『阪急電車』『三匹のおっさん』と読んだところで、有川浩が「ラノベ作家」を自称するのを不思議に思っていたけど、『図書館戦争シリーズ』を読んだら、紛れも無いラノベ作家でした。
でもなー。
一般的に認知されている「ラノベ作家」の定義を考えると、有川浩をそのくくりに入れてしまうのは非常にもったいない気がする。
まず文章がすばらしい(これは私の好みだけど、言い回しとか単語のチョイスがたまらない。
そして何より人の心の書き方がとても丁寧で、当たり前なんだけど今まで表現されてこなかったような複雑な心の動きがたくさん出てきて、改めて「そういう感情が存在する」ということを認識したりする。
難聴者の設定も細やかで、「障碍者」を登場させることによって使い古されたお決まりのストーリーを作ったりしないところにすごい力を感じる。
才能ではなくて、これは「力」だと思った。
…とまあ、色々書いたけど、ラノベはラノベで一つのジャンルであるし、本人がそれを自称したいならそれでいいんだろうなあ。
でも有川浩の文章は新しい何かであって、既存のジャンルには含まれないような気もする。
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