パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

あしなが育英会全国大会

2008年10月26日 | 格差社会
あしなが育英会とは、病気や災害、自死(自殺)で親を亡くした子どもたちを物心両面で支える民間非営利団体です。

 政治家は議席を世襲、母子家庭は貧困を世襲 許すな!
 高校・大学の授業料免除、遺族年金の支給延長など要求


 ■ 第20回遺児と母親の全国大会
大会会長  青 山 睦 紀
(広島大3年・あしなが育英会大学奨学生)

 私は、高校1年生のときに父を亡くし、深い悲しみと貧しさに襲われながらも、あしなが育英会や周りの人たちのおかげで大学に進学することができました。自分と同じように苦しんでいる日本や世界中の遺児の力になりたいと思い活動してきました。
 昨年1年間は、2004年の大津波の被害が大きかったインドネシア・バンダアチェで研修を行ってきました。被災地の貧しい生活を見て「日本は恵まれている」そう思って帰ってきた私は、今年の2月に行われた遺児母子家庭の緊急調査結果を見て衝撃を受けました。
 豊かだと信じていた日本で、物価高騰により8割もの人の生活が苦しくなり、必死で働いても子どもを学校に行かせられず、自分の無力さに、「毎日死ぬことばかり考えている」という声
 私が家庭訪問したお母さんは、自殺で夫を亡くし、仕事のストレスで白髪になり、うつ病になり、それでも子どものために必死で働いていました。アンケート以上に悲惨な現実を目の当たりにしました。

 夏に行われた遺児の「つどい」では代表として、日本中の遺児大学生・高校生たちに「たとえ親がいなくてお金がなくても夢をあきらめないでほしい」と伝え、彼らは「将来の夢に向けて頑張る」と口々に語ってくれました。
 しかし、実際にはつどいに来た高校生の7割が進学を諦めていました。「このままでは遺児母子家庭がずっと貧困から抜け出せなくなってしまう。痛みを知っている私たちが訴えなければ…」。居ても立ってもいられず、今回の緊急調査を行いました。同時に全国の遺児学生に呼びかけ、のべ600人で200の遺児母子家庭に訪問調査をおこない、お母さんの生の声を聞いてきました。

 9月1日。福田首相が突然退陣。解散総選挙が行われる見込みとなり、「今訴えなければ遺児母子家庭は永遠に見捨てられてしまう」と全国の遺児学生とともに政治に訴えることを決断しました。
 この現実に目を向けてください。

要 望 項 目

<要望1>
 次世代への貧困の連鎖を断ち切ってください。そのための本格的な取組を切望します。子どもの教育や就労を支援する施策を統一的、一元的に推進するため、行政組織の再編、例えばイギリスの「子ども・学校・家庭省」のような体制の整備と、関連予算の大幅な拡充を求めます。
 また、遺児母子家庭の相談窓口となる「教育・就労・福祉テラス」のようなワン・ストップ・サービスの仕組みを全国津々浦々に整備してください。

<要望2>
 教育の機会均等が保障されるよう、遺児母子家庭など貧困世帯の子どもへの高校奨学金制度を充実してください
 日本学生支援機構の高校奨学金制度は、平成17年度高校入学生を対象とする事業から都道府県に移管され、その運用は各自治体に任されるようになりました。そのため、都道府県によって貸与金額、採用人数、採用条件などが異なるという事態が生じています。政府は、全国の高校奨学金制度の実態を調査し、教育の機会均等を保障するはずの奨学金の機能が弱体化するのを防止してください。

 ① 都道府県の高校奨学金制度については、平成16年度以前の日本育英会の奨学金規程と同程度の基準により、全国統一の運用にしてください。
 ② 父母の連帯保証人に加えて別生計の保証人を要求する制度(群馬、新潟、静岡など多数)を改め、連帯保証人だけで貸与等ができるようにしてください。
 ③ あしなが育英会など民間の奨学金との併用を認めない運用(青森、東京、岡山など多数)が見られますが、その制約を撤廃してください。
 ④ 採用に当たり高い学力水準を要求する運用(北海道、静岡、佐賀など多数)が見られますが、生活保護基準以下の世帯の生徒には、学力を問わず、全員を採用してください。

<要望3>
 生活保護基準以下の遺児母子世帯など貧困世帯の子どもに係る高校、大学の授業料等について、公的支援を強化してください。
 ① 高校・大学の授業料は、全額免除してください。
 ② 高校卒業時、大学などへの進学のための一時金(進学支度金)制度を公的資金で新設してください。

<要望4>
 母子家庭世帯の生計を支えている遺族年金や児童扶養手当について、現行制度では、高校卒業時(18歳到達後の年度末)で支給が打ち切られてしまいます。遺族年金や児童扶養手当の支給期間を大学や専門学校卒業時まで延長してください。

<要望5>
 国、都道府県及び市町村(東京都23区を含む)は、その職員の1パーセントを遺児などの母子家庭の母親から採用してください。遺児母子家庭の母を行政サービスの対象としてではなく、地域における福祉行政の担い手として活用してください。国は、こうした「1パーセント・ルール」の普及と定着のために、率先して尽力してください。


 ■ 5日(日)全国から300人の遺児母子が訴え 第20回遺児と母親の全国大会を開催

 ■ 第20回遺児と母親の全国大会 =遺児母子300人が各党代表に直訴=


 第20回遺児と母親の全国大会実行委員会などの主催で、10月5日(日)に星陵会館(千代田区)で「第20回遺児と母親の全国大会」を開催します。全国から300人の遺児母子が集まり、各党代表に遺児母子世帯の生活保障と遺児の教育支援などを訴えます。

 大会実行委員会とあしなが育英会が実施した「遺児母子家庭緊急調査」では、この半年間に物価高などで母子家庭の生活が「苦しくなった」が9割、母の月給は4人に1人が「下がった」と回答。①生活苦、②収入減、③仕事に悪影響、④遺児の進学に影響、⑤病気の“五重苦”にあえぐ実態が浮き彫りになりました。「肉が買えない。子どもにお肉を思いっきり食べさせたい」(大阪・44歳)、「食材の安全性を考慮しなくなった。体に悪いものも食べなくては生きていけない」(千葉・51歳)、「風呂の残り湯は、洗濯だけじゃなく、トイレにも利用している」(佐賀・55歳)などの極貧生活です。
 「痛みを肌で知っている私たちが訴えなければ…」と全国の遺児学生が立ち上がり、17年ぶりに遺児と母親の全国大会を実施し、政治や社会に訴えることになりました。

 厚生労働省の調査では、母子家庭は122万5千世帯で、その子どもの数は194万人にのぼります。母子家庭の親を支援し、遺児らに教育を受ける機会を与え、子どもを立派に成長させ、次世代への貧困の世襲を断ち切ることこそ、政府が担うべき役割、政治が果たすべき使命です。そのための施策を実施していくことが、社会全体の活力を高めることにつながると考えます。

 大会終了後には、スローガンの書かれた「むしろ旗」などを掲げて銀座でデモ行進をして訴えます。
 ・日時 10月5日(日)11時~13時
 ・場所 星陵会館ホール 千代田区永田町2-16-2
 ・各党代表
  自民党=中川雅治・参院文教科学委員長、
  民主党=野田佳彦・広報委員長、
  公明党=高木美智代・女性委員会副委員長、
  共産党=吉川春子・前参議院議員、
  社民党=日森文尋・国会対策委員長、
  国民新党=齋藤豊・事務局長
 ・プログラム 大会会長あいさつ、遺児代表・母親代表の訴え、要望案採択、各党代表の回答など

 ■ 銀座をデモ行進 =大会終了後、300人で「むしろ旗」やプラカードを持って訴え=
 ・日時 10月5日(日)14時~15時
 ・ルート 水谷橋公園(銀座1-12-6)→西銀座→外堀通り→数寄屋橋→内幸町→日比谷公園

 ■ 貧困にあえぐ遺児の母親の座談会 =全国各地から母親24人が集まり、「生の声」を語り合う=
 ・日時 10月4日(土)15時~18時
 ・場所 九段会館 327号室 千代田区九段南1-6-5
 ・進行 樽川典子・筑波大学大学院社会科学研究科准教授ほか

〈お問い合わせ先〉
あしなが育英会   東京都千代田区平河町1-6-8 平河町貝坂ビル3階 電話(03)3221-0888

『あしなが育英会』
http://www.ashinaga.org/main7_5_1.php

コメント    この記事についてブログを書く
« 反貧困世直し一揆大集会 | トップ | 予防訴訟控訴審傍聴者の感想 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

格差社会」カテゴリの最新記事