日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1016)「日本は東京が首都である」の「述語論理」の「否定」。

2021-11-15 20:08:22 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)
1    (1)~∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  A
1    (2)∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  1量化子の関係
 3   (3)  ~{日本a→∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)}  A
 3   (4)~{~日本a∨[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]} 3含意の定義
 3   (5)  日本a&~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  4ド・モルガンの法則
 3   (6)  日本a                               5&E
 3   (7)      ~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  5&E
 3   (8)      ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   7ド・モルガンの法則
 3   (9)       ∃y(東京y&首都ya)→~∀z(首都za→y=z)   8含意の定義
  ア  (ア)       ∃y(東京y&首都ya)                 A
 3ア  (イ)                    ~∀z(首都za→y=z)   9アMPP
 3ア  (ウ)                    ∃z~(首都za→y=z)   イ含意の定義
   エ (エ)                      ~(首都ca→y=c)   A
   エ (オ)                     ~(~首都ca∨y=c)   エ含意の定義
   エ (カ)                        首都ca&y≠c    オド・モルガンの法則
   エ (キ)                     ∃z(首都za&y≠z)   カEI
 3ア  (ク)                     ∃z(首都za&y≠z)   ウエキEE
 3   (ケ)        ∃y(東京y&首都ya)→∃z(首都za&y≠z)   アクCP
 3   (コ)   日本a&[∃y(東京y&首都ya)→∃z(首都za&y≠z)]  6ケ&I
 3   (サ)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]} コEI
1    (シ)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]} 23サEE
(ⅱ)
1     (1)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→ ∃z(首都zx&y≠z)]} A
 2    (2)   日本a&[∃y(東京y&首都ya)→ ∃z(首都za&y≠z)]  A
 2    (3)   日本a                               2&E
 2    (4)       [∃y(東京y&首都ya)→ ∃z(首都za&y≠z)]  2&E
 2    (5)       ~∃y(東京y&首都ya)∨ ∃z(首都za&y≠z)   4含意の定義
  6   (6)       ~∃y(東京y&首都ya)                 A
  6   (7)       ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   6∨I
   8  (8)                      ∃z(首都za&y≠z)   A
    9 (9)                         首都ca&y≠c    A
     ア(ア)                      ∀z(首都za→y=z)   A
     ア(イ)                         首都ca→y=c    アUE
    9 (ウ)                         首都ca        9&E
    9ア(エ)                              y=c    イウMPP
    9 (オ)                              y≠c    9&E
    9ア(カ)                          y=c&y≠c    エオ&I
     ア(キ)                     ~∀x(首都za→y=z)   9カRAA
     ア(ク)       ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   キ∨I
 2    (ケ)       ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   567アク∨E
 2    (コ)       ~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  ケ、ド・モルガンの法則
 2    (サ)   日本a&~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  3コ&I
 2    (シ) ~{~日本a∨[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]} サ、ド・モルガンの法則
 2    (ス)   ~{日本a→∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)}  シ含意の定義
 2    (セ) ∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  スEI
1     (ソ) ∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  12セEE
1     (タ) ~∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  ソ量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~~∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ~∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
「二重否定律(DN)」により、
①  ∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ~∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
① すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。
② {xは日本であって、あるyが(東京であって、xの首都である)ならば、あるzは(xの首都であるが、yとzは「同一」でない)}といふ、そのやうなxは存在しない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
① 日本は、東京首都である。
② 東京以外が首都である所の、日本は存在しない
に於いて、
①=② である。
(07)
③ 東京以外は日本の首都ではない
の「対偶(Contraposition)」は、
③ 日本の首都は東京である。
である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 日本は、東京首都である。
② 東京以外が首都である所の、日本は存在しない
③ 日本の首都は東京である。
に於いて、
①=②=③ である。


(1015)「日本は東京が首都である」の「述語論理」と「同一性」。

2021-11-15 11:19:19 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)
1     (1)∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]} A
 2    (2)∃z(大阪z&~東京z)                        A
1     (3)   日本a→∃y[(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  1UE
  4   (4)   日本a                              A
1 4   (5)       ∃y[(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  34MPP
   6  (6)          (東京b&首都ba)&∀z(首都za→b=z)]  A
   6  (7)           東京b&首都ba                 6&E
   6  (8)           東京b                      7&E
   6  (9)                     ∀z(首都za→b=z)   6&E
   6  (ア)                        首都ca→b=c    9UE
    イ (イ)   大阪c&~東京c                         A
    イ (ウ)   大阪c                              イ&E
    イ (エ)       ~東京c                         イ&E
   6イ (オ)   東京b&~東京c                         8エ&I
     カ(カ)          b=c                       A
   6イカ(キ)   東京b&~東京b                         オカ=E
   6イ (ク)          b≠c                       カキRAA
   6イ (ケ)                       ~首都ca        アクMTT
   6イ (コ)   大阪c&~首都ca                        ウケ&I
   6イ (サ)∃z(大阪z&~首都za)                       コEI
 2 6  (シ)∃z(大阪z&~首都za)                       2イサEE
124   (ス)∃z(大阪z&~首都za)                       56シEE
12    (セ)   日本a→∃z(大阪z&~首都za)                4スCP
12    (ソ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}               セUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}。然るに、
(ⅱ)∃z(大阪z&~東京z)。従って、
(ⅲ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。然るに、
(ⅱ)あるzは(大阪であって、東京ではない)。従って、
(ⅲ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるzは(大阪であって、xの首都ではない)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)日本は、東京首都である。然るに、
(ⅱ)大阪は、東京ではない。  従って、
(ⅲ)日本は、大阪は首都ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)東京、日本の首都である。  然るに、
(ⅱ)大阪は、   東京ではない。 従って、
(ⅲ)日本の首都は、大阪はではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)
(ⅰ)日本の首都は、東京である。  然るに、
(ⅱ)大阪は、   東京ではない。 従って、
(ⅲ)日本の首都は、大阪はではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 日本は、東京首都である。
② 東京、日本の首都である。
③ 日本の首都は、東京である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 日本は、東京首都である。
② Tokyo is the capital of Japan.
③ The capital of Japan is Tokyo.
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
Aids towards recognizing the 'is' of identity are:
(a)Can "is" be replaced by 'is the same object as'? ― if so, 'is' means identity, if not, not.
(b)Can the phrase flanking 'is' on both sides can be reversed preserving approximately the same sense? ― if so, 'is' is 'is' of identity, if not, not.
(E.J.Lemmon Beginning Logic 原文)
同一性の「である」識別するための助けとなることがらはつぎの通りである。
(a)「である」を「と同じ対象」であるによって置き換えることができるか ―― もしできるならば、その「である」は同一性の「である」である。もしできなければ、そうではない。
(b)「である」の両側にならぶ語句は、近似値的に同じ意味をたもちつつ入れ換えることができるか ―― もしできるならば、その「である」は同一性の「である」である。もしできなければ、そうではない。(E.J.レモン 著、竹内治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、205頁)
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
② 東京、日本の首都である。
③ 日本の首都は、東京である。
② Tokyo is the capital of Japan.
③ The capital of Japan is Tokyo.
に於いて、
② が(is the)~である。
は、「同一性(identity)」の「である(is)」である。
従って、
(09)により、
(10)
① AはBである。
② ABである。
③ BはAである。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
のであれば、そのときに限って、
① A=B
② A=B
③ B=A
である。
然るに、
(11)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(11)により、
(12)
① 私は理事長である。
② 私理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① 私=理事長
② 私=理事長
③ 理事長=私
である。
従って、
(13)により、
(14)
①「私」と「理事長」は「同一」である。
②「私」と「理事長」は「同一」である。
③「理事長」と「私」は「同一」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① 私は理事長である。
② 私理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
のであれば、
① 私以外に理事長はゐない
② 私以外に理事長はゐない
③ 理事長以外は私ではない
従って、
(15)により、
(16)
① 私以外に理事長はゐない
② 私理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(16)により、
(17)
① 東京首都である。
② 首都は東京である。
③ 東京以外は首都ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(02)(17)により、
(18)
① 日本は東京首都である。
② 日本の首都は東京である。
③ 日本は東京以外は首都ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(02)(18)により、
(19)
① 日本は東京首都である。⇔
① ∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→yz)]}。⇔
① すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。
といふ「等式」が、成立する。