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The Okinawan spirits ~泡盛百花~vol.6 稲垣千明

2009年08月05日 | 水曜(2009年7~8月):稲垣千明さん
 このブログでは、前回まで泡盛の歴史や文化的背景を主に紹介してきましたが、
やはり「今の泡盛の様子についても知りたい!」という方が少なからず…
いえ、きっと大勢、いらっしゃると思われます。
そこで今回は、現代泡盛事情について、消費者の段階別に、かる~く紹介して
みたいと思います。


 Stage#1

 「市販の泡盛を、晩酌に飲んでいる」

 沖縄では、スーパーマーケットやコンビニなどでも、瓶詰めはもちろん、
紙パックやカップの泡盛まで、気軽に求めることができます。紙パックや
カップの泡盛には、水割り状態で売られているものもあって、買っても手を
加えずに、そのまま飲むことができます。値段も手ごろなものが多くあるので、
家庭内での酒代を抑えるために、紙パックや一升瓶の安い泡盛は、なかなか
活躍しているようです。


 Stage#2

 「泡盛を飲みくらべている」

 常に何本かの泡盛が買い揃えてあり、飲みくらべたり、自分の好みの味を追求している…、
となると、もうこれは立派な泡盛好きです。
こうなると、流通量の少ない酒造所の泡盛や、新商品まで気になってきます。
飲みくらべているうちに、「こだわり」も生まれてくるようです。




 Stage#3

 「泡盛のコレクションがある」

 大半の方が、Stage#2を経て、ここにたどり着くようです。珍しい泡盛を手に入れると、
もったいなくて開けられなくなり、未開封のまま置いておいたり、さらには
瓶のまま熟成させて古酒にすることを、もくろんで、それ用に買った泡盛をストック
するなど、パターンはさまざまですが、飲む楽しみよりも、集めたり熟成させる楽しみが
上回ると、おのずとコレクションが増えていきます。



未開封の古い泡盛。希少価値が高くなり、オークションで高値が付くことも! 
右の二枚はオークションに出された年代物の泡盛たち。


 Stage#4

 「甕(かめ)入りの泡盛を購入して熟成させている」

 瓶のコレクションに飽き足りず、甕入りの泡盛を所有するようになると、
もう、マニアです。
望んでも、現代の居住環境の中で甕を持つのは、なかなか難しいことですが、
瓶より熟成がたしかな甕に入った泡盛を、自分のものとして持ちたいという衝動に
かられるのは、マニアの域に入られた方に共通する症状(?!)のようです。

 
30数年を経て、これから初めて口を開かれようとしている甕入りの泡盛。
保管状態によって、熟成の具合が大きく左右されるので、出して味を見るまで
ドキドキです。運よく、その場面に立ち会った私もドキドキ…。


 Stage#5

 「オリジナルの甕入り泡盛を熟成させている」

 ここまでくると、泡盛マニアの最高到達点です。気に入る甕を求めて、あちこちに
足を運び、そうやって「これ!」と決めた甕に、こだわりの泡盛を詰め、「仕次ぎ」という古酒(クース)泡盛の伝統的な管理の方法まで自分でこなし、まるで、
わが子の成長を見守るようにして、泡盛の熟成を楽しまれている方々がいらっしゃいます。
詰める泡盛を数銘柄ブレンドし、中身までオリジナルになさっている方も少なくないようです。

 




物の流通がゆたかになった現在では、Stage#1、2、3、4の消費者の方々は、
案外、県外にも大勢いらっしゃるのかもしれませんね。本当の泡盛マニアの方は、
飲みに来られてしまったら大変だということで、明かさないことも常だとか。
沖縄にも、昔からそんな話があったとか。これは時代が変わっても、変わらない
事情のようですね。もしかしたら、みなさんの身近にも、「じつは自宅に泡盛が…」
という隠れ泡盛ファンの方が、いらっしゃいませんか?



これは番外編! 自ら捕獲したハブに処理をほどこして泡盛につけた自家製ハブ酒だそうです。
捕獲にも処理にも高い技術が必要とされるので、くれぐれも真似されませんように…。 



text:稲垣千明





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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kappa-rock)
2009-08-05 22:53:43

ハブぅぅぅ
kappa族の遠い親戚にあたるだにぃ~

キジムナーと会えるだにかぁ~?
ドキドキ
俺も早く浸かってみたい。。。なんて。

よぉ~し。今夜はお皿に泡盛だぁ~
気合いをいれて相撲をとるぞぉぉぉっと。。。
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