人間扱いされなかった傍聴人~裁判所って怖いところだ
説得力ある公訴棄却の申し立て~おまえはもう死んでいる
1,入り口で傍聴券配布
ネット上に、東京地裁が「傍聴券を交付する事件の予定について」(リンク)と、公表している。
このブログの「■公判日程と集会のご案内」でも、アドレスを紹介しており、「抽選1:10」と記載されていたのだが、数日前に「先着順」に変更されていたのだそうだ。(直前までチェックを入れる必要性を痛感!フェイントかけるな裁判所!)
その結果、12:50には84枚の傍聴券が出払ってしまった(マスコミ用12席)。
それ以降到着された方には、申し訳ないことになった。せっかく時間のやりくりをして出向いていただいたのに傍聴できなかった方が数十名出た模様。
2,傍聴席に入廷するまで
すごすごお帰りになった方も地獄だったが、中に入れた方にも地獄が待っていた。異常とも言えるセキュリティチェック。
①玄関前で、通常の手荷物チェック。
②104号法廷入り口で、メモ以外の手荷物の取り上げ。
③法廷前廊下で、金属探知機と触診で、全身をチェック(女性も男の係官に)。
ここに居並ぶ係官は、ゆうに20人を超える。
さらに13:10頃には廊下まで入れたが、法廷の扉は閉ざされたまま。開廷時刻の13:30になっても入れない。抗議と説明を求める声があがると、「中で検察団と弁護団が打ち合わせ中」と、理由にならない説明。狭い廊下に30分もたちっぱなしで待たされ、13:40にようやく扉が開かれた。
傍聴人は、クズじゃないぞ。公開の裁判に主権者の権利を行使しているのに、なぜこんな仕打ちを受けなければならないのか。
3,開廷冒頭に、弁護団から過剰警備に抗議。
中に入ると、既に裁判官・検事団・弁護団が勢揃いしている。
会場には6人の係官が目を光らせるという、異様な雰囲気。
弁護団から、傍聴人の入場が遅れたことについて、裁判官に説明を求める。
裁判長は「訴訟指揮。事前に知らせてある。見解の相違。」という木で鼻をくくったような返答。さらに傍聴席に向かって「広い法廷で静かに聞いてもらうための措置。裁判長の指示に従わなければ、次回以降狭い法廷になることもありうる。」と、一発恫喝が入る。そうか、裁判長は、傍聴人の大半は被告の味方、傍聴席で騒ぎかねない輩、との先入観を持っていたのか。何を根拠に?裁判長が「予断」を持って公判に臨むとは。
ちなみに裁判長は村瀬均、左陪審杉山正明、右陪審永井健一。検察は6人(山田信二、鈴木祐治、広田能英、石島正貴、杉原隆之)だが本日出席は4人。弁護団は、尾山宏団長を筆頭に、澤藤統一郎、加藤分也、大山勇一ら17名の布陣。
4,審理の内容(とてもメモしきれないので、流れだけ)
(1)被告人入廷。人定質問。(淡々と答える)
(2)起訴状朗読。検察官が、12月3日付けのものをそのまま朗読。ネットで読めます。<リンク>
(3)求釈明
①小沢弁護士から、喧噪状態の特定、威力の範囲の特定、遂行業務の妨害の内容など、訴因の特定に関わる基本的事項を10数項目にわたり、釈明要求。
②求釈明に対する検察側の説明。
③弁護士からの再質問。
④裁判官の判断。「訴因は他と区別できればよい。すべての記載は必要ない。攻撃防御は立証段階でやればよい」
⑤弁護士から異議申し立て。
⑥裁判長、却下。
⑦弁護士から再度補充異議申し立て。
⑧裁判官、発言は認めるが、採用せず。
(4)公訴棄却の申し立て。
①被告本人から、公訴棄却を求める意見陳述。<リンク>
〔ここで休憩〕既に1時間経過して、14:45。再開は、15:10。
②弁護団の申し立て。冒頭に尾山弁護団長から。
「弁護士歴50年。無罪率8割。なぜかというと、公安・労働など政治が関わると無理した起訴が多い証拠。今この国は民主主義の危機。異常に慣れてしまうとますます危険。裁判所には憲法感覚を磨かれて判断していただきたい。」
③引き続き、田場、大山、津田と、若手弁護士が次々と、「申立書」を朗読。
(ここが本日のハイライトと思うが、内容が豊富すぎて再現は困難)
・この事件の本質とねらい・経過とTBS取材・公訴権濫用について・根拠のない起訴・判例から・10.23以降の都教委の異常な準備・都議会一部マスコミの結託・異常な捜査・都教委の政策の一貫性のなさ・都議会の後押し・不公平な起訴、などの項目。
とりわけて、式内で罵声をあげ、携帯で写真を撮った土屋敬之都議の、式への介入と影響の大きさと、それを捜査もしない不公平な起訴。
式直後は、土屋都議も「立派な式」といい、派遣指導主事も「式に影響が出なくて良かったね」との言葉、校長も産経新聞のインタビューに「警察を呼ぶつもりはなかった」と言っていたものを、2週間もたってから「被害届」を出したことの不可思議さ。その間の3/16の土屋都議の都議会質問から「事件」がねつ造されていく様の克明な論証が、事件のポイントと映った。(気がつけば16:10)
(5)罪状認否
加藤弁護士が、被告に代わって否認。
(6)公訴棄却申し立てのための証拠の申請(猿田弁護士)
書証,物,人証。検察から異議申し立てがあったが、裁判長が却下。
「人証」が「仮名」であることに、裁判長から「正式書類」と認められない、と指摘。
加藤弁護士から、「早い段階で名前を出すと圧力がかかる現実の恐れがある」と説明。
裁判長は「提出した書類は受理するが、早く正式のものを出してください」。
(7)検察の冒頭陳述
主に藤田氏が卒業式を妨害する意図を持って臨んだこと、制止に抵抗し混乱させたことを強調する内容。
(8)検察側の証拠の不同意。
裁判長の問いかけに、60.61.23.24.25の鯨岡ICレコーダに関する部分を申し立て。
(9)次回の確認。
5月12日(木)13:30~地裁104号法廷。
その前に、4月27日(水)に進行協議。
終わったのは、16:45になっていた。
5,記者会見引き続き報告集会
弁護団および本人から説明と意見表明。
罪状認否に関わる質問が2件。カメラは5台。
報告集会では、傍聴にかけつけた鎌田慧氏が会場から、
「永山則夫事件・三里塚事件など刑事裁判もずいぶん傍聴してきたが、今回のような警備は初めて。無罪判決は当然でも、プロセスで異常状態が既成事実化されては勝利とは言えない。思想裁判として闘ってほしい。藤田氏はこれくらいのことでへこたれる玉ではないから、代表選手としてがんばってほしい」との、発言。
全部終了して18:00。
傍聴もグッタリ疲れる。まして、ご本人・弁護団の皆さんにはお疲れ様でした。
(間違いや不足のところは、どなたか補ってください)
説得力ある公訴棄却の申し立て~おまえはもう死んでいる
1,入り口で傍聴券配布
ネット上に、東京地裁が「傍聴券を交付する事件の予定について」(リンク)と、公表している。
このブログの「■公判日程と集会のご案内」でも、アドレスを紹介しており、「抽選1:10」と記載されていたのだが、数日前に「先着順」に変更されていたのだそうだ。(直前までチェックを入れる必要性を痛感!フェイントかけるな裁判所!)
その結果、12:50には84枚の傍聴券が出払ってしまった(マスコミ用12席)。
それ以降到着された方には、申し訳ないことになった。せっかく時間のやりくりをして出向いていただいたのに傍聴できなかった方が数十名出た模様。
2,傍聴席に入廷するまで
すごすごお帰りになった方も地獄だったが、中に入れた方にも地獄が待っていた。異常とも言えるセキュリティチェック。
①玄関前で、通常の手荷物チェック。
②104号法廷入り口で、メモ以外の手荷物の取り上げ。
③法廷前廊下で、金属探知機と触診で、全身をチェック(女性も男の係官に)。
ここに居並ぶ係官は、ゆうに20人を超える。
さらに13:10頃には廊下まで入れたが、法廷の扉は閉ざされたまま。開廷時刻の13:30になっても入れない。抗議と説明を求める声があがると、「中で検察団と弁護団が打ち合わせ中」と、理由にならない説明。狭い廊下に30分もたちっぱなしで待たされ、13:40にようやく扉が開かれた。
傍聴人は、クズじゃないぞ。公開の裁判に主権者の権利を行使しているのに、なぜこんな仕打ちを受けなければならないのか。
3,開廷冒頭に、弁護団から過剰警備に抗議。
中に入ると、既に裁判官・検事団・弁護団が勢揃いしている。
会場には6人の係官が目を光らせるという、異様な雰囲気。
弁護団から、傍聴人の入場が遅れたことについて、裁判官に説明を求める。
裁判長は「訴訟指揮。事前に知らせてある。見解の相違。」という木で鼻をくくったような返答。さらに傍聴席に向かって「広い法廷で静かに聞いてもらうための措置。裁判長の指示に従わなければ、次回以降狭い法廷になることもありうる。」と、一発恫喝が入る。そうか、裁判長は、傍聴人の大半は被告の味方、傍聴席で騒ぎかねない輩、との先入観を持っていたのか。何を根拠に?裁判長が「予断」を持って公判に臨むとは。
ちなみに裁判長は村瀬均、左陪審杉山正明、右陪審永井健一。検察は6人(山田信二、鈴木祐治、広田能英、石島正貴、杉原隆之)だが本日出席は4人。弁護団は、尾山宏団長を筆頭に、澤藤統一郎、加藤分也、大山勇一ら17名の布陣。
4,審理の内容(とてもメモしきれないので、流れだけ)
(1)被告人入廷。人定質問。(淡々と答える)
(2)起訴状朗読。検察官が、12月3日付けのものをそのまま朗読。ネットで読めます。<リンク>
(3)求釈明
①小沢弁護士から、喧噪状態の特定、威力の範囲の特定、遂行業務の妨害の内容など、訴因の特定に関わる基本的事項を10数項目にわたり、釈明要求。
②求釈明に対する検察側の説明。
③弁護士からの再質問。
④裁判官の判断。「訴因は他と区別できればよい。すべての記載は必要ない。攻撃防御は立証段階でやればよい」
⑤弁護士から異議申し立て。
⑥裁判長、却下。
⑦弁護士から再度補充異議申し立て。
⑧裁判官、発言は認めるが、採用せず。
(4)公訴棄却の申し立て。
①被告本人から、公訴棄却を求める意見陳述。<リンク>
〔ここで休憩〕既に1時間経過して、14:45。再開は、15:10。
②弁護団の申し立て。冒頭に尾山弁護団長から。
「弁護士歴50年。無罪率8割。なぜかというと、公安・労働など政治が関わると無理した起訴が多い証拠。今この国は民主主義の危機。異常に慣れてしまうとますます危険。裁判所には憲法感覚を磨かれて判断していただきたい。」
③引き続き、田場、大山、津田と、若手弁護士が次々と、「申立書」を朗読。
(ここが本日のハイライトと思うが、内容が豊富すぎて再現は困難)
・この事件の本質とねらい・経過とTBS取材・公訴権濫用について・根拠のない起訴・判例から・10.23以降の都教委の異常な準備・都議会一部マスコミの結託・異常な捜査・都教委の政策の一貫性のなさ・都議会の後押し・不公平な起訴、などの項目。
とりわけて、式内で罵声をあげ、携帯で写真を撮った土屋敬之都議の、式への介入と影響の大きさと、それを捜査もしない不公平な起訴。
式直後は、土屋都議も「立派な式」といい、派遣指導主事も「式に影響が出なくて良かったね」との言葉、校長も産経新聞のインタビューに「警察を呼ぶつもりはなかった」と言っていたものを、2週間もたってから「被害届」を出したことの不可思議さ。その間の3/16の土屋都議の都議会質問から「事件」がねつ造されていく様の克明な論証が、事件のポイントと映った。(気がつけば16:10)
(5)罪状認否
加藤弁護士が、被告に代わって否認。
(6)公訴棄却申し立てのための証拠の申請(猿田弁護士)
書証,物,人証。検察から異議申し立てがあったが、裁判長が却下。
「人証」が「仮名」であることに、裁判長から「正式書類」と認められない、と指摘。
加藤弁護士から、「早い段階で名前を出すと圧力がかかる現実の恐れがある」と説明。
裁判長は「提出した書類は受理するが、早く正式のものを出してください」。
(7)検察の冒頭陳述
主に藤田氏が卒業式を妨害する意図を持って臨んだこと、制止に抵抗し混乱させたことを強調する内容。
(8)検察側の証拠の不同意。
裁判長の問いかけに、60.61.23.24.25の鯨岡ICレコーダに関する部分を申し立て。
(9)次回の確認。
5月12日(木)13:30~地裁104号法廷。
その前に、4月27日(水)に進行協議。
終わったのは、16:45になっていた。
5,記者会見引き続き報告集会
弁護団および本人から説明と意見表明。
罪状認否に関わる質問が2件。カメラは5台。
報告集会では、傍聴にかけつけた鎌田慧氏が会場から、
「永山則夫事件・三里塚事件など刑事裁判もずいぶん傍聴してきたが、今回のような警備は初めて。無罪判決は当然でも、プロセスで異常状態が既成事実化されては勝利とは言えない。思想裁判として闘ってほしい。藤田氏はこれくらいのことでへこたれる玉ではないから、代表選手としてがんばってほしい」との、発言。
全部終了して18:00。
傍聴もグッタリ疲れる。まして、ご本人・弁護団の皆さんにはお疲れ様でした。
(間違いや不足のところは、どなたか補ってください)
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