人生とは美しく刺激的なリッチ。

へんてこでも自分らしい生活。
美に感動、優に感謝、心に感性。

半落ち

2005-09-06 23:28:18 | 書籍。
・半落ち  横山秀夫 (講談社文庫)
・動機   横山秀夫 (文春文庫)
・陰の季節 横山秀夫 (文春文庫)
・顔    横山秀夫 (徳間文庫)

『半落ち』
妻を殺しました―。
自首してきた現職警察官・梶聡一郎。
動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは黙秘。空白の2日間―半落ちの梶―、その胸に秘めている想い。生き恥を晒してまでも梶が生きる理由。その答えを知りたくてページをめくるペースは自然と速まる。そしてクライマックス―、ちょっと―。が~ん、期待半落ち。でも、警察組織内の人間模様を知れる面白い作品だった。
『陰の季節』―短編集だが、編ごとに主人公が変わり、同じD県警で起こる事件が語られる。その中に『顔』の主人公である似顔絵婦警・平野瑞穂が登場する編もある。その『顔』―、男体質の警察組織の中で、「だから女は使えねぇ!」と罵声され傷つきながらも職務に取り組む平野瑞穂、頑張れと応援したくなる。『動機』は4編目の公判中に居眠りをしてしまった裁判官の話「密室の人」が面白かった。切ない―。
横山秀夫作品―、共通することは読み易い。