パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 根津公子の都教委傍聴記(2024年6月13日)

2024年06月15日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

 ★ 2件の報告は、都教委の「成果」を報告するがため?

 今日の議題は、公開報告

①昨年度の中学校スピーキングテストの実施状況について、
②児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口実績について。

 非公開議題は、

懲戒処分についての報告と議案(議案になるのは重い処分が想定される場合)でした。

 ①昨年度の中学校スピーキングテストの実施状況について

 スピーキングテストを議題にしたのは、2月15日、4月24日の定例会に続き今回が3回目でした。
 2月の報告は、平均スコアが65.2(22年度は60.5)%と良くなった、良くなったのは、中学校での取組が進んだことと子どもたちの意欲向上によるものだと。
 ただ、機器の不具合、イヤーマフ・イヤホンの装置関連、現場対応の誤りなどがあり60人の生徒に支障が生じた。その生徒に対し「説明・謝罪の上、希望者に対し、再度の受験機会を設定する」というものでした。
 4月24日の報告は、出題のねらい、出題形式、評価の観点とその達成度(良くなった)についてでした。

 さて今日の報告は、昨年度実施の1,2年生用試験問題及び解答例を示したうえで、評価の観点と実際に生徒たちが得た評価(3段階評価)の結果でした。
 「目標とするレベルを超えている」「目標とするレベルにある」が1年生で86.2%、2年生で73.5%。生徒一人ひとりの結果を学校に送り、教員が指導改善に役立てるようにしたいとのことでした。

 これまでも度々お伝えしてきましたが、このスピーキングテストは、解答する隣の人の声が聞こえてしまうとか、採点・加点方法について、当事者である中学生を含む大勢の人たちから中止を求める声があがり続けてきました。
 そうした中、教育委員から2月15日には「達成度が向上してよかった。現場の指導にフィードバックするようにしたい」と、今日は「大きなトラブルもなくよかった。授業改善や家庭学習に役立てていってほしい」(どちらも要旨)と発言がありました。
 教育委員が「成果」を強調する発言をすることで、中止を求める人たちを説得するつもりなのか、はたまた、成績が向上しているのに中止を求めるとはけしからんということなのかと疑念を持たざるを得ませんでした。

 ②児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口実績について

 2022年度から始めた相談窓口(電話・メールでの相談、全児童・生徒に配布した相談シートを使っての相談:相談シートは子どもが記入し糊付けすれば、都教委に郵送される)。
 23年度は相談シートに「傷つく言葉を言われた」等の項目を追加した結果、相談件数は1011件と前年度比4倍に増加したと言います。

 相談の内訳は、「教職員による性暴力等が疑われる相談」が28件、うち、事実が認められたもの2件(2件とも懲戒免職にした)、事実が認められなかったもの16件(誤解を招く行動をしないよう注意喚起)、調査を継続しているもの5件ほか。

 「教職員の指導に関する相談」は580件、うち、事実が認められたもの167件、事実が認められなかったもの143件、(加害者や相談者が特定できない等)事実確認が困難だったもの270件。

 「児童・生徒同士のトラブルが疑われる相談」が255件で、うち、トラブルが認められたもの137件…と続きます。

 相談窓口が子どもたちに周知されたことで相談件数が4倍になったのは確かでしょう。しかし、都教委がそれを「実績」として誇ることには違和感があります
 指導に問題があるとして寄せられた相談の多さを深刻に受け止めるべきです

 なぜ、私がそう言うのか――。
 指示命令で教員を管理支配する都の教育行政。それによって働き辛い学校職場となり、病休者(とりわけ精神疾患)が多くなっている、さらには、刑法に抵触する犯罪行為が多発している(注)と私は感じてきました。
 教員が意欲を持って働くことのできる職場環境にするには、都教委が管理支配を止め、かつてのように学校現場に任せること、教育への介入を止めることです。

 (注) 都教委定例会の議題に教職員の懲戒処分案件・報告がないことはまずありません。都教委HPを見ると、直近の5月の懲戒処分は7件、最も重い案件は「駅構内のエスカレーターにおいて、スマートフォンを使用して、前方にいた女性のスカート内の下着等を動画撮影するなどしたという行為で懲戒免職。高校主幹教諭(副校長のすぐ下の中間管理職)、45歳」。

『レイバーネット日本』(2024-06-13)
http://www.labornetjp.org/news/2024/0613nezu2


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