2008年12月19日 18時04分00秒 | B地点 おむ

 

「病気療養も退屈だなあ」
「でも、まあ、毎日けっこう楽しいこともあるよ」
「だけど、夜になると、おかか先生のことが、とっても気になるんだ」

「またテレパシーで呼びかけてみようかな? ……いや、ここはひとつ、肉声で!」

※作者注: いや、あの、だからね、襖は、元々こういう模様なんですってば。ホントですってば。

「おーい! おかか先生ーっ!」
「……なーんてね。ふふっ。遠く離れてるんだもの、聞こえるわけないよね」
その頃おかか先生は……

「いやいや、ちゃんと聞こえてるよ」
「お前の声は、いつでもどこでも、私にはちゃんと聞こえるのさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


投薬終了

2008年12月19日 16時57分00秒 | B地点 おむ

 

今回処方された薬の、最後のひとつ。
苦いお薬、頑張ってよく飲みました。えらいなあ。

私は今日、おむさんの主治医に再びお目にかかって、今後についてお話をうかがった。

おむさんの未来は、獣医学的観点からして、明るいとは決して言えない。 ―― しかし、それはあくまでも、単に獣医学的観点からして、である。

私事で恐縮だが、二箇月前、余りに早すぎる兄の死に臨んで、私はあらためて、物事を色々と考えたり感じたりするようになった。私の愛するこの猫についても、想いは千々に乱れるが、しかし大切なのは恐らく ―― 沈黙すること、であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


うん、どうかい?

2008年12月19日 13時50分00秒 | B地点 おむ

 


「昨夜は書斎まで大冒険して、楽しかったなあ」
「でも、もう書斎では遊ばせてもらえないかなあ……」

「おむさん、大丈夫だよ! ほら、また打掛を買ってきたよ」

「えっ!?」
「これで書斎の戸締まりもバッチリさ」
「わーい!」
「ふふ、今夜が楽しみだなあ」

「……ん?」
「運動会しようね」

「お、おむさん、それはちょっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


快刀、欄間を

2008年12月19日 05時30分00秒 | B地点 おむ

 

草木も眠る丑三つ時 ―― おむさんの心の深奥に秘められている「何か」が、むくむくと頭をもたげるらしい。

私と共に寝室に居たおむさんは、深更になると、またも興奮して、「アオーン」と鳴きながら、ガリガリと障子を開けようとした。

しかし障子は、読者諸兄姉が既にご存じの通り、打掛によって締め切られている。

賢いおむさんは、無駄と知るや、障子を開けることを諦めた。
が、やがて、箪笥の上に飛び乗り、更に、その上の書類棚に上がった。

寝室の隣は、書斎である。そして、これら二つの和室の間には、天井付近に開口部がある。そう、いわゆる「欄間」である。

おむさんは、欄間をすり抜けて、寝室から書斎へ移動し、本棚を伝って、床に降り立った ―― 。
その際、本棚に置かれてあった物をガラガラガッチャーンと落した。おむさん自身が、怯えてしまった。
無論、私も驚いた。開口部がある以上、全く予想しないことではなかったが……。
やがておむさんは寝室に戻り、私の布団の上で丸まって、安らかな寝息を立て始めた……と思いきや、彼は再び、箪笥の上に飛び乗った。

二度目なので、私も余裕を持ってカメラを構える。

私の大切な書類をぐしゃぐしゃに踏みつぶしながら、おむさんは書斎を窺う。
私は書斎に移動して、撮影を続行。
欄間の開口部を挟んで、私とおむさんの目が合った。
おむさんは、抜けられる位置を求めて移動し、
寝室から書斎へ、するりと抜け出た。
ブレボケ写真で恐縮であるが、おむさんは画面左上から右下に向かって飛び降りている。○の中におむさんの顔が写っている。
このところの室内暮らしですっかり綺麗になっていたおむさんの顔も、ほこりだらけになってしまった……。

別人のようにおとなしくなり、書斎でくつろぐおむさん。疲れたような、「してやったり」とでも言いたげな、満足したような、なんとも言えない良い表情をしている……。

広大なテリトリーを領有しているおむさん。私の歩みを先導しつつ岸辺を疾走するのが大好きなおむさん。そんな彼にとって、ニンゲンの住居など、余りにも狭すぎるのだろう。

それにしても危険なので欄間を塞ごう、といったんは考えたが、むしろ、書斎の「戸締まり」をも強化した上で、寝室と書斎の間を自由に行き来させてやろう、と私は思い直した。(二つの部屋の間の襖を開け、かつ本棚を整理すれば、往還が可能になる。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


200点うんち

2008年12月19日 03時15分00秒 | B地点 おむ

 

03時15分。
おむさん、うんちする。
今回は固過ぎず、柔らか過ぎず。
まさに「まんてん うんち」である。

※猫の糞便の写真です。このサムネイルをクリックすると、モザイクなし大きく鮮明に表示されます。ご注意下さい。

……と思ったら、二分後に、もう一度。
満点がダブルで。合計 200点である。

※猫の糞便の写真です。このサムネイルをクリックすると、モザイクなし大きく鮮明に表示されます。ご注意下さい。

抗生物質の副作用で便通が乱れるかと怖れていたが、今の所問題ないようである。