☆ <若者を再び戦場に送るな!(13)都知事選の結果をどう見るか>
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・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」の渡部です。
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昨日(7月7日)の都知事選で、
①小池百合子 2,918,015票
②石丸伸二 1,658,363票
③蓮 舫 1,283,262票
で、小池氏の圧勝となった。
こうした結果になることは、当初予想できなかった。
その大きな原因の一つが石丸氏の躍進であった。
彼は既成党に対して「完全無所属」で戦うと宣言し出馬した。
その事が、既成政党のこの間の不甲斐なさに「不信感」を抱いていた特に若い層を引き付け、支持を急速に伸ばしたといえる。
しかし彼は本当に「完全無所属」なのだろうか。
否である。
彼の後援会長は安倍元首相と親しくしていたドトールの名誉会長・鳥羽博道氏であり、
選対本部長は「自民党政経塾」熟長代行の小田氏であり、
選挙プランナーとしてサポートしているのは東京維新の会事務局長などを歴任した藤川氏であり、
街宣カーに同乗していたのは旧統一教会の人物であったことも指摘されている。
つまり彼は、安倍晋三の後継者なのであり、改憲論者であり、新自由主義者なのである。
今回そうした彼が、蓮舫陣営を切り崩すために自民党の別動隊として送り込まれ、そうしたことをよく知らない無党派の若者の票を大量に獲得することになったのである。
したがって、明治神宮外苑再開発についても、
「そもそも民間の開発事業で、ここから東京都ができることは『提案』。そこまでだという認識でいる」
「これを全部ひっくり返すというのは極めて難しい、むしろ混乱を招く」
と小池氏と同じことを述べている。
ところ、でその都市再開発であるが、
小池氏は例えば築地の跡地を「食のテーマパークにする」などと言っていたが、
一転してそこに5万人規模のマルチスタジアムを作り、
その周辺も1200人規模の文化・芸術拠点であるシアターホールなどを作るという。
また、都市開発などに当たっての土地収容については、従来は「任意折衝による円満解決」を原則としてきたが、この4月1日に「建設局土地収用制度適用基準」という文書を建設局長名で出し、その原則は削除された。
つまり都市再開発においては強制執行が可能となったともいえる。
また、小池氏は今回、「首都防衛」という言葉を強調した。
その中に、<ミサイル攻撃から都民を守るシェルター(避難施設、防空壕)の整備>が入っていた。これは明らかに戦争を前提とした「首都防衛」である。
小池氏はかつて防衛大臣をやっていたことを思えばこの言葉はそうとしか受け取れない。
そして現在都内各地で、洪水対策を口実にシールド工法で地下約40メートルの所に巨大なトンネル型の「調整池」というものを作っている。
すでに治水事業はかなり進んでおり、洪水は少なくなっているというのに。
これはミサイル攻撃に対するシェルターになると考えているのではないか。
これについて、先ほどの「建設局土地収用制度適用基準」では、
「中小河川整備事業では善福寺川上流(杉並区)調節池・石神井川上流(練馬区)調節池」を名指しで挙げ、
「優先度の高い事業については、迅速な整備を行うため」「進行管理を徹底し、着実に用地取得を進めること」と書かれている。
要するに住民の声を無視しても建設を急ぐということである。
ところで、今回小池都知事は、出陣式も選挙事務所で行い、公務を口実にして、極力都民と会うことを避けた。
公開討論会も記者会見も極力避けた。
それは、学歴詐称など、この間の彼女のウソについて問われることを避けるためであった。
しかし、そのままでは「都民から逃げている」と言われるのを恐れ、終盤になって自分の支援者を多数動員し、街頭演説に立った。
すると案の定、それを知った人々が、
「さよなら小池百合子さよなら」、
「公約達成ゼロ小池」、
「東京をこわすな」、
「小池の後ろにハギューダ憑いている」、
「小池百合子は朝鮮人虐殺に向き合え」、
などのプラカードを持ち集まり、
口々に「小池うそつき」、「小池ヤメロ」などと声を上げることになった。
一方蓮舫氏の街宣には多くの人が集まり、「レンホー、レンホー」の連呼も起き、大変盛り上がった。
それでも蓮舫氏は3位に甘んじた。なぜか。
それは四分五裂する野党に対する「不信感」があったからではないか。
今回の野党の中でも「国民民主」が小池支持になり、「れいわ」や「維新」は傍観することになった。
また最大の労働組合の「連合」は小池氏を支持した。
その結果多くの勤労市民が望んだ真の「市民と野党の共闘」にはならなかった。
そうした中、石丸氏が共闘にくさびを打つように乗り込んできた。
その結果大敗となった。
私は、今回の選挙はつまるところ、改憲派と非改憲派、同時に富める者(石丸には金持ちが支援した)と貧しき者の<熾烈な総力戦>になると述べた。
しかし、以上のように非改憲派・貧しき者は、「小異をおいて大同に就く」とはならず、足並みがそろわず大敗したといってもよい。
したがって、今後、改憲派と、富める者の勢いは増し、戦争準備と格差拡大はさらに進むことになるだろう。
しかし、私たちが再度この総力戦に臨むためには、この大敗という客観的な事実を直視する所から出発しなければならない。
そこにある原因や教訓を学ぶことから出発しなければならない。
とりわけ、誰が味方で誰が敵であるかをしっかりとつかむ必要があるだろう。
杉並区・下井草駅での街宣の時、86歳の弁護士Yさんは言っていた。
「小池は知事になったとしても、結局やめざるを得なくなるよ」
「一般大衆の前で話ができないような人間は都知事になる資格はない」
したがって、私たち非改憲・貧しき者たちは、
今回の大敗の教訓に学び、闘いの旗を降ろすことなく、
引き続き団結して前進しなければならないのではないだろうか。
「失敗は成功の母」である。
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