日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1009)『パースの法則』は「当然」である(其の?)。

2021-11-07 15:58:22 | 論理

(01)
「原始的規則(10 primitive rules)」だけを用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(P&~Q)∨P┤├(P→Q)→P
〔解答〕
(ⅰ)
1        (1)  (P&~Q)∨P  A
 2       (2)   P&~Q     A
  3      (3)   P→ Q     A
 2       (4)   P        2&E
 23      (5)      Q     34MPP
 2       (6)     ~Q     2&E
 23      (7)   Q&~Q     56&I
 2       (8) ~(P→ Q)    37RAA
 2       (9) ~(P→ Q)∨P  2∨I
   ア     (ア)         P  A
   ア     (イ) ~(P→ Q)∨P  ア∨I
1        (ウ) ~(P→ Q)∨P  129アイ∨E
    エ    (エ)  (P→Q)&~P  A
     オ   (オ) ~(P→Q)     A
    エ    (カ)  (P→Q)     エ&E
    エオ   (キ) ~(P→Q)&
              (P→Q)     オカ&I
     オ   (ク)~{(P→Q)&~P} エキRAA
      ケ  (ケ)         P  A
    エ    (コ)        ~P  エ&E
    エ ケ  (サ)      P&~P  ケコ&I
      ケ  (シ)~{(P→Q)&~P} エサRAA
1        (ス)~{(P→Q)&~P} ウオクケシ∨E
       セ (セ)  (P→Q)     A
        ソ(ソ)        ~P  A
       セソ(タ)  (P→Q)&~P  セソ&I
1      セソ(チ)~{(P→Q)&~P}&
             {(P→Q)&~P} スタ&I
1      セ (ツ)       ~~P  ソチRAA
1      セ (テ)         P  ツDN
1        (ト)  (P→Q)→ P  セテCP
(ⅱ)
1     (1)   (P→ Q)→P   A
 2    (2)  ~(P&~Q)     A
  3   (3)    P         A
   4  (4)      ~Q      A
  34  (5)    P&~Q      34&I
 234  (6)  ~(P&~Q)&
            (P&~Q)     25&I
 23   (7)     ~~Q      46RAA
 23   (8)       Q      7DN
 2    (9)    P→ Q      38CP
12    (ア)          P   19MPP
1     (イ)  ~(P&~Q)→P   2アCP
    ウ (ウ) ~{(P&~Q)∨P}  A
     エ(エ)   (P&~Q)     A
     エ(オ)   (P&~Q)∨P   エ∨I
    ウエ(カ) ~{(P&~Q)∨P}&
           {(P&~Q)∨P}  ウオ&I
    ウ (キ)  ~(P&~Q)     エカRAA
1   ウ (ク)          P   イキMPP
1   ウ (ケ)   (P&~Q)∨P   ク∨I
1   ウ (コ) ~{(P&~Q)∨P}&
           {(P&~Q)∨P}  イケ&I
1     (サ)~~{(P&~Q)∨P}  ウコRAA
1     (シ)   (P&~Q)∨P   サDN
(02)
「原始的規則(10 primitive rules)」、並びに「ド・モルガンの法則含意の定義」を用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(P&~Q)∨P┤├(P→Q)→P
〔解答〕
(ⅰ)
1  (1)  (P&~Q)∨P A
 2 (2)  (P&~Q)   A
 2 (3)~(~P∨ Q)   2ド・モルガンの法則
 2 (4) ~(P→ Q)   3含意の定義
 2 (5) ~(P→ Q)∨P 4∨I
  6(6)         P A
  6(7) ~(P→ Q)∨P 6∨I
1  (8) ~(P→ Q)∨P 12567∨E
1  (9)  (P→ Q)→P 8含意の定義
(ⅱ)
1  (1)  (P→ Q)→P A
1  (2) ~(P→ Q)∨P 1含意の定義
 3 (3) ~(P→ Q)   A
 3 (4)~(~P∨ Q)   3含意の定義
 3 (5)  (P&~Q)   4ド・モルガンの法則
 3 (6)  (P&~Q)∨P 5∨I
  7(7)         P A
  7(8)  (P&~Q)∨P 7∨I
1  (9)  (P&~Q)∨P 23678∨E
従って、
(01)(02)により、
(03)
「記号」で書くと、
①(P&~Q)∨P
②(P→ Q)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
「日本語」で言ふと、
①(Pであって、Qでない)か、または、Pである。
②(Pならば、 Q)ならば、Pである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
P=日本人
Q=男性
であるとして、
①(日本人であって、男性でない)か、または、日本人である。
②(日本人ならば、 男性)ならば、日本人である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
①(日本人であって、男性でない)か、または、日本人である。
といふのであれば、当然、いづれにせよ、
① 日本人である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①(Pであって、Qでない)か、または、Pである。
といふのであれば、当然、
①  Pである。
従って、
(04)(07)により、
(08)
①(Pであって、Qでない)か、または、Pである。
②(Pならば、 Q)ならば、Pである。
に於いて、
①=② であるが故に、当然、いづれにせよ、
① ならば、Pであり、
② ならば、Pである。
従って、
(08)により、
(09)
①((Pであって、Qでない)か、または、Pである)ならば、Pである。
②((Pならば、 Q)ならば、Pである)ならば、Pである。
従って、
(03)(09)により、
(10)
「記号」で書くと、
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1  (1) (P&~Q)∨P    A
 2 (2)  P&~Q       A
 2 (3)  P          2&E
  4(4)        P    A
1  (5)  P          12344∨E
   (6)((P&~Q)∨P)→P 15CP
(ⅱ)
1  (1)  (P→Q)→P   A
1  (2) ~(P→Q)∨P   1含意の定義
 3 (3) ~(P→Q)     A
 3 (4)~(~P∨Q)     3含意の定義
 3 (5)  P&~Q      4ド・モルガンの法則
 3 (6)  P         5&E
  7(7)        P   A
1  (8)  P         23677∨E
   (9)((P→Q)→P)→P 18CP
従って、
(10)(11)により、
(12)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
に於いて、
① は「恒真式(トートロジー)」であって、
② も「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(13)
命題計算では、パースの法則は((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
①((Pであって、Qでない)か、または、Pである)ならば、Pである。
②((Pならば、 Q)ならば、Pである)ならば、Pである。
に於いて、
①=② であって、
② は、『パースの法則』である。
然るに、
(15)
①((P&~Q)∨P)→P
①((Pであって、Qでない)か、または、Pである)ならば、Pである。
といふ「命題」が、
命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。
とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
といふ「意味」であるとは、私には、到底、思へない。
従って、
(14)(15)により、
(16)
とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
といふ「説明」が、
②((P→Q)→P)→P
②((Pならば、Q)ならば、Pである)ならば、Pである。
といふ『パースの法則』の「説明」になってゐるとは、私には、思へない。