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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ハンセン病国賠訴訟原告団が、「罰則付きの感染症法改正案」与野党合意に反対の意見書

2021年01月30日 | 平和憲法
2021年1月29日

 内閣総理大臣 菅 義偉  殿
 厚生労働大臣 田村憲久  殿
〒893-0031 鹿児島県鹿屋市川東町7078?8 
ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会 
会長  志村 康
事務局長  竪山 勲

◎ 感染症法改正に関する再度の意見表明

 報道によれば、今般の感染症法改正問題につき、刑事罰の規定を削除して行政罰の過料とする方向で与野党が合意したとのことです。
 わたしたち全原協は、1月22日付けで、感染症法改正により患者・感染者を処罰の対象とすることに反対の意見を表明しました。これは刑事罰であろうと行政罰であろうと同じことです
 わたしたちは、患者・感染者を過料の対象とすることに断固として反対いたします。
 入院の強制は、患者の自己決定権の制限であり、積極的疫学調査への協力義務はプライバシー権の制限です。
 この制限に服さないものに対して過料を科すことは、患者・感染者を、人権が制限されるべきものと社会的に位置づけることにほかなりません。
 長年にわたってハンセン病隔離政策による人権侵害に苦しんできたわたしたちは、このことを絶対に許すことができません。
 この間、様々な団体から、患者・感染者を処罰の対象とすることに対する反対意見が表明されています。そのなかには、公衆衛生の専門家団体の意見も含まれています。
 この感染症法改正の審議においては、患者・感染者を処罰の対象とすることが感染症蔓延防止という観点から果たして有効なものかどうか、専門家が参考人として意見を述べることになろうかと思います。
 しかし、それだけでは足りません。
 法律が作り出した差別・偏見で苦しんできたわたしたちを、参考人として国会に呼んでください。わたしたちに、国会で、この問題に関する意見を述べさせてください。
 各団体の意見書、声明には、ほぼ共通して、「……我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である」という感染症法の前文が引用されています。
 政府は、ハンセン病問題から何を学んできたのでしょうか。
 これまで学んでこなかったのであれば、いまこそ、学んでください。いま学ばずして、いつ学びますか
 患者・感染者を処罰の対象として、社会にいいことなどひとつもありません。
 改めて、患者・感染者に対する処罰規定の白紙撤回を強く求めます。
以上


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