(上)金ケ崎城二の丸跡「諏訪観光道路」という名の散策路がつくられている。
金ケ崎城は、北上川、宿内川沿いに自然の谷を利用して二の丸、蔵館、本丸、東館、観音館、大庭の六つの郭を配し、江戸時代以前から活用されたと考えられる。北上川の浸食が激しく蔵館は消滅し、大庭を除いた他の郭も一部欠損している。大町氏は二の丸で治世にあたった。二の丸は北と西を金堀沢・土塁、南を堀とさらに大庭で区切っていた。特に金堀沢は藩境の要害を今に伝えている。
2010年10月14日(木)、胆沢郡金ケ崎町城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区に行ってきました。要害の案内所「白糸まちなみ交流館」(金ケ崎町西根裏小路2-12)の駐車場に車を置いて、裏小路~諏訪小路~金ケ崎神社(旧諏訪神社)~金堀沢(かねほりさわ)水系~金ケ崎城二の丸跡~大庭(おおにわ)~白糸まちなみ交流館と歩いてきました。金ケ崎城二の丸跡に植えられているスズカケノキ(鈴懸の木)の高木が、実を沢山つけていました。アメリカヒロシトリにでも食べられたのか、木の上部の葉がほとんどなくなっていました。
(上左手前の川):矢来水系や金堀沢(かねほりざわ)水系の水が流れ込む宿内川(しゅくないがわ)。この川から更に北上川(右)に流れ込む。
(上)北上川
(上)北上川に架かる金ケ崎橋
スズカケノキ(鈴懸の木) スズカケノキ科 プラタナス(スズカケノキ)属 Platanus orientalis
別名:プラタナス。ヨーロッパ南東部からアジア西部、ヒマラヤにかけて分布する落葉高木で、世界各地に古くから植えられているが、日本には少ない。高さは普通15~20m、大きいものは35mになる。樹皮は剥がれやすく、剥がれた痕が淡緑白色のマダラ模様になる。
葉は互生し、長さも幅も10~20㎝で、掌状に5~7中裂する。托葉は全縁。4~5月、雄花と雌花が別々に(頭状花序をつくる)球形のかたまりになってつく。果実:そう果が多数集まった集合果は、直径3~4㎝の球形で、果軸に3~5個ずつつき、枝から垂れ下がる。柄はない。そう果の先の刺は鋭く尖る。用途:公園・街路樹。
アメリカスズカケノキ Platanus occidentalis:北アメリカ原産の落葉高木。別名:ボタンノキ、プラタナス日本には明治末期に渡来し、街路樹としてよく植えられている。高さは15~20mになるが、原産地では35mになるものがある。樹皮は暗褐色で、縦に割れ目が入るが、大きく剥がれることはほとんどない。葉は長さ7~20㎝、幅8~22㎝の広卵形で掌状に3~5浅裂し、中央裂片が折れ曲がる。托葉の縁には鋸歯がある。葉の切れ込みはスズカケノキよりはるかに浅い。</p> <p>4月頃、雄花と雌花が別々に頭状花序をつくる。果実:そう果が多数集まった集合果は直径3㎝ほどの球形で、枝から果柄に1個ずつ垂れ下がる。そう果の先の刺はあまり尖らない。用途:公園・街路樹。
モミジバスズカケノキ(紅葉葉鈴懸の木)スズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種で、イギリスでつくられたといわれている。スズカケノキの仲間の中では日本で最も多く植えられている。形態は両種の中間に近いものが多い。カエデバスズカケノキ/プラタナスともいう。大きいものは高さ30mになる。樹皮は緑色を帯びた褐色で、大きく剥がれ落ち、白っぽいまだら模様が目立つ。
葉はアメリカスズカケノキに似ているが、葉の切れ込みがアメリカスズカケノキより深く、スズカケノキよりは浅く、中央裂片が折れ曲がることはない。花期は4~5月。果実:集合果は果軸に2~3個、まれに1個か4個つき、枝から垂れ下がる。基部の方の1~2個には短い柄がある。そう果の先の刺は鋭く尖る。スズカケノキの果実には柄がないので区別できる。用途:公園・街路樹。
スズカケノキ、アメリカスズカケノキ、モミジバスズカケノキはいずれもプラタナスと呼ばれ、日本だけでなく、世界各地で街路樹、公園樹として広く植えられている。スズカケノキの仲間は小さな実が多数集まってボール状になっている。このような実の集まりが一つの実のように見えるものを集合果と呼ぶ。
以上、[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」&同「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より]
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