(01)
(ⅰ)
1 (1)~∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)} A
1 (2)∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{日本a→∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)} A
3 (4)~{~日本a∨[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]} 3含意の定義
3 (5) 日本a&~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)] 4ド・モルガンの法則
3 (6) 日本a 5&E
3 (7) ~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)] 5&E
3 (8) ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z) 7ド・モルガンの法則
3 (9) ∃y(東京y&首都ya)→~∀z(首都za→y=z) 8含意の定義
ア (ア) ∃y(東京y&首都ya) A
3ア (イ) ~∀z(首都za→y=z) 9アMPP
3ア (ウ) ∃z~(首都za→y=z) イ含意の定義
エ (エ) ~(首都ca→y=c) A
エ (オ) ~(~首都ca∨y=c) エ含意の定義
エ (カ) 首都ca&y≠c オド・モルガンの法則
エ (キ) ∃z(首都za&y≠z) カEI
3ア (ク) ∃z(首都za&y≠z) ウエキEE
3 (ケ) ∃y(東京y&首都ya)→∃z(首都za&y≠z) アクCP
3 (コ) 日本a&[∃y(東京y&首都ya)→∃z(首都za&y≠z)] 6ケ&I
3 (サ)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]} コEI
1 (シ)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]} 23サEE
(ⅱ)
1 (1)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→ ∃z(首都zx&y≠z)]} A
2 (2) 日本a&[∃y(東京y&首都ya)→ ∃z(首都za&y≠z)] A
2 (3) 日本a 2&E
2 (4) [∃y(東京y&首都ya)→ ∃z(首都za&y≠z)] 2&E
2 (5) ~∃y(東京y&首都ya)∨ ∃z(首都za&y≠z) 4含意の定義
6 (6) ~∃y(東京y&首都ya) A
6 (7) ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z) 6∨I
8 (8) ∃z(首都za&y≠z) A
9 (9) 首都ca&y≠c A
ア(ア) ∀z(首都za→y=z) A
ア(イ) 首都ca→y=c アUE
9 (ウ) 首都ca 9&E
9ア(エ) y=c イウMPP
9 (オ) y≠c 9&E
9ア(カ) y=c&y≠c エオ&I
ア(キ) ~∀x(首都za→y=z) 9カRAA
ア(ク) ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z) キ∨I
2 (ケ) ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z) 567アク∨E
2 (コ) ~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)] ケ、ド・モルガンの法則
2 (サ) 日本a&~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)] 3コ&I
2 (シ) ~{~日本a∨[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]} サ、ド・モルガンの法則
2 (ス) ~{日本a→∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)} シ含意の定義
2 (セ) ∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)} スEI
1 (ソ) ∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)} 12セEE
1 (タ) ~∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)} ソ量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~~∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ~∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
「二重否定律(DN)」により、
① ∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ~∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
① すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。
② {xは日本であって、あるyが(東京であって、xの首都である)ならば、あるzは(xの首都であるが、yとzは「同一」でない)}といふ、そのやうなxは存在しない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
① 日本は、東京が首都である。
② 東京以外が首都である所の、日本は存在しない。
に於いて、
①=② である。
(07)
③ 東京以外は日本の首都ではない。
の「対偶(Contraposition)」は、
③ 日本の首都は東京である。
である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 日本は、東京が首都である。
② 東京以外が首都である所の、日本は存在しない。
③ 日本の首都は東京である。
に於いて、
①=②=③ である。
(01)
(ⅰ)
1 (1)∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]} A
2 (2)∃z(大阪z&~東京z) A
1 (3) 日本a→∃y[(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)] 1UE
4 (4) 日本a A
1 4 (5) ∃y[(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)] 34MPP
6 (6) (東京b&首都ba)&∀z(首都za→b=z)] A
6 (7) 東京b&首都ba 6&E
6 (8) 東京b 7&E
6 (9) ∀z(首都za→b=z) 6&E
6 (ア) 首都ca→b=c 9UE
イ (イ) 大阪c&~東京c A
イ (ウ) 大阪c イ&E
イ (エ) ~東京c イ&E
6イ (オ) 東京b&~東京c 8エ&I
カ(カ) b=c A
6イカ(キ) 東京b&~東京b オカ=E
6イ (ク) b≠c カキRAA
6イ (ケ) ~首都ca アクMTT
6イ (コ) 大阪c&~首都ca ウケ&I
6イ (サ)∃z(大阪z&~首都za) コEI
2 6 (シ)∃z(大阪z&~首都za) 2イサEE
124 (ス)∃z(大阪z&~首都za) 56シEE
12 (セ) 日本a→∃z(大阪z&~首都za) 4スCP
12 (ソ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)} セUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}。然るに、
(ⅱ)∃z(大阪z&~東京z)。従って、
(ⅲ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。然るに、
(ⅱ)あるzは(大阪であって、東京ではない)。従って、
(ⅲ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるzは(大阪であって、xの首都ではない)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)日本は、東京が首都である。然るに、
(ⅱ)大阪は、東京ではない。 従って、
(ⅲ)日本は、大阪は首都ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)東京が、日本の首都である。 然るに、
(ⅱ)大阪は、 東京ではない。 従って、
(ⅲ)日本の首都は、大阪はではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)
(ⅰ)日本の首都は、東京である。 然るに、
(ⅱ)大阪は、 東京ではない。 従って、
(ⅲ)日本の首都は、大阪はではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 日本は、東京が首都である。
② 東京が、日本の首都である。
③ 日本の首都は、東京である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 日本は、東京が首都である。
② Tokyo is the capital of Japan.
③ The capital of Japan is Tokyo.
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
Aids towards recognizing the 'is' of identity are:
(a)Can "is" be replaced by 'is the same object as'? ― if so, 'is' means identity, if not, not.
(b)Can the phrase flanking 'is' on both sides can be reversed preserving approximately the same sense? ― if so, 'is' is 'is' of identity, if not, not.
(E.J.Lemmon Beginning Logic 原文)
同一性の「である」識別するための助けとなることがらはつぎの通りである。
(a)「である」を「と同じ対象」であるによって置き換えることができるか ―― もしできるならば、その「である」は同一性の「である」である。もしできなければ、そうではない。
(b)「である」の両側にならぶ語句は、近似値的に同じ意味をたもちつつ入れ換えることができるか ―― もしできるならば、その「である」は同一性の「である」である。もしできなければ、そうではない。(E.J.レモン 著、竹内治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、205頁)
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
② 東京が、日本の首都である。
③ 日本の首都は、東京である。
② Tokyo is the capital of Japan.
③ The capital of Japan is Tokyo.
に於いて、
② が(is the)~である。
は、「同一性(identity)」の「である(is)」である。
従って、
(09)により、
(10)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
のであれば、そのときに限って、
① A=B
② A=B
③ B=A
である。
然るに、
(11)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(11)により、
(12)
① 私は理事長である。
② 私が理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① 私=理事長
② 私=理事長
③ 理事長=私
である。
従って、
(13)により、
(14)
①「私」と「理事長」は「同一」である。
②「私」と「理事長」は「同一」である。
③「理事長」と「私」は「同一」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① 私は理事長である。
② 私が理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
のであれば、
① 私以外に理事長はゐない。
② 私以外に理事長はゐない。
③ 理事長以外は私ではない。
従って、
(15)により、
(16)
① 私以外に理事長はゐない。
② 私が理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(16)により、
(17)
① 東京が首都である。
② 首都は東京である。
③ 東京以外は首都ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(02)(17)により、
(18)
① 日本は東京が首都である。
② 日本の首都は東京である。
③ 日本は東京以外は首都ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(02)(18)により、
(19)
① 日本は東京が首都である。⇔
① ∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}。⇔
① すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。
といふ「等式」が、成立する。