日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(796)所謂、「関連性の誤謬(fallacy of relevance)」。

2021-01-07 19:26:26 | 論理

(01)
①    Q├ P→Q
②   ~P├ P→Q
③    P├ Q→Q
④    P├ Q∨~Q
⑤ P&~P├ Q
こういうのを「関連性誤謬」と言うんですが、こういう推論が「古典論理」にはたくさん含まれているということで、こういう「おかしな推論」をブロックするような論理を作ろう、それが「関連性論理」です。
(cf.大西琢朗 2020年度後期哲学演習I 関連性論理(1) 関連性の誤謬と3項関係)
従って、
(01)により、
(02)
①├   Q→(P→Q)
②├ ~P→(P→Q)
③├  P→(Q→Q)
④├  P→(Q∨~Q)
⑤├ (P&~P)→Q
といふ「恒真式(トートロジー)」を、「関連性誤謬(fallacy of relevance)」といふ。
然るに、
(03)
(ⅰ)
 ―「含意の定義」の証明 ―
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 29&I
1  (イ)~~(~P∨Q) 2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q  イDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(03)により、
(04)
①  P→Q(Pならば、Qである。)
② ~P∨Q(PでないかQである。)
に於いて
①=② である(含意の定義)。
(05) (ⅰ)
1(1)   Q     A
1(2)~P∨Q     1∨I
1(3) P→Q     2含意の定義
 (4) Q→(P→Q) 13CP
(ⅱ)
1(1)~P       A
1(2)~P∨Q     1∨I
1(3) P→Q     2含意の定義
 (4)~P→(P→Q) 13CP
(ⅲ)
1(1)Q   A
 (2)Q→Q 11CP
(〃)
 (1)    Q→Q  TI(定理導入の規則)
 (2)~P∨(Q→Q) 1∨I
 (3) P→(Q→Q) 2含意の定義
(ⅳ)
 (1)     Q→Q  TI(定理導入の規則)
 (2)    ~Q∨Q  1含意の定義
 (3)    Q∨~Q  2交換法則
 (4)~P∨(Q∨~Q) 3∨I
 (5) P→(Q∨~Q) 4含意の定義
(ⅴ)
1(1) P&~P    A
1(2)   ~P    1&E
1(3) ~P∨Q    2∨I
1(4)  P→Q    3含意の定義
1(5)  P      1&E
1(6)    Q    45MPP
 (7)(P&~P)→Q 16CP
従って、
(02)(05)により
(06)
①  Q→(P→Q)
② ~P→(P→Q)
③  P→(Q→Q)
④  P→(Q∨~Q)
⑤ (P&~P)→Q
といふ「論理式(関連性の誤謬)」は、5つとも、「古典論理(自然演繹)」によって、「恒真式(トートロジー)」として、「証明」出来る。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1 (1) ~P→(P→Q) A
 2(2)  P&~P    A
 2(3)    ~P    2&E
12(4)     P→Q  13MPP
 2(5)  P       2&E
12(6)       Q  45MPP
1 (7)(P&~P)→Q  26CP
(ⅴ)
1  (1)(P&~P)→Q  A
 2 (2)   ~P     A
  3(3) P        3
 23(4) P&~P     23&I
123(5)       Q  14MPP
12 (6)     P→Q  35CP
1  (7) ~P→(P→Q) 26CP
従って、
(06)(07)により、
(08)
②  ~P→(P→Q)
⑤(P&~P)→Q
に於いて、
②=⑤ である。
然るに、
(09)
(ⅲ)
1 (1) P→(Q→Q) A
 2(2) P       A
12(3)    Q→Q  12MPP
12(4)   ~Q∨Q  3含意の定義
12(5)   Q∨~Q  4交換法則
1 (6)P→(Q∨~Q) 25CP
(ⅳ)
1 (1)P→(Q∨~Q) A
 2(2)P        A
12(3)   Q∨~Q  12MPP
12(4)   ~Q∨Q  3交換法則
12(5)    Q→Q  4含意の定義
1 (6) P→(Q→Q) 25CP
従って、
(09)により、
(10)
③ P→(Q→Q)
④ P→(Q∨~Q)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(06)(08)(10)により、
(11)
①  Q→(P→Q)
② ~P→(P→Q)
③   P→(Q→Q)
④   P→(Q∨~Q)
⑤ (P&~P)→Q
に於いて、
②=⑤ であって、
③=④ である。
従って、
(02)(11)により、
(12)
「番号」を付け直すと、
① Q→(P→Q)
② P→(Q→Q)
③(P&~P)→Q
といふ「恒真式(トートロジー)」等を、「関連性の誤謬」といふ。
然るに、
(13)
「→」は、普通は、「ならば」と読む。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① Q→(P→Q)
といふ「恒真式(トートロジー)」は、普通は、
① Qならば(PならばQである)。
と読む。
然るに、
(15)
① Q→(P→Q)
は、「恒に真(トートロジー)」であるため、
① Q→(真→Q)
① Q→(偽→Q)
は、両方とも「真」である。
然るに、
(16)
① Q→(P→Q)
に於いて、
① Q→(真→Q)
① Q→(偽→Q)
の、両方が「真」である。
といふことは、
① Qが真であるならば(Pの真偽に拘らず、Qは真である。)
といふことに、他ならない。
従って、
(13)~(16)により、
(17)
① Q→(P→Q)
といふ「式」は、それが「恒真式(トートロジー)」である。
といふことを、考慮する限り、
① Qならば(PならばQである)。
といふ「意味」ではなく、
① Qが真であるならば(Pの真偽に拘らず、Qは真である。)
といふ「意味」になる。
然るに、
(18)
① Qが真であるならば(Pの真偽に拘らず、いづれにせよ、Qは真である。)
といふことは、「常識」であって、「誤謬(fallacy)」ではない
(19)
(ⅰ)真→真
(ⅱ)真→偽
(ⅲ)偽→真
(ⅳ)偽→偽
に於いて、
(ⅱ)以外は、「真」である。
従って、
(19)により、
(20)
「番号」を付け直すと、
(ⅰ)真→真
(ⅱ)偽→真
(ⅲ)偽→偽
の3つが、「真」である。
従って、
(20)により、
(21)
(ⅰ)真→
(ⅱ)偽→
は、2つとも「真」である。
といふことからすると、
「仮言命題(P→Q)」は、
「後件(Q)」が「真」 であるならば、「前件(P)の真偽」に拘らず、「全体として、真」である。
従って、
(21)により、
(22)
② P→(Q→Q)
に於いて、
②   (Q→Q)
が「真」であるならば、
② Pの「真偽」に拘らず、
② P→(Q→Q)
は「真」である。
然るに、
(23)
②(Q→Q)
② QならばQである(同一律)
は、「真」である。
従って、
(21)(22)(23)により、
(24)
② P→(Q→Q)
に於いて、
②   (Q→Q)
が「真」であるが故に、
② Pの「真偽」に拘らず、
② P→(Q→Q)
は「真」である。
然るに、
(25)
② Pの「真偽」に拘らず、
② P→(Q→Q)
は「真」である。
といふのであれば、
② P→(Q→Q)
に於いて、
② Pと(Q→Q)は、「無関係」であると、言はざるを得ない。
従って、
(26)
② P→(Q→Q)
② Pならば(Q→Q)である。
に於いて、
② Pと(Q→Q)は、「無関係」であってはならない
とするならば、
② P→(Q→Q)
② Pならば(Q→Q)である。
は、「関連性誤謬」である。
然るに、
(20)により、
(27)
(ⅱ)→真
(ⅲ)→偽
は、2つとも「真」である。
といふことからすると、
「仮言命題(P→Q)」は、
「前件(P)」が「偽」 であるならば、「後件(Q)の真偽」に拘らず、「全体として、真」である。
従って、
(27)により、
(28)
③(P&~P)→Q
に於いて、
③(P&~P)
が「偽」であるならば、
③        Qの「真偽」に拘らず、
③(P&~P)→Q
は「真」である。
然るに、
(29)
③(P&~P)
③ Pであって、Pでない(矛盾)
は、「偽」である。
従って、
(27)(28)(29)により、
(30)
③(P&~P)→Q
に於いて、
③(P&~P) が「偽」であるが故に、
③        Qの「真偽」に拘らず、
③(P&~P)→Q
は「真」である。
然るに、
(31)
③        Qの「真偽」に拘らず、
③(P&~P)→Q
は「真」である。
といふのであれば、
③(P&~P)→Q
に於いて、
③(P&~P)とQは、「無関係」であると、言はざるを得ない。
従って、
(32)
③(P&~P)→Q
③(Pであって、Pでない)ならばQである。
に於いて、
③(P&~P)とQは、「無関係」であってはならない。
とするならば、
③(P&~P)→Q
③(Pであって、Pでない)ならばQである。
は、「関連性誤謬」である。
然るに、
(33)
関連性の誤謬」をブロックしようとするとですね、「トートロジー(Pならば、Pである。)」を「」にしないといけない。という、「まあなかなか大変なところ」に到達するわけですが、それをどう実現するのか、そのアイディアをお話したいと思います。
(cf.大西琢朗 2020年度後期哲学演習I 関連性論理(1) 関連性の誤謬と3項関係)
然るに、
(34)
「トートロジー(Pならば、Pである。)」を「」にしないといけない。というのであれば、そこまでして、「関連性の誤謬」をブロックする必要は、ないのでは。
といふ風に、私には、思へて、ならない。