早朝5時にホテルを出発してガンジス河に向かう。
ヴァラナシはヒンドゥー教徒にとって聖地の中の聖地。贖罪と来世の幸福を求めてインド全土から毎年数百万人の教徒がガンガーで沐浴する為にやって来るとのこと。聖なる河で沐浴することで現世の罪を洗い流し、来世の幸せを祈る。
インドにハマるか否かはこのヴェナレスの景色を気に入るか否かによるとのこと。ヴェナレスにドップリハマると、何度もインドを訪れるようになるらしい。ボクもヴェナレスには大いに感動し、この地は何度も来たいと思えた。
沐浴をしている間を潜り抜けて木のボートに乗る。
ボートに乗って、河の上から観賞する。
日本人の観光客は少ないが、西欧人の観光客はたくさん。
ボートに乗っているのは白人ばかりだった。
ガンジス河の水は非常に汚くて、日本人が水の中に入ると、傷口がある場合には破傷風になったりするとか。クチの中に入れるのは以ての外。かなり危険であるとのこと。インド人はこの水でクチを濯いでいるからね…凄い光景。
しかし、この河に入ると、その洗礼される意味が理解できるとのこと。入ったことの無い人物にはこの感覚が理解できないとのこと。だから、日本人であっても何度かこの地を訪れた人はこのガンガーで沐浴を経験するのだとか。
この汚れた河は、人の罪や汚い心などを洗い流した為に濁り汚れているのだとか。この河で死を迎えることは非常に素晴らしいことで、死体が流れていることは普通のこと。他の河であれば気持ち悪いが、この河であれば受け入れられる。汚いが美しい。この河の神秘さ。理解を超える世界。
ゆっくりした時間が流れ-。
朝日がのぼり-、太陽に祈る-。
濁っていても、輝く水面-。
陽に感謝し-。
罪を洗う-。
幸せを祈りながら-。
このガンジス河を訪れると人生観が変わるという。
60歳代の日本人夫婦に出会い、『この地を訪れると人生観が変わると言いますが、どうですか?』と質問され、『あまりの深い世界のために、ボクは来るのが早すぎたように思います。』と応えると、60歳代夫婦の夫は『私は来るのが遅すぎたように思うな(笑)。』と。お互いに笑った。
確かにこの地は人の人生観を変えるチカラがある。
これは言葉では表すことが出来ないし、クチで伝えることが出来ない。
だからこそ、多くの人がこの地を直接訪れ、この地で心を清めるのだろう。
ガートで火葬場を観るとも出来る。この場所の写真撮影は厳禁。遺灰は河に流される。この火葬は当初から火が絶えたことがなく、ずっと燃え続けている。つまり常時誰かが火葬されているということ。山のようになった灰が河に流され、その横で人々が沐浴をする。なんとも言えない光景だよね。
ボートから降りて、沐浴を済ませた人々と共に帰路に向かう。
物乞いに恵みを渡し-、
心を洗って-、
ガンガーを後にする。
ホテルに戻ってから朝食。