京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のおおきに」

2020-01-16 09:02:21 | 時計修理

1月16日木曜日。藪入りの日。
三隣亡、先負け、不成就日なのだ。今日のように何をやってもうまくいかない日もある。
 のんびりと先延ばししたほうがいい日。滝つぼに落ちたら静かに浮かび上がるのを待つのがいい。
そんな一日。
昨日は小正月。小豆かゆを頂きました。

京都の戻ってこまったのが「おおきに~」の判断。
慣れないとイエスかノーか判らない言葉で有名です。
私の場合なんちゃって京都人なのでイエスの場合だけ使います。
お断りする際の「おおきに」が使いこなせない。
「エンジンオイル点検しましょか?」
「お~きに、また今度でええわ~」などと「お~きに」を入れると和やかに断ることができる。

居酒屋で「ビールはよろしいか?」と聞かれておおきに!と答えると追加が出てくる。

火曜日の夜、京都大丸さん近所の居酒屋「街の灯り商店街」と出会いました。
ショットバーに行くつもりで途中雨が降ってきたので雨宿りで入る。
なんと大正解!専門店が集まった屋台風のお店です。椅子はビールケースに座布団。
質素な造りですがなんとそこで沈没してしまいました。
若鳥の刺身、魚屋さんのお刺身が美味しい!魚にうるさい長崎育ちの私が大満足でした!
こんなうれしい出会いがあるで今年はきっといい年になりそうだと思う。
お店を出る際に「おおきに!また来るわぁ~」
うれしい「おおきに」に力が入る使い方でした。

工房では定期点検のための分解掃除の依頼は夏が明けたころの修理をお勧めしています。
時計が止まっている場合は即修理をしましょう。

時計は夏場に時計内部に湿気が入ることが多い。夏に壊れて冬に止まる。
冷房された部屋から屋外に出ると気温差で湿気を吸い込みます。
ロレックスのような防水性がない時計はほとんどこれでリュウズの巻き芯が錆びて膨らんで最悪折れる。
ブルガリなど生活防水の電池交換依頼の際にもまずリューズを点検します。
電池交換が終わっていざ時刻を合わせる際にリューズがぽろっととれることが多い。がっかりタイム。
「おおきに~!」とお客様を送り出す。これは寂しいね~。

今日は三隣亡。じっくりと読書の日。
昨日、図書館で待望の「柚木裕子」さんの予約本を借りてきました。
最近、音楽を聴きながらの「ながら」読書ができなくなりました。
歳のせいかね~。
まもなく65歳になる。堂々と優先席に座れるうれしい年令になります。
時計師になりたての頃は早くこの年齢になりたいものでした。
のんびりと一日を過ごしましょうか?
65歳になると好きな時計だけ触る。これが許される年令なのだ。



コメント
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