パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

田中さんの今年5回目の再発防止研修報告

2016年10月18日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  『「君が代」解雇をさせない会ニュース』から
 ◆ 不当な再発防止研修 今年も繰り返し5回目!


 今春、「君が代」不起立・不入場で処分された教職員は4名。そのうち石神井特別支援学校の田中聡史さんは、今回も2012年最高裁判決に違反した減給1月処分を受けました。減給1月はこれで実に7回目になります!
 更に「服務事故再発防止研修」という名の思想転向攻撃が、今年度もすでに5回も繰り返されています。その上今年度、田中さんだけは、すべての「研修」が都の研修センターで午前中に行われたため(これまでは1回目と最終回だけが研修センターで、他は都教委が学校にやってきての「研修」だった)、授業や校外学習などの行事に支障が出ました。日時を変えてほしいとの要望も聞き入れられませんでした。
 以下、田中さんからの9月にあった5回目の報告です。


田中聡史
 9月15日、午前9時から11時まで、水道橋の東京都教職員研修センターで、私の今年3月の卒業式での不起立を理由にした減給10分の1・1か月の処分にともなう「服務事故再発防止研修」の5回目が行われた。
 今回の研修は今年度最後の「再発防止研修」として、教育経営課長による「服務指導」、「受講報告書」の作成、研修部長室での「研修報告」と「訓話」という内容だった。
 「服務指導」では、
   「所属校の教育目標は?」
   「教育目標のもとでどのような気持ちで職務に臨んでいる?」
   「今回の処分理由は?」
   「職務命令違反について、公務員としてあってはならないという意識は?」
   「公務員としての責務はどのように考えている?」
   「校長の職務命令についてどのようにすべきだった?」
 等の質問が、教育経営課長から私に対して、口頭であった。
 教育経営課長は、それらの□頭での質問に続いて
   「児童生徒は教員の姿から学ぶ。」
   「起立した姿を見せること自体が大切な指導。」
   「教師が範を示すことか大切な指導。」
   「起立斉唱は慣例上の儀礼的所作。」
   「職務遂行の際には個人的思想を理由にした命令違反は許されない。」
 等の「指導」をした。
 これらの「指導」の言葉は今年度の5回の「再発防止研修」で毎回、研修の講師や司会者によって繰り返されている。この繰り返しは昨年度も一昨年度も同様である。
 また、「受講報告書」では、「下の項目について、これまでの研修内容を踏まえ、あなたの所感を簡潔にまとめなさい。」として
   「1.地方公務員法に関すること。」
   「2.適正な教育課程の実施に関すること。」
   「3.今回の服務事故の内容に関すること。」
   「4.自分自身の課題に関すること」
   「5.今後の取り組みに関すること。」
   「6.その他」
 に記述を求められ、
 「以下の項目について、レ点を付ながら研修の振り返りをしてください。」として、
   「自分の起こした服務事故について、どのような法令に触れるのかが理解できた。」
   「教育公務員として学習指導要領に基づいて指導しなければならないことか理解できた。」
   「国旗国歌の指導については、教師自ら範を示すことが大切であることが理解できた。」
   「今後、服務事故を起こさないために、校長の職務命令に従うべきであることが理解できた。」
   「今回の研修を通して、二度と服務事故を起こさないという決意ができた。」
 6項目にチェックを求められた。
 私はこれらのチェックを拒否した。

 最後の研修部長の「訓話」では、研修部長が私に如して
   「処分の理由は?」
   「研修で理解できたことは?」
   「教育公務員の服務については?」
 等のロ頭での質問に始まり、
   「入学式卒業式の起立斉唱命令については、2011年6月の最高裁判決でも、憲法19条に違反するとは言えない、としている。」
   「今後、どのように職務遂行をしていくのか?」
   「最高裁判決の国旗国歌の意義・責務について、改めて理解をし、黄務を果たしていただきたい。」
 等の「訓話」があった。

 彼らは常々、最高裁判決や様々な判例を引用して、起立剤昌命令と不起立者に対する処分の正当性を言い募るが、2004年の「自己の思想、信条に反すると表明する者に対して、何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさぜようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生ずる可能陛があるといわなければならない。」という東京地裁決定や、2006年の「本件通達及びこれに関する被告都教委の一運の指導等は、教育基本法10条に反し、憲法19条の思想・良心の自由に対し、公共の福祉の観点から許容された制約の範囲を超えているというべきであって、これにより、原告ら教職員が、都立学校の入学式、卒業式等の式典において、国歌斉唱の際に、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務、ビアノ伴奏をする義務を負うものと解することはできない。」「本件通達及びこれに基づく各校長の原告ら教職員に対する職務命令は違法であると判断した次第である。」という東京地裁判決については、全く無視している。
 このような態度は我田引水でしかない。彼らは、研修の中で、「地方公務員法や学習指導要領を遵守せよ。」「教師が範を示すことか大切な指導。」と繰り返し言う。しかし、自分たちに都合の悪い判例や決定は無視している。これではダブルスタンダードであり、このような研修で相手を説得できる訳はない。教育行政に携わるものは、このような態度を慎むべきである。
 『河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会ニュース no.58』(2016年10月5日)
コメント    この記事についてブログを書く
« 稲田朋美と在特会の蜜月を高... | トップ | 国籍は一つ、日本籍に限る、... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日の丸・君が代関連ニュース」カテゴリの最新記事