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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

『学校支援センター』記事

2006年03月24日 | 暴走する都教委
『東京新聞』(2006.3.24)朝刊に、「学校経営支援センター」についての、かなり詳しい解説記事が載っている。都教委の意図に対して、現場からの批判もよく取材しており、問題点を分かりやすく指摘している。

都教委 全国初の『学校支援センター』

 東京都教育委員会は四月、都内六カ所に「学校経営支援センター」を設置する。約二百六十の都立高校や養護学校の教育活動に対し、よりきめの細かい支援を行うことを目的としている。高校レベルで教委が出先機関を設けるのは全国でも例がない。ただ、学校現場では日の丸・君が代問題での教職員大量処分に象徴される都教委の締め付けが、さらに強まることを危ぶむ声が上がっている。 (社会部・高橋治子)
          
 センターは西部(立川市)、中部(新宿区)、東部(文京区)の三センターと、各センター支所で構成され、それぞれ約四十五校を担当。「校長のリーダーシップ発揮を支援する」(都教委)として、カリキュラムの管理、人事考課などの本庁業務の一部が移行されるほか、経理のIT化や備品の一括購入といった事務の合理化も担う。

 学校の状況を把握するため、教員出身の指導主事を含む職員七人がチームを組んで学校を月一回訪問し、授業や職員会議を傍聴するという。

 センターのような教委の出先機関としては、義務教育の分野に地方教育事務所がある。だが、高校は“上意下達”の傾向が強い義務教育とは違い、生徒のレベルや校風も各校ごとに異なる。教科書を学校ごとに採択するなど、独立性が尊重されてきた経緯がある。

 このため、都教委の方針に沿わない教育内容への介入を可能にするようなセンターの業務に、現場は反発を強めている。

 都立定時制高校の英語教諭(55)は「授業に専念するため、不満だけれど式典での君が代斉唱時には起立してきた。だが授業内容への介入は生徒との信頼関係にかかわり、許されない」と話す。

 都教委はこれまで、高校への管理を強めてきた経緯がある。一九九七年九月、中高一貫校、チャレンジスクールの創設や、学校の統廃合などの改革推進計画を策定した。

 新宿高校で同月、習熟度授業を行うために教員が増員されながら、全く実施せずに都教委に「実施している」と虚偽報告を続けていた問題が発覚した。都教委は「都立学校等あり方検討委員会」を設置し、それまで校内の最高議決機関とされてきた職員会議を校長の補助機関に位置付けた。

 さらに二〇〇三年夏、七生養護学校の性教育が都議会で問題視されると、教員に週一回の指導計画(週案)の提出を義務づけた。

 こうした都教委のやり方について、元都立高校校長の菅沢茂・東京農工大教授は「長年、学校現場を支配下に置きたがってきた都教委にとって、新宿、七生の事件や石原慎太郎知事の誕生は改革を進めるいいきっかけだった」と話す。その上で、「生徒が伸び伸びと育つためには、先生を締め付け、豊かな教育環境を損なうようなことがあってはならない。センターのあり方には問題がある」と指摘する。

 教育への不当な支配を禁じた教育基本法の改正論議が本格化する中、今後のセンターと学校のあり方を注意深く見守っていく必要がある。


『東京新聞(2006.3.24)朝刊』核心より

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