胸の想い/腰の重い

2008年12月17日 06時50分48秒 | B地点 おむ
明け方には、何かの血が騒ぐのか……。
だが、ちょっと部屋の外に出ただけで、おむさんは満足したらしい。
急におとなしくなってしまった。
再び布団にもぐった私の、ちょうど腰の上にどーんと陣取って、おむさんは静かに思索に耽っている。

これでは私が起きられん。

(体をひねってケータイで撮影)



あ、あかん

2008年12月17日 06時09分33秒 | B地点 おむ

「アオリ止」は、立派にその任を果たした。
しかし、おむさんは、強靱な後肢を用いて、
「アオリ止」によって繋がれたままの状態の障子を
敷居から外し、部屋の外に出てしまった。
なんという知恵者……。

ちなみに、タイトルは、「開かん」にかけたダジャレである。
が、開いてしまうのであるから、それも虚しい……。


アオリ止

2008年12月16日 19時04分00秒 | B地点 おむ

 

おむさんが障子を器用に開けることは既に述べた。

(←うっ、すごいホコリだ……。お恥ずかしい。)

そこで、これまでは障子をクランプで固定し、更に布団で押さえていたが、不便でもあり不完全でもあるので、今日は、こういうものを購入してきた。
「アオリ止」という名称を寡聞にして知らなかったが(私はこれを「掛金」だと誤解していた)、ともかく、どこにでもある簡易な戸締まり用の金具である。
まず、両端の障子は、上部に木ネジを打って固定する。
両端の障子と中央の障子とを、アオリ止でつなぎ、
更に、中央開口部の内側と、
外側に、アオリ止を付ける。無論、高い位置に。そして、ご覧の通り、ちょっと細工をして、しっかり曲げておく。簡単には外れないように。

これで、内側からも外側からも、障子が動かないよう、閉め切ることができるようになった。
なお、プラスチック障子紙も用意した。専用の両面テープも。

しかし、これは使わなくて済みそうだ。
そもそもおむさんは、人間の住居というものについてかなり正確な概念を持っており、「傷つけてはいけないものである」ということを知っているらしい。

しかも、今夜のおむさんは、昨夜とは一変して、おとなしい。

恐らく彼は、今後は、部屋から出たがることはあまりないだろう。彼は利口なので、むやみに出たがっても詮ないことである、と理解したに違いない。
追記。

この記事を書いている間、私の後ろでウトウトしていたおむさんが、「アオ~ン!」と叫び声を上げた。私が振り向くと、おむさん自身も目をぱちくりさせ、「んにゃ?」と寝ぼけていた。どうやら、夢を見て寝言を言ったらしい。緑の岸辺でおかか先生と遊ぶ夢でも見ていたのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


何かの手違いで

2008年12月16日 15時06分00秒 | B地点 おむ

 

抜け忍オムイを追う刺客は、なにやら怪光線を発する装置を入手したらしい。
これがその発射ボタンである。

「ふふふ、これでオムイも一巻の終わりよ」
「発射!!」

カチッ
ピカッ

「うッ、何だ、この光は?」
ピカーーーッ

「うわあッ!?」
「うわああーーッ! 気持いいーーッ」
「うーん、暖かい!」

ほこほこ ぬくぬく
「あー、最高だなあ」

……怪光線ではなく快光線を発する装置だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿時バージョン→

 

 


ほこほこぬくぬく

2008年12月16日 14時51分00秒 | B地点 おむ

 

「うむ、エネループカイロ、あったかいなあ」

ほこほこ
「……そういえば、奴はどうしてるかな?」
「よし、テレパシーを送ってみるか!」
ピッ

「おい、あったかくしてるかね?」
ピピピッ

「あっ!? 先生!」
「ええ、大丈夫。あったかく過ごしてますよ」
「いい気持で、うとうと眠くなりますよ」

ぬくぬく
「だから、安心して下さいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


長い夜

2008年12月16日 05時18分59秒 | B地点 おむ
日付の変わる頃から、おむは鳴き続ける。
部屋の外に出たがるのだ。
「鳴き」続けるというより「叫び」続けるに近い。
クランプで挟み、更に敷布団で押さえて、凄まじい重さにしてある障子も、とうとう引き開けてしまった。
体調が良くなるにつれ、「望郷の念」が一層つのってくるのだろうか。

部屋の外に出してやっても、無論そこは彼が満足すべき場所ではなく、
彼は途方に暮れたかのような瞳で私を見上げ、また叫び続ける。

2時間の後、憑き物が落ちたかのように彼は沈黙し、私の横にそっと座る。
死のような、しかし暖かい、不思議な静寂に私達は包まれる。

 * * * 

やがておむはトイレに入り、排尿した。
シャーという威勢の良い音を私は初めて聞いた。
膀胱も尿道も、快方に向かいつつあるに違いない。





萌え尽きシンド労務(前編)

2008年12月15日 16時23分00秒 | B地点 おむ

 

抜け忍オムイを執拗に追い詰める追忍である。
「変身の術!」
ブオオォォーーン
「カメラのお兄さん」に化けた追忍は、オムイをとある陋屋に拉致監禁した。

「しまった、ワナか!」
「ふふふ、オムイ、貴様の命運も尽きたな!」
「うう、万事休すか」
「……いや、負けないぞ」

「俺には、秘術『萌え落し』がある!」


つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿時バージョン→

 

 


投薬(その2)

2008年12月15日 16時06分00秒 | B地点 おむ

 

投薬に失敗したぶん、薬が足りなくなったので、おむの主治医の元へと私は赴いた。

おむは排尿の回数が減ってきていると共に、一回の排尿量が増えてきている。つまり、治ってきているのだ。食欲もあり、水も飲み、総じて元気なので、ステロイドの投与は中止され、抗生物質のみ、更に向後4日間の経口投与となった。

ちなみに、今日の投薬はあっけないほどスムーズに成功した。私もおむも、慣れてきたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


現在・過去・未来

2008年12月15日 15時31分00秒 | B地点 おむ

 

 すべて結果論ではあるが、おむに関して、今回の緊急保護という対応は正しかったと私は考える。

 当初まず頻尿が確認され、その後は排尿行動の回数が減ったわけだが、これは問題の解決を意味するのではなく、むしろ逆に、排尿時の痛みが強くなってきたためだと推定されている。

 そこで、病院での処置が行われた。とはいえ、その際の捕獲・運搬・検査・診察・処置による肉体的および精神的な負荷も、相当なものであったろう。

 処置の後、仮にそのまますぐにリリースされたとすれば、厳寒の天候からしても、投薬が困難であることからしても、膀胱炎と結石が悪化し、尿毒症や腎不全といった「とりかえしのつかない」重篤な症状に陥った可能性が高いと思われる。

 今後について言えば ―― 野良猫(地域猫)のままでは、“療養食給餌の恒久的な継続”と、“排尿状態の観察”と、そして、“いざという場合の受診”とを、十全に行うのは不可能である。よって、おむが健やかに長生きするためには、やはり完全室内飼いの飼い猫になるのが望ましいであろう。

 ボランティアさんにお願いして、おむの飼い主探しをしてもらう手筈になっている。経験と実績に富むボランティアさんの手腕そのものには疑いの余地がないが、飼い主捜しばかりは「相手」がいることでもあり、「時の運」にも大きく左右されるので、このブログでも飼い主を募集することになるかもしれない。(ちなみに、今年七月初めの検査の時点で、白血病および猫エイズは陰性だそうである。)

 今回の対応はあくまでも短期の緊急保護なので、良い飼い主が見付からなければ、さしあたりの危険が去った後は、おむは元の場所にリリースされ、野良猫(地域猫)として可能な限りの食餌療法を受けながら暮らすことになろう。それに加えて、機に応じての短期保護を行えば、元気に長生きできるかもしれない。
 なお、私が観察してきたところでは、おかか先生(推定10歳)は、精神的にも身体的にも、おむに守ってもらっているようだ。おむがいなくなったら、テリトリーに「敵」も侵入してくるだろう。

 ご覧の通り今日も元気だが、おかか先生はたいへん臆病な猫である。ダッコが不可能なので捕獲も困難である。強制捕獲して病院などに連れて行こうものなら、ショックでダメになってしまうかもしれない。(おかか先生に去勢手術が行われない理由の一つもそれだと聞いている。)
 おむとおかか先生がこの地で仲良く暮らしているのは、私には奇蹟に思える。おむとおかか先生が一緒に(かつ、この二匹だけで、つまり先住猫が居ない家で)完全室内飼いとなれば、それが理想かもしれない。
 尤も、私個人は必ずしも、単純に長生きがいいとは考えない/感じない。今の日本の猫が「野生動物」でないことは百も承知であり、「自然」という概念に関してここで云々したくもないが、ともあれ、おむさんは(まず間違いなくかつて飼い猫だったにせよ)、この緑豊かな「自然」の岸辺で暮らす生活に深く馴染んでいる。
 大地を踏みしめ、草を蹴って全力疾走し、木に駆け登り、おかか先生と遊ぶ。誰にも邪魔されず、自由気儘に過ごす。勿論、辛いことも、苦しいこともあろう。 しかし、それが Leben というものではないか?
 そういう生活をしてきたおむは、そういう生活の中で生を全うするのが、一番の「幸せ」なのかもしれない、と(恐らくは単に情緒的に)私は考えたり/感じたりもするのである。

 猫の倫理ないしメタ倫理について軽々しく語ることを、私は好まないけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


気分爽快

2008年12月15日 12時39分00秒 | B地点 おむ

 

おむさんは、よい子である。

トイレは最初からきちんと認識していたので、何の手間もかからなかった。暴れることもない。人や物を引っ掻くこともない。爪研ぎも(今の所は)しない。噛み癖もない。(不満や甘えの表現として、ごくごく軽い甘噛みはするが。)

(10時24分撮影)
だが、拙宅に来てから、よく鳴くようになった。いわゆる「盛りの付いた猫」のように、或る程度の時間、鳴き続けることがある。私が宥めてやっても、鳴き止まずに室内をうろうろすることがある。

(前日(14日)13時38分撮影)
部屋の中に居れば室外が気になり、部屋から出せば今度は屋外が気になるらしい。
それだけでなく、総じて、環境の変化の激変のため、不安になったり、緊張したり、興奮したりするのだろう。

(12時39分撮影)
落ち着いてくつろぐ時は、くつろぐし、

(10時16分撮影)
休むときは、良く休むのだが……。

(09時39分撮影)
不安・緊張・興奮を紛らわせる手段として、いつものあの、ネコジャラシ遊びが、とても効果的だと判った。

(前日(14日)23時50分撮影)

ネコジャラシのオモチャで遊ぶと、嫌なことも忘れて夢中になれるらしい。むやみと鳴かなくなる。ストレスやイライラが解消され、気分が爽快になり、運動不足も補われるようだ。そんなわけで、昨夜から、おおいに遊んでやることにしている。おむさんが疲れ過ぎないよう、気をつけながら。

(12時39分撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ハーネス

2008年12月15日 10時19分00秒 | B地点 おむ

 

おむさんは賢いので、既述の通り、障子を簡単に開けてしまう。(拙宅はいわゆる日本家屋であり、私の寝室と書斎(笑)は日本間である。)

(14日23時38分撮影)
障子をクランプで固定してみたが、やはり器用に開けてしまうことが判明したので、更にしっかり障子を固定する方策を講じた。

もしも、障子紙を破ることを覚えたら、より根本的な対策が必要になるだろう。

(今の所、障子紙に破れ目がないので大丈夫である。障子紙が破れていると、猫はジャンプして破れ目から出入りしてしまう。かつて拙宅で飼われていた猫はそうだった。)

(14日19時48分撮影)
段々に環境に慣れてきたので、可能ならば部屋の出入りを自由にさせたいが、そのままでは、玄関や勝手口や窓の開閉の際に、脱走してしまう恐れがある。

そこで、おむさんが落ち着かない時は、ハーネスリードを用いて宅内散歩をさせることにした。おむさんは不満げだが、やむを得ない。

室内では無論、ハーネスは付けない。また、深夜も、まず絶対に玄関・勝手口・窓の開閉をしないので、ハーネスもリードもなし。

(15日10時19分撮影)
戸外でのびのび暮らしていたおむさんは、やはり戸外に出たがる。少なくとも、戸外が気になるようだ。どうしても室内/宅内で落ち着かなかったら戸外の散歩もやむなし、と当初は考えていたが、今の所、戸外には出さずに済みそうだ。

(15日10時20分撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


投薬

2008年12月14日 10時05分00秒 | B地点 おむ

 

錠剤の投薬(経口投与)は難しい。
特に、今回の薬は、非常に苦く、また量も多いので。

【方法その1】
薬を砕いて、マタタビ粉末に混ぜる。

→「いい匂いがするけれど、味は苦い粉末」が出来るだけである。舐め残してしまう。あまり上手い方法ではない。

【方法その2】
薬を砕いて、食事に混ぜる。

→「おいしそうだけれど、苦くて不味い食事」が出来るだけである。食べ残してしまう。これも、あまり上手い方法ではない。

【方法その3】
或る書物に記載されていた方法。薬を砕いて、砂糖水に溶かし、シリンジで与える。

→これも効果的ではない。とにかく薬が苦くて不味く、しかも量が比較的多い(二種類ある)ので。こぼれる量が多い。また、うまく口に入れても、泡混じりのヨダレにして、口から出してしまう。

【方法その4】
まず膝の上に毛布を敷く。その上におむを呼び寄せ、毛布で体を暖かく包み込んで、なごませる。(川岸で私がよくしていたように。)そして、素早く体を押さえ、くるっと仰向きにして、口を開けさせる(これにもコツがある)。体が毛布で包まれているので、おむは暴れることができない。喉の奥を素早く見定めて、錠剤をぽいっと放り込む。

→成功すれば反射的に飲み込むので、3秒で終わる。結局、これが一番確実な方法である。

(ただし、失敗すれば、口の中でニャグニャグ噛んだ挙げ句、やはり泡混じりのヨダレにして、出してしまう……。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


こんな一日

2008年12月14日 09時34分00秒 | B地点 おむ

 

09時10分。

お兄さんは朝寝坊だね。
09時11分。

僕はとっくに起きてるのにさ。
09時33分。

むにゃ……。お兄さんと一緒に、また寝ちゃった……。
09時34分。

え、起きるの?

09時35分。

もうちょっと寝ようよ……。

10時11分。

お薬は、と~~~っても、苦いんだよ。
19時49分。

お兄さんのお母さん(ややこしい)のベッドの下も、中々居心地がいいよ。
20時52分。

ごはん、おいしいよ。

21時01分。

ごちそうさま。……それはそうと、お部屋が散らかってるなあ。