日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(34)象は鼻は(が)長い。

2018-06-13 17:42:43 | 「は」と「が」
(01)    
1     ()   ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)} A
1     (2)      象a→∃y(鼻ya& 長y)} 1UE
 3    (3)      象a              A
13    (4)         ∃y(鼻ya& 長y)  23MPP
  5   (5)            鼻ba& 長b   A
  5   (6)                 長b   5&E
   7  () ∃x∃y(動x&鼻yx&~長y)     A
    8 (8)   ∃y(動a&鼻ya&~長y)     A
     9(9)      動a&鼻ba&~長b      A
     9(ア)             ~長b      9&E
    8 (イ)             ~長b      89アEE
   7  (ウ)             ~長b      78イEE
  57  (エ)             ~長b&長b   6ウ&I
13 7  (オ)             ~長b&長b   45エEE
1  7  (カ)     ~象a              3オRAA
1  7 9(キ)     ~象a&動a&鼻ba&~長b   9カ&I
1  78 (ク)     ~象a&動a&鼻ba&~長b   89キEE
1  7  (ケ)     ~象a&動a&鼻ba&~長b   78クEE
1  7  (コ)  ∃y(~象a&動a&鼻ya&~長y)  ケEI
1  7  ()∃x∃y(~象x&動x&鼻yx&~長y)  コEI
従って、
(01)により、
(02)
)全てのxについて、xが象ならば、或るyはxの鼻であって、尚且つ、yは長い。
)或るxは動物であって、或るyはxの鼻であって、尚且つ、 yは長くない。
)或るxは象ではない動物であって、或るyはxの鼻であって、yは長くない。
従って、
(02)により、
(03)
(1)象は鼻は長い。
(7)或る動物の鼻は長くない。
(サ)象ではない、鼻が長くない動物が存在する。
然るに、
(04)
(1)象は鼻は長い。然るに、
(2)或る動物の鼻は長くない。従って、
(3)象ではない、鼻が長くない動物が存在する。
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象は鼻は長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
③ 全てのxについて、xが象ならば、或るyはxの鼻であって、尚且つ、yは長い。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)
「象は」といふ「語」は「象x」に「対応」し、
「鼻は」といふ「語」は「鼻y」に「対応」する。
然るに、
(07)
述語論理」といふ「観点」からすると、
「象x」に於ける「象」は「述語」であって、「x」が「主語」であって、
「鼻y」に於ける「鼻」も「述語」であって、「y」が「主語」である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
「述語論理」といふ「観点」からすると、
① 象は鼻は長い。
といふ「日本語」に、「主語」があるとするならば、
① 象は鼻は長い。
といふ「日本語」には、
① 象x(xは象である)
① 鼻y(yは鼻である)
といふ、「二つの主語」がある。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
私には、「よくは分からない」ものの、
ところで論理学や文法の探求は、一方では分析哲学を論理学 ―― 数学的手法を駆使して論理を体系化していく学問 ―― に近づけ、他方では分析哲学を言語学に近づけると言えます(青山拓央、分析哲学講義、2012年、22頁)。
との、ことである。
従って、
(10)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」を、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、「置き換へて」みることは、それなりに、「正しい、探究の仕方」であると、思はれる。