京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のちゃぶ台返し時間」

2020-01-28 09:03:05 | 時計修理

1月28日火曜日。仏滅・三隣亡・とる・旧暦四日とずらりと並んだ不吉な日。
 工房まで何とか無事にやってこれました。

時計は心臓に近い左手につける御守り代わりの魔除けアイテムとしてつかう。
裏蓋をあけると祈りの言葉が記載されていたり楽しいものです。
お数珠も左手に持つように今日はしっかりと時計をつけて外出しましょう。

写真はソーラー電波。
大阪から引っ越してきたお客さん。大阪ではしっかり受信していたのに腕時計も掛時計も京都に来たらまったく使えない。
京都リスクなのじゃ~!ちゃぶ台返し!
いつもぴったり合う電波時間が信用できないと悲劇が起きます。

京都は盆地。周辺を山に囲まれているので市内は福島、福岡から電波が届かない地域が多い。
特に比叡山が邪魔しているので大阪では普通に使えるものが京都では使えない。
まるで大阪維新の会のようなものか~?

工房ではなんともなく受信していた時計が下京区の自宅ではひたすらクルクル回るオブジェになってしまいます。役に立たない。
「オヤジと電波時計」は肝心な時に使えない。

今週末から大学受験が始まります。腕時計はできるなら家族の人が普段使っているものを利用しましょう。
スマホで時刻を合わせるモデルもあるが工房ではトラブルメーカー。
電池交換料金1100円払っていざ時刻合わせをスマホのアプリで時刻あわせをやってみても分針、時針のどちらかが動かない故障が多発しています。
仕方なく1100円をお返しして元に戻す。ちゃぶ台返しタイムだ。

とにかく受験会場には時針、分針、秒針の針が三本あるローテク時計が確実だ。
秒針の役割は動いていることの証明です。秒針はインデックスのぴったり止まって動かないのは当たり前!
歯車のアガキがあるのでどうしてもずれてしまう箇所が出てくる。
この理論は一般教養物理学概論でサイクロイド曲線を学習しましょう。ただ受験寸前の皆さんには必要じゃない。

私の約40年以上前の受験戦争の結果は二勝一敗一引き分け。
京大には学力不足、同志社は資金不足、辛うじて立命館を5年かかって卒業できた。
ポンコツ人生の始まりです。
あこがれた京産大・物理学部をはじめ複数の合格、入学案内の通知で高額な入学金、年間授業料を見て母親が隠したという。
一昨年亡くなる前、認知症で時間の感覚がなくなった母親。
「どうして警察官試験に合格したのに大学へいったとね~?」と不満をいう。
私の身長が二センチ高かったら長崎県の警察官になっていた。同時に世の中の天才時計師は生まれていない。
私が天才ではなく私が育てた後輩が天才になった。うれしいものです。

京都市長選挙で給付型奨学金の公約がうれしい。ぜひ実現してほしものです。
これが40年前に出来ていたなら今は京都産業大学で宇宙の星を眺めながら人生を送れたことでしょう。
まぁ~時計師になって京都に戻れたのだ。立命館でよかったか?
大学進学先に京都を選んで家族や仲間たちに囲まれた人生を送れただけでも運がよかったと40年後にそう思う。

明日は水曜日。
定休日ですが機械式時計の定時計測の仕事があるので15時までは営業しています。
つくづく休めない「限りなくブラックな」お仕事だと思う。





コメント
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