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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

連載:「国旗」をデザインしてみたら(3)

2008年09月25日 | 人権
 <シリーズ あの時> 
☆ 「国旗」をデザインしてみたら(3)

遠藤 勝

 「『富士山,サクラ,ツル,ハト』。東京都内の小学校の図画工作の時間に『もし国旗のデザインが公募されたら,どんなものにしますか』と先生が問いかけ,児童50人が思い思いの国旗を色画用紙を切り張りして作った。日の丸をあしらった図柄が多かったが,日本の自然の豊かさを象徴したものや,日本の形と似ているとタツノオトシゴを描いたものもあった」

 「国旗・国歌法案」が衆議院で可決された翌日,1999年7月23日の朝日新聞(東京本社版・朝刊・社会面)に「私が国旗を描くなら」とのタイトルで,このような文章とともに子どもたちが作った作品の写真が掲載された。
 この記事が掲載されてすぐに,都教委および江戸川区教委と名乗る人物から掲載記事について,朝日新聞広報室に問い合わせがあったが,朝日は回答を断ったそうだ。
 7月29日。都教委は各地区の指導室長・課長を集めての「室・課長会」で調査を指示。翌30日。三鷹市教委は校長会で調査を命じた。うちの校長は,校長会から学校に戻ると早速,夏休みのプール開放に来ていた5・6年生の子どもたちに記事のコピーを見せ,6年生の作品であることを確認した。

 31日。6年生の子どもたち全員が演劇教育研究会にゲストとして舞台出演した折り,学校に帰ってきたところを教頭が新聞の写真の部分を子どもたち全員に見せ,1枚1枚だれの描いた作品なのかを調べ,氏名を記入していった。
 その日の夕方「朝日新聞の写真について,校長が話を聞きたいと言っている。あれは,うちの児童の作品ですか?」と教頭より私に電話が入った。
 その後,「事実関係の確認」と言い張って続けられた校長による事情聴取は,8月から10月までの3か月間の合計7回430分という長時間に渡って行われることとなった。
 一方8月2日以降6回続きの共同通信社・社会部の連載企画「定着してますか日の丸・君が代の今」という特集記事が,北の『室蘭民報』から,南の『沖縄タイムス』『琉球新報』までの25紙に配信された。
 その2回目に私の授業のようすとともに子どもたちの作品写真が掲載された。

 このころ,国会前の座り込みを連日実施していた多摩教組執行部が校長に面会を求め,事情聴取が授業内容に対する介入であるとの抗議とともに,事情聴取に立ち会わせるよう求めた。
 しかし,校長は組合の立会いは一切認めず,教務主任で6年担任でもあった人物を「立会人」に指名し,教頭を記録者として配置した中で,強引に事情聴取を続けた。
 (続)

『ほっととーく 64』より
「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会
〒176-0012 練馬区豊玉北5-17-7-303 サポートねりまねりま全労協気付
郵便振替:00140-6-517545 加入者名:声をあげる市民の会


「シリーズあの時」全8回連載
 過去の記事は、"「国旗」をデザインしてみたら"で、ブログ内検索してみて下さい。

「国旗」をデザインしてみたら(1)<リンク>
「国旗」をデザインしてみたら(2)<リンク>

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