◆ 合格倍率の低下傾向続く
教育管理職選考 08年度合格者を発表
都教育庁人事部は5日、2008年度の校長選考・教育管理職選考・主幹教諭選考の合格者を発表した。
校長選考は257人で倍率3.6倍、教育管理職選考は520人で1.4倍、主幹選考は614人で1.1倍となっている。
前年度に比べて、校長選考の倍率はやや上昇したものの、教育管理職は低下。主幹教諭選考の倍率は前年度と同率だった。
校長選考の受験者数は926人で、第1次合格者数は554人、最終合格者数は257人となっている。これを校種別にみると、小学校が合格者数119人、倍率4.6、中学校が同84人、2.3倍、高等学校が同46人、3.4倍、特別支援学校が同8人、3.5倍で、小学校と特別支援学校の倍率が前年度をやや上回った。
教育管理職選考の受験者数は750人で、第1次合格者数は549人、最終合格者数は520人。選考別ではA選考の合格者数が92人、1.3倍、B選考が378人、1.5倍、C選考が50人となっている。B選考の校種別を含めて、教育管理職選考の受験者数は毎年度落ち込んでおり、倍率も低下傾向に歯止めがかかっていない。
主幹教諭選考については、受験者数が653人、合格者数が614人で、倍率は1.1倍。これを区分別にみると、区分Aは合格者数172人、倍率1.2倍、区分Bは同442人、1.0倍となっている。主幹選考の受験者数は2年前から増える傾向にあり、今年度は前年度に比べて12人増となった。
『都政新報』(2008/12/12)
◆ 8年前の8分の1に激減したA選考受験者数
都教委発表の、平成12年(00年)と平成17年(05年)とを比較した数字を並べてみよう。
受験者数、合格倍率とも、極端な低下を示している。これに対し、都教委自身、次のように危機感を述べている。
《A選考》
年度 受験者数 増減率 合格者数 倍率
――――――――――――――――――――――――
2000 833 0.0 107 7.79
2005 188 ▲77.4 86 2.19
2007 114 ▲86.3 79 1.44
2008 115 ▲86.2 92 1.25
《B選考》
年度 受験者数 増減率 合格者数 倍率
――――――――――――――――――――――――
2000 1084 0.0 240 4.52
2005 909 ▲16.1 270 3.37
2007 733 ▲32.4 237 3.09
2008 584 ▲46.1 378 1.54
「平成12年度の教育管理職選考Aは833名受験者があったが、受験対象者の減少や子育て世代の受験敬遠等に起因し、17年度の受験者は188名に留まり、トータル人数で645名の減、率では77.4%の減となっている。…受験対象者のライフスタイルや意識の変化に伴う教育管理職離れや子育て世代の受験敬遠、受験者の受験負担感などが減少原因と考えられるが、小学校の現在の受験者数で推移すると、今後教育管理職の大量退職時期を迎えるに当たり、必要管理職数の確保及び優秀な人材の確保・育成が大きな課題となる。」(平成18年1月『これからの教員選考・任用制度について(中間のまとめ)』)
「小学校及び中学校の合格倍率が大きく低下している。特に小学校については、平成12年度の3.2倍から平成19年度の1.4倍に、中学校についても、同じく12.4倍から1.9倍へと著しく低下している。このような低倍率が続く中で、管理職の大量退職に伴う任用数の増加から、さらに合格倍率が低下し、合格者の資質・能力の面で大きな課題が生じる可能性がある。」(平成19年12月『これからの教育管理職・指導主事の選考・育成制度について』)
その後も、追加して07年08年と数字を並べてみたが、低下傾向にまるで歯止めはかかっていない。どこまで下がるのかこのままでは底なしだ。
?? 驚くほど極端な低下率である。なぜ、管理職のなり手が減ったのか。 ??
都教委は、「ライフスタイルや意識の変化」「子育て世代の受験敬遠」「受験者の受験負担感」などを減少原因とあげているが、それだけでここまで激減すると本当に考えているのだろうか。
真の原因は何か。現場にいるものがヒシヒシと感じていることがある。"管理職"アンケートではなく、"一般教員"にアンケートを採ってみれば直ぐ分かることだ。都教委があえて目をつぶっていること。
都教委発表の年度の空白の期間の出来事に目をこらさなければならない。2003年度の「10・23通達」発出である。すべてはそこに始まる。だからこそ、そこを正さない限り事態の改善はあり得ない。都教委は、真の原因を直視すべきだろう。
《教育管理職選考》
A選考(若手登用)行政管理職又は学校管理職の候補者を選考
B選考(中堅登用)原則として学校管理職の候補者を選考
C選考(ベテラン登用)即任用する学校管理職を選考
○教育管理職任用制度の改正について(1999.6/10)
比較的に若い層を対象としたA選考と中堅層を対象としたB選考
選考合格後管理職として任用されるまで、A選考は五年間、B選考は二年間ジョブ・ローテーションや管理職候補研修を行う
合格者数のAとBの比率は概ね1:3で、Aを一定数確保し、Bで必要数を調整する。
※『これからの教育管理職・指導主事の選考・育成制度について』(平成19年12月)の6p
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr080110j/houkoku.pdf
※『これからの教員選考・任用制度について(中間のまとめ)』(平成18年1月)の16p
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060126j/korekara.pdf
教育管理職選考 08年度合格者を発表
都教育庁人事部は5日、2008年度の校長選考・教育管理職選考・主幹教諭選考の合格者を発表した。
校長選考は257人で倍率3.6倍、教育管理職選考は520人で1.4倍、主幹選考は614人で1.1倍となっている。
前年度に比べて、校長選考の倍率はやや上昇したものの、教育管理職は低下。主幹教諭選考の倍率は前年度と同率だった。
校長選考の受験者数は926人で、第1次合格者数は554人、最終合格者数は257人となっている。これを校種別にみると、小学校が合格者数119人、倍率4.6、中学校が同84人、2.3倍、高等学校が同46人、3.4倍、特別支援学校が同8人、3.5倍で、小学校と特別支援学校の倍率が前年度をやや上回った。
教育管理職選考の受験者数は750人で、第1次合格者数は549人、最終合格者数は520人。選考別ではA選考の合格者数が92人、1.3倍、B選考が378人、1.5倍、C選考が50人となっている。B選考の校種別を含めて、教育管理職選考の受験者数は毎年度落ち込んでおり、倍率も低下傾向に歯止めがかかっていない。
主幹教諭選考については、受験者数が653人、合格者数が614人で、倍率は1.1倍。これを区分別にみると、区分Aは合格者数172人、倍率1.2倍、区分Bは同442人、1.0倍となっている。主幹選考の受験者数は2年前から増える傾向にあり、今年度は前年度に比べて12人増となった。
『都政新報』(2008/12/12)
◆ 8年前の8分の1に激減したA選考受験者数
都教委発表の、平成12年(00年)と平成17年(05年)とを比較した数字を並べてみよう。
受験者数、合格倍率とも、極端な低下を示している。これに対し、都教委自身、次のように危機感を述べている。
《A選考》
年度 受験者数 増減率 合格者数 倍率
――――――――――――――――――――――――
2000 833 0.0 107 7.79
2005 188 ▲77.4 86 2.19
2007 114 ▲86.3 79 1.44
2008 115 ▲86.2 92 1.25
《B選考》
年度 受験者数 増減率 合格者数 倍率
――――――――――――――――――――――――
2000 1084 0.0 240 4.52
2005 909 ▲16.1 270 3.37
2007 733 ▲32.4 237 3.09
2008 584 ▲46.1 378 1.54
「平成12年度の教育管理職選考Aは833名受験者があったが、受験対象者の減少や子育て世代の受験敬遠等に起因し、17年度の受験者は188名に留まり、トータル人数で645名の減、率では77.4%の減となっている。…受験対象者のライフスタイルや意識の変化に伴う教育管理職離れや子育て世代の受験敬遠、受験者の受験負担感などが減少原因と考えられるが、小学校の現在の受験者数で推移すると、今後教育管理職の大量退職時期を迎えるに当たり、必要管理職数の確保及び優秀な人材の確保・育成が大きな課題となる。」(平成18年1月『これからの教員選考・任用制度について(中間のまとめ)』)
「小学校及び中学校の合格倍率が大きく低下している。特に小学校については、平成12年度の3.2倍から平成19年度の1.4倍に、中学校についても、同じく12.4倍から1.9倍へと著しく低下している。このような低倍率が続く中で、管理職の大量退職に伴う任用数の増加から、さらに合格倍率が低下し、合格者の資質・能力の面で大きな課題が生じる可能性がある。」(平成19年12月『これからの教育管理職・指導主事の選考・育成制度について』)
その後も、追加して07年08年と数字を並べてみたが、低下傾向にまるで歯止めはかかっていない。どこまで下がるのかこのままでは底なしだ。
?? 驚くほど極端な低下率である。なぜ、管理職のなり手が減ったのか。 ??
都教委は、「ライフスタイルや意識の変化」「子育て世代の受験敬遠」「受験者の受験負担感」などを減少原因とあげているが、それだけでここまで激減すると本当に考えているのだろうか。
真の原因は何か。現場にいるものがヒシヒシと感じていることがある。"管理職"アンケートではなく、"一般教員"にアンケートを採ってみれば直ぐ分かることだ。都教委があえて目をつぶっていること。
都教委発表の年度の空白の期間の出来事に目をこらさなければならない。2003年度の「10・23通達」発出である。すべてはそこに始まる。だからこそ、そこを正さない限り事態の改善はあり得ない。都教委は、真の原因を直視すべきだろう。
《教育管理職選考》
A選考(若手登用)行政管理職又は学校管理職の候補者を選考
B選考(中堅登用)原則として学校管理職の候補者を選考
C選考(ベテラン登用)即任用する学校管理職を選考
○教育管理職任用制度の改正について(1999.6/10)
比較的に若い層を対象としたA選考と中堅層を対象としたB選考
選考合格後管理職として任用されるまで、A選考は五年間、B選考は二年間ジョブ・ローテーションや管理職候補研修を行う
合格者数のAとBの比率は概ね1:3で、Aを一定数確保し、Bで必要数を調整する。
※『これからの教育管理職・指導主事の選考・育成制度について』(平成19年12月)の6p
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr080110j/houkoku.pdf
※『これからの教員選考・任用制度について(中間のまとめ)』(平成18年1月)の16p
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060126j/korekara.pdf
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