京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の切り替え時」

2020-01-24 09:05:38 | 時計修理

1月24日金曜日。
旧暦の大晦日。明日が元旦の京都。千年都では旧暦の気配満タン。
明日は静かなお正月になりそうです。
街は市長選挙でにぎわっています。
時計の定期的な電池交換と市長の交換を進める時計師なのだ。
12年の悪政に耐えた京都市民の私、今日も地下鉄北大路駅からフウ~フウ~いいながら工房まで歩いてきた。
仲間の宿泊先も伊勢志摩リゾート、有馬温泉に替わり、なんと嫁さんたちの女子会も名古屋、東京に移ってしまう。
学生時代の閑静な京都が消えて、嵐山、錦小路は食べ歩きゾーンに変わってしまった。
清少納言も門川政治はいとわろし!というはず。

写真はロレックス・クオーツモデル。
ビジネスウオッチの最強モデル。セイコーなど国産時計メーカーがどうしても勝てない相手だと思う。
実質年間精度の誤差10秒以内。このユーザーは長年信用できる待遇を受けています。

昨日、セイコーの修理品を引き取りに来てくれました。連絡後の翌日引き取りに来るなんてびっくり!好記録でした。
普通一週間かかる。
こちらから再度督促の電話をかけて来ていただくのが普通なのによほどしっかりした人なのでしょう。
これはレアケース。
メーカー送りになる修理品は預かる際に「3万円の修理金額で旅行に行けますよ~」などとネガティブな情報を伝えます。
それでも依頼してくる人だけを受ける。こちらから「修理しましょう!」ということはない。

「寂びたるものは良し、寂ばしたるものは悪し」千利休さんが言う。
ユーザーから大切に使われて時代の風格のようなものが出て初めていい時計だと思います。
新品には愛着がないものです。嫁さんと時計は古いものが気を使わなくていい。
三世代使われている幸せな時計が来るのはうれしいものです。
国産時計は残念ながら使い捨てられる運命でしょう。たとえグランド・セイコーにしても大事に使われているものはレアケース。
「リサイクルショップで3000円と言われた!それなら電池交換して使うわ」セイコー・クレドールを持ち込んだお客様が言う。

本来のドレスウオッチ・プレスティージゾーンの時計文化が育っていないのでしょう。
所詮日本はビジネスウオッチ部門で天下を取ったくらいなのだと思う。
セイコー・クレドール、シチズン・アシェンダが創る素晴らしい時計を見てきた。それが残念なことに使い方が悪いので時代つけの風格が出る前に壊れる。
創る側と使う側の文化が一致しないと悲劇が起きます。

使わない場合、電池を抜いておきましょう。
またリューズを引っ張って止めておいて保存することもお勧めしない。クオーツは動いているのだからそれほどの効果はないのです。
定期的に電池を交換するのが一番です。
また機械式時計の場合はひと月に一度ネジを巻きあげて長期保存。歯車の乾き、時計油が固まることを防ぎます。

明日は旧正月。長崎風のお雑煮ではなく京都の白みそ仕立てのお雑煮を食べる日。
京野菜が出始める。旧正月は油小路綾小路上る「石野味噌」の白みそがいい。

セイコーの代引き修理品も引き取りに来てくれました。
ちょっとリッチ気分、今夜は大晦日気分で嫁さんと「かわみち屋」さんのそばでも頂きに行きましょうかね~。
冷静になると払った「つり銭」が戻ってきただけなのだ。
このお店のそば、節分の日に吉田神社に出店するときのそばが一番おいしいのだ!とレモンのすり替え心理であきらめる。
おとなしく帰りましょうかね~。6時30分まで修理受付しています。のんびりとお越しください。






コメント
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