京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のお初時間」

2020-01-21 08:58:22 | 時計修理

1月21日火曜日。今日はお初弘法の日。
穏かな日になりました。明日は工房がお休みの水曜日。
午前中、預かった修理品をこなして午後から京の街めぐりの予定。
水曜日は不動産業界での休日の集中日。タフに使われているため時間がかかります。
果たしてうまくいくでしょうか?

写真はブルガリ・ソロテンポの裏側。
お初電池交換、残念ながら電池交換のタイミング遅れで酸化銀電池から液が漏れていました。
何とか電極を処理して時計が動き出した。お客様にとって大満足ですが私にとって余計な修理時間なのだ。
お早目に電池交換しましょ~!

たとえ電池の液漏れで時計が壊れてもメーカーの被害はない。むしろ修理費用が取れて儲かる話です。
またあきらめても新しいモデルを買ってもらえる。メーカーの設計ミスではないのがミソ。
ユーザーのミスとして処理される。
お粗末な電池とわかっているのに交換しないほうが悪いのだ。メーカーは無罪放免となる。
かくして工房の私はこのブログで十数年早期の電池交換を訴えてきた。
電池交換費用の1100円をケチったばかりに4~5万円の修理費用が掛かりますよ~!
お初電池交換はお早めにお越しくだされ~。

昨日はGーSHOCKの電池交換依頼が7本くる。フロッグマンが4本、マッドマンが3本の内訳。
フロッグマンを一般の店で電池交換をする店が無くなったそうです。今後工房に集中するのかと思うとぞっとする。
同じ1100円の電池交換費用です。修理中に工具が壊れることが多い。
難関フロッグマンを1100円でやるからにはカルティエ、ブルガリなどを値上げできない論理になる。

元々、工房の電池交換料金は輸入品1200円、国産普及品1000円でした。
京都では藤井大丸さんのテナントで出店してた関係で会社が潰れたので退店。
やむなく今の工房を立ち上げました。
年間10億円程度の売上で中規模店舗でいたがそれでも被害は大きい。
過去に販売したエルメス、カルティエ、ブルガリなどの電池交換でも修理困難なモデルが多かった。
そのアフターサービスの店が今の工房でした。
ところが四条通りから北区の工房までの交通費と駐車場の費用がつらいと預かってくれた業者さんからクレーム。
そのために1000円均一プラス税の料金になりました。
「お店の駐車場はないの?」
一般のお客様からの問い合わせにその都度料金設定のお答えできないものがあります。
長いお話になるのも昔を思い出して辛いものです。

以前「晴れの日」ふりそで詐欺の事件がありました。
成人式用のふりそでが届かない中、博多の店舗だけ店長が自費で当日予約のお客さんを無事に送り出したことは有名です。
さすが逃げなかった博多の女と仲間たち。九州人の意気込みを感じます。
まだ日本人によく正義感が残っていたものだと安心しました。

私も勤めていた会社が無責任な清算処理でつぶされた。博多の店長のつらい気持ちはよくわかる。
結果としてアフターサービスが受けられないままお客様だけが被害に遭う。
私の場合これだけは避けたかったので京都の時計組合に入れて頂いて修理工房を始めた。
そんな関係でG-SHOCK、エルメス・クリッパーなどメーカーもアフターサービスを中止しているモデルでも電池交換は続けています。
10年以上たっても断われないものですよね~。

明日は水曜日。
定休日ですがなんとか15時くらいまで気合を入れて営業の予定です。








コメント
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