟提訴に多くの励まし、連帯の声をいただきました。ありがとうございました。
 さてここでは、この集会のあとで開かれた原告団会議において、原告の方たちから聞かせていただいた裁判闘争に向けての「決意の一言」を紹介させていただきます。
「再処分を含めて、すべての処分を取り消しさせるぞ!」
「怒りと若さを持続するぞー!」
「『強制はいやだ』という思いを、世に広めたい。」
「裁判を通じて、いろいろな人々や考えに出会えたが、今回もたくさんの人々に出会って、さまざまな思いを知ることができたらいい…。」
「しゃ一ないなあ…やるか!」
「人権を大事にしようというメッセージを広めたい。」
「冬眠中だった魂は、春になって目覚めそうかなあ~と…」
「戒告処分は絶対取消しさせます!」
「黙らない!わきまえない!!あきらめない!!!」
「やり切るぞ一!」
「裁判所は認めなくても、私たちは正しい憲法の使い方をしていきます。」※
「しつこく闘います。」
 ん?11名とか言いながら、どなたか「二言」の方がいますねえ…。
 それから、※印の一言には注釈が必要ですね。
 …この日の集会で、澤藤弁護士が「かつて、ある裁判に勝利した原告が『私たちは正しかった』と語ったという記事が掲載されたことがあり、これを読んだ時に違和感を持った。自分たちが正しいという確信があるから裁判に訴えるのであって、裁判によって真理や公正さを主張・追求する権利を憲法は保障してくれている。ただし裁判所の判断は時流によっても変化する不確かなところがある。裁判に負けても正しいものは正しい。結果に振り回されず、確信を持って訴えていくことが大事なのだ」というようなお話をされたのですが、この「一言」はその文脈上で出てきたのです。
 憲法条文にもある「不断の努力」を続けていくということですね。がんばりましょう!
 ◆ 五次訴訟の訴え

 今回の提訴にあたって、弁護団ではおよそ190ページに及ぶ訴状を作成・提出(HPに掲載中)いたしました。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/sojou210331-2-1.pdf
 裁判が進行していく過程で、まだまだ多くの主張が補充されていくと見込まれますが、提訴時点で、今回の訴訟における新たな論点を私見により紹介いたします。
 まず憲法論では、「客観違憲」の主張に力を注いでいるところで、これまでの判断枠組みとは異なる新たな枠組みを提示しています。憲法判断について、これまでとは異なるアプローチでの憲法判断(違憲審査)を裁判所に求めていき、最終的には最高裁判例を変更するよう求めていきます。
 次に、国際法、国際条約に対する配慮の必要性に関する主張で、今回は、2019年に出されたCEART(セアート)勧告の紹介と勧告への対応に関する主張に重きを置き、勧告の中の都教委に対する要請内容を判決に反映させることを求めていきます。
 また原告団では、CEARTに対して、新たな勧告を出してもらうよう、CEARTに対する働きかけを行う活動をすすめています。
 三つ目は、新たに裁判の事案となった再処分の違法性・不当性に関する主張です。これは確実に争点の一つになると見込まれていますが、該当原告による陳述や証言などにもとついて、主張を強化し、再処分違法の判決を出すよう求めていきます。
 ということで、これらの論点が争点として取り上げられ、戒告処分無効判決や通達無効判決などの新しい判断を裁判所に出させることが大きな目標です。裁判所に主張すべき論点などにご意見がありましたら、お知らせください。
 ◆ 今後の進行について

 提訴後に再び緊急事態宣言が発令され、裁判進行や傍聴に対する制約が多い状況にはありますが、原告団では早期の口頭弁論開催と、より傍聴者収容能力の高い大規模法廷での弁論を求めています。
 期日設定の調整が難航している状況にあっても、遅くとも7月までには口頭弁論を開始する方向で働きかけをしていますが、現時点では弁論期日は未定です。
 決まり次第、HPなどでお知らせしていきますので、裁判傍聴などへのご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。
『被処分者の会通信 第133号』(2021年5月27日)

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