《沖縄から米軍基地をなくす草の根運動》
◆ 主権者として変えていこうよ!
あまりに危険な『日米同盟』
図1 防衛省の資料を基に作成
桜が咲き、南風が吹く日も多くなりました。でも、私にとっては憂欝、わが家の上を飛ぶ大型旅客機の大爆音。私は幼児時代の戦争体験から今なお、サイレンと飛行機の爆音は怖い・・。私の家は原宿です。
◆ 大型旅客機の大爆音がひっきりなしに!!
写真①(ベランダから撮影した旅客機)は、わが家のベランダから私がスマホで撮った写真。
そして、写真②(旅客機から撮影した原宿)は、その旅客機からわが家の方を見下ろしてとった写真(これは私の息子が撮ったもの)。明治神宮・代々木体育館などが見えますね。
過密都市の真上を巨大旅客機が低空で、山手線よりはるかに短い間隔で飛んでいるのです。これが、オリンピックのためと称して設けられた「羽田新ルート」です。
◆ なぜこんなことが?
それは、東京に米軍横田基地が居座り、そこを中心として、巨大な空の壁があって、そこには日本の旅客機が入れないから。図1は、その空の壁・「横田空域」を示すもの。
日本の領土内(しかも首都圏)の上空なのに、その空域を自由に飛行できるのは米軍機だけ、管制するのは「在日米軍」。
関東に南風が吹くときには、この一都九県に亘る広大な空域(高度も7000M以上)を避けて、旅客機は羽田空港を目指さねばなりません。日本の領土空域を他国・アメリカが完全に支配しているのです。
しかも、わが家の上空は、大型旅客機ばかりでなく、旅客機のはるか下の超低空を、毎日米軍ヘリが飛びます。
普天間基地や横田基地に配備された危険なオスプレイの飛行訓練高度は、なんと平均60M。
日本全国どこでもいいのです。それは、米軍については、日本の航空法の中の高度などを守るべき安全基準条項がすっぽり「適用除外」となっているからです。
これっておかしくありませんか?
◆ おかしいことは、たくさんある!
本来主権国家は、出入国を管理しますよね。外国から来る人は、国際空港でパスポートやビザをチェック、検疫も行ってコロナなどの感染症が流入しないように、今や各国も厳重に水際対策をやっています。
外国人がどこに何人いるかも把握しておかねばなりません。日本も厳重にやっているはず?
でもアメリカ人だけは例外。
日本のどこに何人いるか、全く把握できていません。
それは、米軍基地に軍用機で入ってくる米軍兵士や軍属などは、日本の出入国管理局のチェックは全く及ばず、出入り自由。コロナ感染者が入ってきても、日本は検疫も隔離もできない、全く手も口も出せない。
米軍関係者には、日本の旅券法は「適用除外」だからです。
裁判権という国家主権の中でも最も基本的なものさえ、奪われあるいは密約の中に押し込められ、米軍基地は事実上の治外法権です。
◆ 「日米安保」と「日米地位協定」
その根源こそ「日米安保条約」とこれに基づく「日米地位協定」です。
旧「日米安保条約」は、敗戦により占領されていたアメリカから独立するために結んだサンフランシスコ講和条約と同時に締結。
ポツダム宣言では、独立したら、占領軍は直ちに撤退しなければならないことになっていましたが、アメリカは、占領時の米軍基地をそのまま居座らせるために、旧安保条約を一緒に締結させたのです。
アメリカの望むだけの兵力を、望む場所に、望む期間、駐留させるためでした。
1960年に安倍前首相の祖父・岸内閣の時、改定されて現行安保条約となりましたが、基本は変わりません。
むしろ、日本は米軍と「共同防衛」ということで、アメリカの極東の軍事行動に参加すること、「防衛力」の増強義務もアメリカとの経済協力義務も負いました。
◆ どこに どれだけ いつまで
米軍基地は「どこに」「どれだけ」「いつまで」などという特定は一切ないまま、国会の承認も要らず、その自治体の民意も関係なしに、密室の「日米合同委員会」なるもので決めてしまうという「全土基地方式」が引き継がれました。
世界に類例をみないもの。
だから今、沖縄・辺野古に巨大な基地が沖縄県民の意思を無視して作られようとしているのです。
しかも、米軍の占領中と同じような特権的な地位(様々な適用除外条項も含めて)を引き継いだのが、日米地位協定です。
◆ 戦争加害者にさせられている
「米軍が日本をも守っている」と思わされている人は少なくありません。とんでもない。米軍が日本を守ったことなど一度もありません。
ベトナム戦争、イラク戦争・アフガン戦争など、今では、アメリカの侵略戦争であることが明らかになっている戦争のために、私たちの国土にある米軍基地が自由自在に使われました。
憲法9条があったから日本は平和でよかったということは、一面正しいですが、私たちが基地を提供していることで、どれだけのたくさんの世界の人々を殺してしまったかという、加害者にさせられた側面も、見落としてはなりません。
日本は世界的に見ても異常な対米従属国家。主権をとことん侵害されていて、とても真の独立国とは言えません。
◆ どうしたらよいでしょうか?
現行安保条約では、条約を廃棄すると通告すれば、米軍は一年後には撤退しなければなりません。廃棄通告をする政府を作ることができれば意外と簡単。でも、すぐには難しいかもしれませんね。
だから、もっともっと主権侵害の事実を知って、それはおかしいと声を上げ、真の独立国家として、日本国憲法が活きる国にしようととみんなで考えていくことが大切だと思います。
◆ 野党連合政権をつくろう!
まずは、立憲主義を回復して、アメリカと一緒に戦争をするという集団的自衛権を認めた「戦争法」や戦争への道筋を作る「共謀罪」「特定秘密保護法」などをやめさせ、辺野古基地建設を中止し、約束通り普天間基地を返還させて、余りに不平等な日米地位協定を改定することを目指す野党連合政府を作りたいですね。
今年は都議選もありますが、必ず衆議院選挙もあります。
主権者として、その方向をしっかり目指したいと、私は考えております。
(あかしあ法律事務所「あかしあ第16号」から転載)
沖縄から米軍基地をなくす草の根運動『草の根ニュース』(2021年4月28日)
◆ 主権者として変えていこうよ!
あまりに危険な『日米同盟』
草の根運動共同代表 弁護士 平山知子
図1 防衛省の資料を基に作成
桜が咲き、南風が吹く日も多くなりました。でも、私にとっては憂欝、わが家の上を飛ぶ大型旅客機の大爆音。私は幼児時代の戦争体験から今なお、サイレンと飛行機の爆音は怖い・・。私の家は原宿です。
◆ 大型旅客機の大爆音がひっきりなしに!!
写真①(ベランダから撮影した旅客機)は、わが家のベランダから私がスマホで撮った写真。
そして、写真②(旅客機から撮影した原宿)は、その旅客機からわが家の方を見下ろしてとった写真(これは私の息子が撮ったもの)。明治神宮・代々木体育館などが見えますね。
過密都市の真上を巨大旅客機が低空で、山手線よりはるかに短い間隔で飛んでいるのです。これが、オリンピックのためと称して設けられた「羽田新ルート」です。
◆ なぜこんなことが?
それは、東京に米軍横田基地が居座り、そこを中心として、巨大な空の壁があって、そこには日本の旅客機が入れないから。図1は、その空の壁・「横田空域」を示すもの。
日本の領土内(しかも首都圏)の上空なのに、その空域を自由に飛行できるのは米軍機だけ、管制するのは「在日米軍」。
関東に南風が吹くときには、この一都九県に亘る広大な空域(高度も7000M以上)を避けて、旅客機は羽田空港を目指さねばなりません。日本の領土空域を他国・アメリカが完全に支配しているのです。
しかも、わが家の上空は、大型旅客機ばかりでなく、旅客機のはるか下の超低空を、毎日米軍ヘリが飛びます。
普天間基地や横田基地に配備された危険なオスプレイの飛行訓練高度は、なんと平均60M。
日本全国どこでもいいのです。それは、米軍については、日本の航空法の中の高度などを守るべき安全基準条項がすっぽり「適用除外」となっているからです。
これっておかしくありませんか?
◆ おかしいことは、たくさんある!
本来主権国家は、出入国を管理しますよね。外国から来る人は、国際空港でパスポートやビザをチェック、検疫も行ってコロナなどの感染症が流入しないように、今や各国も厳重に水際対策をやっています。
外国人がどこに何人いるかも把握しておかねばなりません。日本も厳重にやっているはず?
でもアメリカ人だけは例外。
日本のどこに何人いるか、全く把握できていません。
それは、米軍基地に軍用機で入ってくる米軍兵士や軍属などは、日本の出入国管理局のチェックは全く及ばず、出入り自由。コロナ感染者が入ってきても、日本は検疫も隔離もできない、全く手も口も出せない。
米軍関係者には、日本の旅券法は「適用除外」だからです。
裁判権という国家主権の中でも最も基本的なものさえ、奪われあるいは密約の中に押し込められ、米軍基地は事実上の治外法権です。
◆ 「日米安保」と「日米地位協定」
その根源こそ「日米安保条約」とこれに基づく「日米地位協定」です。
旧「日米安保条約」は、敗戦により占領されていたアメリカから独立するために結んだサンフランシスコ講和条約と同時に締結。
ポツダム宣言では、独立したら、占領軍は直ちに撤退しなければならないことになっていましたが、アメリカは、占領時の米軍基地をそのまま居座らせるために、旧安保条約を一緒に締結させたのです。
アメリカの望むだけの兵力を、望む場所に、望む期間、駐留させるためでした。
1960年に安倍前首相の祖父・岸内閣の時、改定されて現行安保条約となりましたが、基本は変わりません。
むしろ、日本は米軍と「共同防衛」ということで、アメリカの極東の軍事行動に参加すること、「防衛力」の増強義務もアメリカとの経済協力義務も負いました。
◆ どこに どれだけ いつまで
米軍基地は「どこに」「どれだけ」「いつまで」などという特定は一切ないまま、国会の承認も要らず、その自治体の民意も関係なしに、密室の「日米合同委員会」なるもので決めてしまうという「全土基地方式」が引き継がれました。
世界に類例をみないもの。
だから今、沖縄・辺野古に巨大な基地が沖縄県民の意思を無視して作られようとしているのです。
しかも、米軍の占領中と同じような特権的な地位(様々な適用除外条項も含めて)を引き継いだのが、日米地位協定です。
◆ 戦争加害者にさせられている
「米軍が日本をも守っている」と思わされている人は少なくありません。とんでもない。米軍が日本を守ったことなど一度もありません。
ベトナム戦争、イラク戦争・アフガン戦争など、今では、アメリカの侵略戦争であることが明らかになっている戦争のために、私たちの国土にある米軍基地が自由自在に使われました。
憲法9条があったから日本は平和でよかったということは、一面正しいですが、私たちが基地を提供していることで、どれだけのたくさんの世界の人々を殺してしまったかという、加害者にさせられた側面も、見落としてはなりません。
日本は世界的に見ても異常な対米従属国家。主権をとことん侵害されていて、とても真の独立国とは言えません。
◆ どうしたらよいでしょうか?
現行安保条約では、条約を廃棄すると通告すれば、米軍は一年後には撤退しなければなりません。廃棄通告をする政府を作ることができれば意外と簡単。でも、すぐには難しいかもしれませんね。
だから、もっともっと主権侵害の事実を知って、それはおかしいと声を上げ、真の独立国家として、日本国憲法が活きる国にしようととみんなで考えていくことが大切だと思います。
◆ 野党連合政権をつくろう!
まずは、立憲主義を回復して、アメリカと一緒に戦争をするという集団的自衛権を認めた「戦争法」や戦争への道筋を作る「共謀罪」「特定秘密保護法」などをやめさせ、辺野古基地建設を中止し、約束通り普天間基地を返還させて、余りに不平等な日米地位協定を改定することを目指す野党連合政府を作りたいですね。
今年は都議選もありますが、必ず衆議院選挙もあります。
主権者として、その方向をしっかり目指したいと、私は考えております。
(あかしあ法律事務所「あかしあ第16号」から転載)
沖縄から米軍基地をなくす草の根運動『草の根ニュース』(2021年4月28日)
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