peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

胆沢郡金ケ崎町のヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)

2010年10月15日 | インポート

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2010年10月14日(木)、胆沢郡金ケ崎町城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区に行ってきました。この地区は何回か見学しているので、この日は花や実の撮影を主にしました。保存地区の中心地にある要害の案内所「白糸まちなみ交流館」(金ケ崎町西根裏小路2-12)の駐車場に車を置いて、付近を散策しました。北上川に架かる金ケ崎橋から100mほどしか離れていない所に「諏訪観光道路入り口」の表示板がありましたが、そこに生えているヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の実が色づきはじめていました。

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ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸) ナス科 ナス属 Solanum lyratum

林の縁などに生えるつる性の多年草。全体に腺毛が多く、葉柄でほかの木などに絡みつく。葉は互生し、長さ3~10㎝の卵形。下部の葉には深い切れ込みがある。茎や葉には柔らかい毛が密生する。8~9月、花のつく枝は葉と対生して柄を伸ばし、直径約1㎝ほどの白い花をまばらにつける。5個の花弁は反り返る。果実は液果で直径8㎜ほどの球形。10~12月頃真っ赤に熟す。和名は、ヒヨドリ(鵯)がこの赤い果実を好んで食べることによる。分布:日本全土。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の野草」&同「山渓ポケット図鑑3・秋の花」より]

http://blog.goo.ne.jp/pea2005/e/f7e7c469de8ab691751f00537434901b [peaの植物図鑑:奥州市江刺区のヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)]

ヒヨドリジョウゴ ナス科:山のつる草だが、都市にも神出鬼没に生える。上戸(じょうご)は酒に強い人。赤く赤く酔ったような実をヒヨドリが好み、運ぶ。佐藤春夫は自身の秋の七種(ななくさ)に「からすうり ひよどりじょうご あかまんま かがり、つりがね、のぎく、みづひき」と。「かがり」はヒガンバナ。茂吉は子規三十三回忌で「われは愛(め)でつ」と詠む。朝日新聞社発行「花おりおり 愛蔵版その四(湯浅浩史・文)」より


胆沢郡金ケ崎神社のイチョウ(銀杏・公孫樹)

2010年10月15日 | 植物図鑑

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2010年10月14日(木)、胆沢郡金ケ崎町城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区に行きました。この保存地区の中心地にある要害の案内所「白糸まちなみ交流館」(金ケ崎町西根裏小路2-12)の駐車場に車を置いて、裏小路~諏訪小路と歩いて金ケ崎神社(旧諏訪神社)に着きました。境内に植えられているイチョウ(銀杏・公孫樹)の木が、黄色く熟した実を沢山つけていました。まだ黄葉にはならず、緑色の葉でしたが、実は触れれば落ちてしまいそうでした。

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金ケ崎神社(旧・諏訪神社):前九年合戦の際、源頼義が諏訪の大神に戦勝祈願をし、勝利したため勧請したと伝えられる。本殿は、桁行3間、梁間2間の3間社流造りで、寛保元年(1741)に造られた。境内から東方(北上川、北上山脈)の眺望は絶景で、天明5年(1785)菅江真澄が当地で「陸奥胆沢郡須輪神社法楽八景和歌」を詠み、神社に奉納している。[ガイドブック「国選定・藩境の緑ゆたかな要害」より]

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イチョウ(銀杏・公孫樹) イチョウ科 イチョウ属 Ginkgo biloba

中国原産の落葉高木で、高さ45m、直径5mぐらいになる。樹皮は灰色で厚く、縦に割れ目ができる。時にといわれる気根がでることがある。化石によると、今から2億年近く前の中生代のジュラ紀にはこの仲間が繁栄していたらしいが、現在ではイチョウだけしか残っていない。日本では室町時代には既に植えられていたといわれ、神社や寺の境内には天然記念物に指定されているような老木や巨木も多い。病虫害や大気汚染に強く、生長も早いため、全国各地にうえられており、公園や街路にもよく植えられている。秋は黄葉が見事。

葉は幅5~7㎝の扇形で中央に切れ込みがあるが、ほとんどないものもある。秋には美しく黄葉する。花期は4月。雌雄別株。雄花は多数の雄しべが集まって、長さ2~3㎝の淡黄色の穂(尾状)になる。雌花は緑色で長い柄の先に裸の胚珠が2個ある。果実(正確には種子)はいわゆるギンナン(銀杏)で、直径約2.5㎝の球形で9月頃黄色に熟す。外側の柔らかい皮(外種皮)は悪臭があり、かぶれることが多い。食べる部分は胚乳で、白くてかたい殻に包まれている。樹皮は火に強く、材は黄白色。用途:公園・街路樹、盆栽、碁盤、将棋盤。

[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」&同「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より]

http://blog.goo.ne.jp/pea2005/s/%A5%A4%A5%C1%A5%E7%A5%A6 [peaの植物図鑑:一関市街地のイチョウ(銀杏・公孫樹)]


金ケ崎城二の丸跡のスズカケノキ(鈴懸の木)

2010年10月15日 | 植物図鑑

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(上)金ケ崎城二の丸跡「諏訪観光道路」という名の散策路がつくられている。

金ケ崎城は、北上川、宿内川沿いに自然の谷を利用して二の丸、蔵館、本丸、東館、観音館、大庭の六つの郭を配し、江戸時代以前から活用されたと考えられる。北上川の浸食が激しく蔵館は消滅し、大庭を除いた他の郭も一部欠損している。大町氏は二の丸で治世にあたった。二の丸は北と西を金堀沢・土塁、南を堀とさらに大庭で区切っていた。特に金堀沢は藩境の要害を今に伝えている。

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2010年10月14日(木)、胆沢郡金ケ崎町城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区に行ってきました。要害の案内所「白糸まちなみ交流館」(金ケ崎町西根裏小路2-12)の駐車場に車を置いて、裏小路~諏訪小路~金ケ崎神社(旧諏訪神社)~金堀沢(かねほりさわ)水系~金ケ崎城二の丸跡~大庭(おおにわ)~白糸まちなみ交流館と歩いてきました。金ケ崎城二の丸跡に植えられているスズカケノキ(鈴懸の木)の高木が、実を沢山つけていました。アメリカヒロシトリにでも食べられたのか、木の上部の葉がほとんどなくなっていました。

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(上左手前の川):矢来水系や金堀沢(かねほりざわ)水系の水が流れ込む宿内川(しゅくないがわ)。この川から更に北上川(右)に流れ込む。

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(上)北上川

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(上)北上川に架かる金ケ崎橋

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スズカケノキ(鈴懸の木) スズカケノキ科 プラタナス(スズカケノキ)属 Platanus orientalis

別名:プラタナス。ヨーロッパ南東部からアジア西部、ヒマラヤにかけて分布する落葉高木で、世界各地に古くから植えられているが、日本には少ない。高さは普通15~20m、大きいものは35mになる。樹皮は剥がれやすく、剥がれた痕が淡緑白色のマダラ模様になる。

葉は互生し、長さも幅も10~20㎝で、掌状に5~7中裂する。托葉は全縁。4~5月、雄花と雌花が別々に(頭状花序をつくる)球形のかたまりになってつく。果実:そう果が多数集まった集合果は、直径3~4㎝の球形で、果軸に3~5個ずつつき、枝から垂れ下がる。柄はない。そう果の先の刺は鋭く尖る。用途:公園・街路樹。

アメリカスズカケノキ Platanus occidentalis:北アメリカ原産の落葉高木。別名:ボタンノキ、プラタナス日本には明治末期に渡来し、街路樹としてよく植えられている。高さは15~20mになるが、原産地では35mになるものがある。樹皮は暗褐色で、縦に割れ目が入るが、大きく剥がれることはほとんどない。葉は長さ7~20㎝、幅8~22㎝の広卵形で掌状に3~5浅裂し、中央裂片が折れ曲がる。托葉の縁には鋸歯がある。葉の切れ込みはスズカケノキよりはるかに浅い。</p> <p>4月頃、雄花と雌花が別々に頭状花序をつくる。果実:そう果が多数集まった集合果は直径3㎝ほどの球形で、枝から果柄に1個ずつ垂れ下がる。そう果の先の刺はあまり尖らない。用途:公園・街路樹。

モミジバスズカケノキ(紅葉葉鈴懸の木)スズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種で、イギリスでつくられたといわれている。スズカケノキの仲間の中では日本で最も多く植えられている。形態は両種の中間に近いものが多い。カエデバスズカケノキ/プラタナスともいう。大きいものは高さ30mになる。樹皮は緑色を帯びた褐色で、大きく剥がれ落ち、白っぽいまだら模様が目立つ。

葉はアメリカスズカケノキに似ているが、葉の切れ込みがアメリカスズカケノキより深く、スズカケノキよりは浅く、中央裂片が折れ曲がることはない。花期は4~5月。果実:集合果は果軸に2~3個、まれに1個か4個つき、枝から垂れ下がる。基部の方の1~2個には短い柄がある。そう果の先の刺は鋭く尖る。スズカケノキの果実には柄がないので区別できる。用途:公園・街路樹。

スズカケノキ、アメリカスズカケノキ、モミジバスズカケノキはいずれもプラタナスと呼ばれ、日本だけでなく、世界各地で街路樹、公園樹として広く植えられている。スズカケノキの仲間は小さな実が多数集まってボール状になっている。このような実の集まりが一つの実のように見えるものを集合果と呼ぶ。

以上、[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」&同「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より]