京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のツキ時間」

2020-01-04 10:02:59 | 時計修理

1月4日土曜日。今日から仕事始め。
今年もよろしくお願いいたします。
時計修理業はブラックビジネスの代表的なお仕事。実は昨日もお仕事でした。
今朝工房にやってきて普通に仕事ができるはずもない。
出来の悪いクルマの様にいきなり走り出すと壊れる。アイドリングが必要なのです。

31日の押し迫った逢魔が刻、エキセントリックな客が来た。
目覚まし時計がセットした時間から数分の誤差が出る!結構怒っています。

おまけにラドーの秒針がインデックスの上からズレて動くのが不満だ!不良品だ!
秒針は歯車の遊びで必ずずれて動くものです。またセイコーの様にぴったりと止まるように見えても実際は誤差が出るものなのです。
かなりしつこいクレームでした。
最後に「私が創ったラドーではないので迷惑だ、ラドーに質問してくれぇ~!」と言って追い出した。
やはり31日は鬼門。早く閉めて帰ればよかったと反省。

今日の仕事始めも例年アブナイ客がやってくる日。
数年前「いきなり時計が止まった。どうしてくれる、電池代返せ!」と客が怒って来た。
ふたを開けると二年前に電池交換の記載に合掌!
今日は覚悟を決めて工房にやってきました。

覚悟では今年2020年は不況の年だと覚悟します。
祇園祭「あと祭り」の24日巡行がオリンピック開会式と重なる。かなり静かなお祭りになることでしょう。
田舎の長崎では年々居酒屋の生ビールが600円台に値上がり、新地の長﨑チャンポンもなんと!1200円台に突入。
生うに一ビンが4600円の時代だ。
地方から早くも不況が始まっていました。

工房ではカルティエ、ブルガリなどの電池交換も1000円と税で1100円。
これが「高い!がめつい!電池の値段はナンボや~!」と怒られる京都。
時間を知るための時計修理が贅沢な時代に入る。
こんな時計業界の常識とお客様の予算の乖離が次第に開いて来るのがしみじみと感じられます。

ここはさらにぐっと我慢して今年も頑張りましょうね~。
今後どう頑張っても10年くらいの時計師の寿命。ろうそくは消える寸前が一番明るいのじゃ~!
今日、明日は五時まで~。
お早めにお越しくだされ~!




コメント
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